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Cars

公開日:2025.12.03

クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #32|フィアット バルケッタ

フィアット・バルケッタと、オーナーのかわむらさん。

みんなの愛車を紹介するコーナー! 今回は「フィアット バルケッタ」が登場。オーナーのかわむらさんは、いったいどんなカーライフを送っているのでしょうか? モータージャーナリストの瀬イオナさんがインタビューしました。

フィアット・バルケッタと、オーナーのかわむらさん。

文=瀬イオナ

写真=塚原孝顕

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CAR #32|Fiat Barchetta

■愛車:
フィアット バルケッタ Limited Edition(1999年)

■オーナー:
かわむらさん(25歳)

■このクルマはいつ購入しましたか?
2025年春に購入しました。乗り始めて9か月くらいですが、7000kmほど走っています。

■このクルマを選んだ理由は何ですか?
小舟のような意匠がとても美しいからです。

■このクルマのお気に入りポイントは何ですか?
90年代のモダンな雰囲気と伝統的なスタイリングが同居したデザイン。赤いレザーをあしらった華やかな内装。扱いやすいエンジンと素直なステアリングが生む一体感。機械式スロットルならではの鋭いレスポンス。そして、なんと言ってもオープンであること!

■このクルマに乗っていて、苦労していることはありますか?
雨漏りです。普段はカバーをかけていますが、大雨のあとには車内に水たまりができてしまいます……。

■これまでの車歴を教えてください。
最初のクルマはフィアット 500C ツインエアで、現在もメインとして乗っています。バルケッタもフィアットのFFオープンカーなので、“フィアット好き”と思われそうですが、たまたま心惹かれた2台がフィアットだっただけです。

■普段クルマを使ってどんな遊びをしますか?
通勤では使わないので、ちょっと遠くまでのドライブや近所への買い出し、手洗い洗車など、すべてが遊び感覚です。ひとりの時間も楽しいですが、クルマ仲間のイベントや馴染みのお店に行く時間が大好きです。

■次に欲しいクルマはありますか?
今のところありません。でも、いつかは昔のフィアット ヌォーヴァ 500に乗りたいと思っています。……やっぱりフィアットが好きなのかもしれません。

かわむらさんは、バルケッタを横から見た姿が特にお気に入りだそうです。クラシカルなボディに、水面のようなキャラクターラインが流れ、まるで小舟がプカプカ浮かんでいるようなスタイリングに惹かれたとのことです。

かわむらさんは、バルケッタを横から見た姿が特にお気に入りだそうです。クラシカルなボディに、水面のようなキャラクターラインが流れ、まるで小舟がプカプカ浮かんでいるようなスタイリングに惹かれたとのことです。

継ぎ目のないボディ造形が贅沢な一台

フィアット バルケッタは1995年に誕生したイタリアのオープンカー。同社の「プント」をベースとしたオープンボディのFFで、1.8リッター直列4気筒エンジンを横置きで搭載しています。車名のバルケッタはイタリア語で“小舟”を意味しており、丸みを帯びた流麗なボディラインは美しく、どこか愛嬌もあります。

また、オーナーのかわむらさん曰く、バルケッタのボディはドアを除いて継ぎ目がなく、プントの約10倍のコストをかけて造られたという噂もあるのだとか。改めて見て回ると、その一体感に驚かされます。

バルケッタ乗りで20代は珍しい! どんな経緯でオーナーになったのか、話を伺いました。

どうですか、このフロントマスク! 柔らかなボディラインに大きな“目”が組み合わさっていて、とても可愛らしいですよね。

どうですか、このフロントマスク! 柔らかなボディラインに大きな“目”が組み合わさっていて、とても可愛らしいですよね。

実車を見て即決! 仕様も年式も、すべて運命?

──本日はよろしくお願いします! まず、このクルマを愛車に選んだ理由から教えてください。

かわむらさん もともとフィアット 500Cに乗っていて、イタ車イベントに参加した際にバルケッタの存在を知りました。

初めて見るクルマで気になったので、近くにいたオーナーさんに「これは何ですか?」と聞いたんです。名前の通り、フォルムがまさに小舟のイメージで、それからずっと気になるようになりました。完全に一目惚れでした(笑)。

──クルマ選びで一目惚れって大事ですよね! いつごろオーナーになったんですか?

かわむらさん 購入したのは2025年の春ごろです。あれこれ調べていくうちにバルケッタ乗りの知り合いが増え、「部品がもう出ないから、乗るなら今のうち」と皆さんに言われて、背中を押されました。中古車サイトで見つけたときはすぐに行動に移しました。

──ついに出会ったんですね!

かわむらさん はい(笑)。中古車サイトの通知設定をずっと“ON”にしていて、その日届いた情報は価格も手頃だったのでコレだ! と思いました。お店に「明日行きます」と連絡して、神奈川の自宅から仙台まで見に行きました。

実車を確認して、その場でハンコを押しましたが、帰り道では「やっちゃったな……」と思いつつも、運命を感じていました。

──即決だったんですね! 何が決め手でしたか?

かわむらさん 前期型だったことと、赤いシックな内装です。そして車体番号から調べたら、自分の生まれ年と同じ1999年式だとわかりました。以前から同い年のクルマに乗ってみたいという夢があったので、実際に目の前にした瞬間は雷に打たれたような感覚でした。

バルケッタは1746cc直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力130PS(96kW)/6300rpm、最高トルク16.7kgf·m(164Nm)/4,600rpmを発揮します。

バルケッタは1746cc直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力130PS(96kW)/6300rpm、最高トルク16.7kgf·m(164Nm)/4,600rpmを発揮します。

──それはもう運命ですね! それでは一目惚れしたというバルケッタの推しポイントを教えてください。

かわむらさん 横から見た小舟のようなフォルムがたまりません。バルケッタにはフルオープン型もありますが、これは幌を閉じられるタイプで、その点も気に入っています。この時代のクルマの中でも独特の雰囲気を放っていると思います。細部までこだわった意匠にもグッときます。

──オープンカー羨ましいです! 普段はどんな場所へ行きますか?

かわむらさん 群馬や長野などへドライブに行き、往復500kmを走ることもあります。オープンでビーナスラインを流すのが最高で、風や景色を存分に味わえるのはオープンカーならでは楽しみかと思います。

それから、このクルマは左ハンドルなので、右利きの私にとって利き手でシフト操作する感覚も新鮮でハマっています(笑)。

かわむらさんにとって、バルケッタに乗る時間は、遠出も買い出しも洗車も「すべてが遊び」。ひとりの時間も良いけれど、仲間とのイベントや馴染みのお店に行く時間がもっと好きだそうです。

かわむらさんにとって、バルケッタに乗る時間は、遠出も買い出しも洗車も「すべてが遊び」。ひとりの時間も良いけれど、仲間とのイベントや馴染みのお店に行く時間がもっと好きだそうです。

──利き手でシフト操作を楽しめるっていいことですね。クルマに興味を持ったのはいつ頃ですか?

かわむらさん 父がクルマ好きだったので、物心ついた頃には好きでした。トミカで遊んだり、対向車の車種を当てたりする子どもだったそうです。ただ、当時は国産車ばかり見ていて、輸入車には疎かったですね。

──そんな中、最初の愛車が500Cだったんですね。

かわむらさん はい。就職してから500Cを手に入れたのですが、これも一目惚れに近いです。「2気筒で走るクルマがあるらしい」と聞いて興味を持ち、試乗してみたらすっかり虜になりました。

──その後、バルケッタの虜になったわけですね(笑)。

かわむらさん 人との出会いがなければ、このクルマに辿り着くことはなかったと思います。友人がオープンカーを手に入れたことで、オープンエア・モータリングのよろこびを覚えました。500Cをきっかけに出会った仲間が、さらに世界を広げてくれました。イタリア車のイベントでバルケッタを目にして、車名を尋ねたときからずっと惚れっぱなしです。

輸入車が身近にある家庭でもなかったので、すべての出会いに感謝しています。まさか、自動車番組「トップ・ギア」の中東スペシャルでリチャード・ハモンドが乗っていた、イタリアのよくわからないオープンカーを選ぶことになるとは夢にも思いませんでした。

それに、まさか2台持ちの人生になるとも予想していませんでしたが、これからも大好きなクルマに乗り続けたいと思います。

──大好きなクルマに囲まれて幸せですね! これからも素敵なカーライフをお過ごしください!

かわむらさんにバルケッタのデザインとして気に入っている点を尋ねると、「バルケッタを語るうえで重要な点は、幌をボディに格納できることです。ロードスターとは異なり、バルケッタは“屋根を開けられるクルマ”ではなく、“屋根を閉められるクルマ”だということです。幌を開けると、赤いレザーの内装もあいまって、まるでモナコに停泊している高級ボートのよう……というのはさすがに言いすぎですね」と、熱く語っていただきました!

かわむらさんにデザインについて尋ねると、「バルケッタを語るうえで重要なのは“幌をボディに格納できること”。ロードスターとは違い、“屋根を開けられるクルマ”ではなく“屋根を閉められるクルマ”なんです。幌を開けると赤いレザーも相まって、まるでモナコに停泊する高級ボートのよう……というのはさすがに言いすぎですね」と、熱く語ってくれました。

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