小さいランクルが出た！ トヨタ新型「ランドクルーザー“FJ”」のサイズや価格は？ 発売は2026年半ば【新車ニュース】

コンパクトな新型ランクル“FJ”は「Freedom＆Joy」という価値をプラス

ランドクルーザー（以下ランクル）は、トヨタBJ型として1951年に誕生。直後に自動車として初めて富士山6合目の登山に成功した。その時から、このクルマだからこそ行き来できる場所で、さまざまな人々の安全と安心を提供する使命を負っている。

その後、世界中のユーザーに育てられ、鍛えられることで、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信頼性・耐久性・悪路走破性の継承と進化を続けながら、現在までに190を超える国と地域で、累計1215万台（※）のランクルが人々の命や暮らしを支えてきた。70数年にわたって世界中のユーザーから愛されてきたトヨタを代表するモデルの1台である。
※2025年8月時点の累計販売台数。レクサスLX、GXを含む

ランクルは常に最新技術を導入し、フラッグシップとして進化を担うステーションワゴン「“300”シリーズ」、高い耐久性と整備性でワークホースを担うヘビーデューティモデル「“70”シリーズ」、そして質実剛健を追求し、ユーザーの生活と実用を支えるという原点に回帰し、2024年に誕生したランクルの中核モデル「“250”シリーズ」の3つのシリーズが展開されてきた。

このたび新たにランドクルーザー“FJ”（以下ランクル“FJ”）を加え、“250”シリーズで原点回帰したからこそ見えた、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いから、人々の生活を支える「信頼性・耐久性・悪路走破性」に、自分らしく楽しむ自由「Freedom＆Joy」という新たな価値をトヨタは提供していく。

全長4575mmはランクルシリーズで最もコンパクト

トヨタ・ランドクルーザー“FJ”（プロトタイプ）｜Toyota Land Cruiser "FJ" (prototype)

ボディサイズは全長4575×全幅1855×全高1960mmで、ホイールベースは2580mm。既存のランクルシリーズで最小の“70”シリーズより、全長で315mm、全幅で15mm、ホイールベースでは150mm小さい。街中でも扱いにくないサイズといえるだろう。

エクステリアデザインは、歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮した、スクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲。サイコロをモチーフとした直方体ボディと、角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさが表現された。

フロントおよびリヤは、引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーの構成とし、圧倒的な安定感を表現。前後ともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプとすることで、壊れた部分のみ交換可能とし、修理性を向上させるとともに、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズへの対応にも配慮された。

インテリアは移動の楽しさを体験できる室内を追求。車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルや、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニター、スイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、さまざまな環境で運転する時でも瞬時に認知、操舵ができるコクピットレイアウトを実現。

安全なオフ／オンロード走行に貢献するため、低く設計されたカウルとインストルメントパネル上面によって、見通しのいい前方視界を確保。悪路でも路面を見下ろしやすいように、ベルトラインは低く設計された。そして、プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用し、より安心な運転をサポートする。

トヨタ・ランドクルーザー“FJ”（プロトタイプ）｜Toyota Land Cruiser "FJ" (prototype)

ボディサイズはコンパクトの部類に入るが、優れた悪路走破性や機動性を実現したのは「ランクル」を名乗るに相応しい。IMVシリーズで鍛えられたプラットフォームを活用し、地上高やアプローチアングルの確保。“70”シリーズ同等のホイールアーティキュレーション（タイヤの浮きづらさ）によるランクルらしい優れた悪路走破性を実現。そして“250”シリーズと比べて270mm短いホイールベースにより、最小回転半径5.5m（“250”シリーズは6.0m）の取り回しの良さ、オフロードでの機動性を確保し、ランクルに新たな魅力をプラスしている。

さらに、床下へのブレース追加、ボディの高剛性化により、優れた操縦安定性を確保。開発では、オフロード試験にて弱点を徹底的に洗い出し、ランクルネス（信頼性・耐久性・悪路走破性）を造り込んだ。

パワーユニットは“250”シリーズなどにも搭載実績のある「2TR-FE」エンジン。最高出力120kW（163ps）、最大トルク246Nm（25.1kgf-m）を発揮する2.7リッター直列4気筒ガソリンエンジンに6速ATを組み合わせ、パートタイム4WDによって四輪を駆動する。

豊富なカスタマイズオプションを導入予定

トヨタ・ランドクルーザー“FJ”（海外カスタマイズ仕様・プロトタイプ）｜Toyota Land Cruiser "FJ" (overseas customized specification/prototype)

このランクル“FJ”では、多彩なカスタマイズオプションが用意される。歴代のランクルを彷彿とさせる丸目型ヘッドランプをはじめ、多様な用途に応じた荷室空間を提供でき、アウトドア用品などを取り付けられるモールパネル、そして、ランクルらしい「どこへでも行く」オフロードスタイルを支える堅牢な外装・機能アイテムを設定。各種アイテムはモデルライフのなかで順次導入される見通しだ。

LAND HOPPER コンセプトモデル

そして現在トヨタは、新しい移動の価値観を提供し、人とモノを運べる電動パーソナルモビリティの「LAND HOPPER」を開発中だ（発売は未定）。ランクルでたどり着いたさらにその先のトレイル（山や森の中にある主に未舗装路の小道）などのオフロードの楽しさを体感でき、普段使いだけにとどまらず、クルマの荷室に積載して旅先でのツーリングなど移動の楽しみが拡大できる。

なお、ランクル“FJ”は10月29日から東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2025（一般公開は10月31日〜11月9日）」にて披露される。現時点では車両価格や生産体制については未発表なため、続報に期待したい。

SPECIFICATIONS
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”（プロトタイプ）｜Toyota Land Cruiser “FJ” (prototype)
ボディサイズ：全長4575×全幅1855×全高1960mm
ホイールベース：2580mm
最小回転半径：5.5m
乗車定員：5人
総排気量：2693cc
エンジン：直列4気筒
最高出力：120kW（163ps）
最大トルク：246Nm（25.1kgf-m）
トランスミッション：6速AT
駆動方式：4WD

記事の画像ギャラリーを見る