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公開日:2025.12.11

トヨタが新型スポーツカー「GR GT」とレーシングカー「GR GT3」を初公開! “4リッターV8ツインターボエンジン”“オールアルミニウム骨格”等の新技術を投入【新車ニュース】

GR GT(プロトタイプ)|GR GT Prototype

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は12月5日、新型スポーツカー「GR GT」と、レーシングカー「GR GT3」を発表。静岡県裾野市の実証都市「ウーブン・シティ」にて、開発中のプロトタイプ車両を初公開した。

GR GT(プロトタイプ)|GR GT Prototype

文=細田 靖

写真=トヨタ

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“クルマづくりの秘伝のタレ”を次代に伝承

「GR GT」と「GR GT3」は、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げるTGRのフラッグシップモデル。

開発の初期、すなわち車両のコンセプトを策定する段階から、マスタードライバーであるモリゾウことトヨタの豊田章男会長を中心に、プロドライバーの片岡龍也選手、石浦宏明選手、蒲生尚弥選手、ジェントルマンドライバーの豊田大輔選手、そして社内の評価ドライバーが、エンジニアとワンチームで開発を進めてきた。

クルマを操るドライバーのニーズに耳を傾け、正しく理解し、それを具体化する“ドライバーファースト”の追求がGR GTの特徴。そしてGR GTをベースにしたレーシングカーであるGR GT3も共通したコンセプトのもとに開発された。

GR GTとGR GT3は、かつてのトヨタ2000GT、レクサスLFAに続くフラッグシップの位置づけで、「トヨタの式年遷宮」として“クルマづくりの秘伝のタレ”を次代に伝承することも開発の狙い。

レクサスLFAの開発に携わったベテランから技能・技術を若手へ伝承しながら、クルマのパフォーマンスを高めるため、トヨタ初の新技術を積極的に取り入れ、今までにない数多くのチャレンジを重ねて誕生したのである。

「低重心」「軽量・高剛性」「空力性能の追求」へのこだわり

GR GT/GR GT3|低重心透視図

GR GT/GR GT3|低重心透視図

GR GTは公道を走るレーシングカーをコンセプトに開発。スポーツカーとして、またレーシングカーとして高い運動性能を実現することはもちろん、クルマとの一体感が得られ、どこまでもクルマと対話しつづけられることを目指して開発された。これも“ドライバーファースト”追求におけるこだわりだ。

GR GTには新開発の4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンと8速AT、そして1モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。

システムの最高出力は650ps以上、システム最大トルクは850Nm以上を開発目標値に掲げる。こうした圧倒的なパフォーマンスはもとより、「低重心」「軽量・高剛性」「空力性能の追求」の3要素にもこだわった。

徹底した低重心は、全高とドライバーの位置を極限まで下げようと考えることからスタート。駆動方式は限界領域までの扱いやすさを考え、FRが採用された。

ドライサンプ方式を用いた4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンや、リヤに搭載したトランスアクスルのほか、ユニット類の最適配置によって、重量物の重心位置を大幅に引き下げた。ドライバーとクルマの重心はほぼ同じ位置。クルマとドライバーの一体感と扱いやすさを高めるために理想的なドライビングポジションを追求した結果だ。

軽量・高剛性の実現のために、トヨタとして初めてオールアルミニウム骨格を採用。ボディパネルにはカーボンや樹脂といった様々な素材を適材適所に使用し、強くて軽いボディに仕上げた。

GR GT(プロトタイプ)|GR GT Prototype

GR GT(プロトタイプ)|GR GT Prototype

エクステリアデザインも、空力性能の追求のために、これまでのクルマづくりとは異なるプロセスを経て生み出されたもの。

通常の車両開発ではクルマの外装デザインを決めてから空力性能を考慮していくが、GR GTでは空力性能の理想像を定めてからデザインの検討が進められた。空力設計担当者とエクステリアデザイナーが一丸となって、空力・冷却性能を追求するデザインが導き出された。

インテリアデザインについても、人間工学の視点からプロドライバー起点のベストなドライビングポジションと、限界走行を支える視界を実現するため、細部まで妥協することなく造り込まれた。もちろんサーキット走行のみならず、日常使いについても配慮されている。

GR GT3は勝ちたい人に選ばれる存在

GR GT3(プロトタイプ)|GR GT3 Prototype

GR GT3(プロトタイプ)|GR GT3 Prototype

低重心、軽量・高剛性、空力性能の追求の3つのキー要素は、GR GTをベースにしたレーシングカーであるGR GT3にも反映されている。

GR GT3は、市販車をベースとするカスタマーモータースポーツのトップカテゴリーであるFIA GT3規格に沿って、勝ちたい人に選ばれる、誰が乗っても乗りやすいクルマを目指して開発。

TGRは、プロドライバーのみならずジェントルマンドライバーもステアリングを握るGT3カテゴリーのレーシングカーにおいても、GR GTと同様にドライバーファーストは重要な価値と考えている。

それと同時に、GR GT3はクルマとしての戦闘力を高めるだけでなく、レースに参戦する方が、心の底からモータースポーツを楽しんでもらえるように、最適なカスタマーサポート体制を整える用意も進められている。

GR GTとGR GT3は2027年頃の発売を目指す

写真左からGR GT3(プロトタイプ)、GR GT(プロトタイプ)

写真左からGR GT3(プロトタイプ)、GR GT(プロトタイプ)

TGRのフラッグシップモデルとなるGR GT、GR GT3はともに、新技術のみならず、新しい開発、製造手法にも積極的にチャレンジしており、TGRが参戦するモータースポーツからの学びを生かした手法を複数採用している。

レーシングカーの開発では一般的になっているドライビングシミュレーターを使った研究開発もそのひとつ。開発の初期からシミュレーターを導入することで、クルマの素性を開発の初期から効率よく磨き上げる一助になったという。

シミュレーターによって各パーツを造り込むとともに、トヨタテクニカルセンター下山(愛知県豊田市)などのテストコースはもちろん、富士スピードウェイ、ドイツ・ニュルブルクリンクといった世界中のサーキットで実車での走り込みを行い、限界領域での走行性能や、耐久性能を確認。

GR GTは公道でのテストも重ねており、日常使いにおいても高揚感と扱いやすさ、安心感を提供できるように仕立てられた。

GR GTとGR GT3は他のGR車と同様、「走る・壊す・直す」を繰り返して、あらゆるドライバーの期待を裏切らないクルマが目標。“もっといいクルマづくり”への取り組みをさらに加速させ、2027年頃の発売を目指して開発が進められている。

詳細については準備が整い次第、随時情報が公開される見通しだ。

SPECIFICATIONS
GR GT(プロトタイプ)|GR GT Prototype
ボディサイズ:全長4820×全幅2000×全高1195mm
ホイールベース:2725mm
車両重量:1750kg以下
前後重量配分:45:55
乗車定員:2人
総排気量:3998cc
エンジン:V型8気筒ツインターボ
最高出力:650ps以上
最大トルク:850Nm以上
トランスミッション:8速AT
モーター:トランスアクスル内蔵1モーター
駆動方式:FR
サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン式
ブレーキ:前後カーボンセラミックディスクブレーキ
タイヤサイズ:前265/35ZR20/後325/30ZR20
最高速度:320km/h以上
※諸元は開発目標値・社内測定値

SPECIFICATIONS
GR GT3(プロトタイプ)|GR GT3 Prototype
ボディサイズ:全長4785×全幅2050mm
ホイールベース:2725mm
総排気量:3998cc
エンジン:V型8気筒ツインターボ
駆動方式:FR
※諸元は開発目標値・社内測定値

動画=トヨタ公式YouTubeチャンネルより

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