スズキ初のBEV「eビターラ」は2026年1月発売! 先進デザインのコンパクトSUVは一充電で最高520km走行、国内需要に注目【新車ニュース】
スズキは、新型BEV「eビターラ」を2026年1月16日に発売すると発表した。税込車両価格は399万3000円〜492万8000円。「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」対象で補助交付金額は87万円なので、実質的には約310万円からとなる。
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eビターラはスズキのBEV世界戦略車第一弾
新型eビターラは、2024年11月にイタリア・ミラノで初公開され、今年1月にインドの「バーラト・モビリティ・グローバル・エキスポ2025」で披露された、スズキのBEV世界戦略車第一弾。
「Emotional Versatile Cruiser(エモーショナル・バーサタイル・クルーザー)」を商品コンセプトに、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つデザイン、BEVらしいキビキビとしたシャープな走りを実現する電動パワートレイン、悪路での走破性のみならず、よりパワフルな走りを実現する電動4WD「オールグリップ-e」、そしてBEV専用に新開発したプラットフォーム「ハーテクト-e」を採用したSUVだ。
ボディサイズは全長4275×全幅1800×全高1640mmで、ホイールベースは2700mm。2024年10月に発売された新型ハイブリッドSUV「フロンクス」と比べると、eビターラの方が全長で280mm、全幅で35mm、全高で90mm大きく、ホイールベースは180mm長い。とはいえ、eビターラも扱い難くないサイズを実現している。
車名のビターラとは、活力や生命力を意味する英語の「Vitality(バイタリティ)」に由来しており、エスクード(2024年に販売終了)の海外モデル名として用いられているものだ。
BEVの先進感とSUVの力強さを表現

スズキeビターラ|ボディカラー:ランドブリーズグリーンパールメタリック ブラック2トーンルーフ
エクステリアは「ハイテク&アドベンチャー」をテーマに、多角形や多面体構造を採用し、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つ、冒険心を刺激する力強さを表したデザインが特徴だ。
さらに、押し出し感の強いフロントマスクや、BEVならではのロングホイールベースに、四隅に踏ん張る大径タイヤやサイドスラッシュガードなどで力強い走破性が表現された。
フロントのLEDデイタイムランニングランプ(LEDポジションランプ)やリヤのLEDコンビネーションランプには、3ポイントが特徴的なシグネチャーランプを採用し、先進感を演出。
全車に225/55R18 98Vサイズのタイヤを組み合わせる18インチアルミホイールは、空力と軽量化を両立させた樹脂製ガーニッシュを採用。アルミだけでは表現できない細部まで作り込んだデザインとなっている。
ボディカラーは、2トーンが「ランドブリーズグリーンパールメタリック ブラック2トーンルーフ」「スプレンディッドシルバーパールメタリック ブラック2トーンルーフ」「オピュレントレッドパールメタリック ブラック2トーンルーフ」「アークティックホワイトパール ブラック2トーンルーフ」の4タイプ。これにモノトーンの「ブルーイッシュブラックパール4」を加えた計5タイプのカラーを設定。なお、アークティックホワイトパール ブラック2トーンルーフは税込8万8000円高、そのほかのブラック2トーンルーフ仕様は税込5万5000円高の有償となる。

スズキeビターラ|Suzuki eVitara
インテリアは最新デバイスの搭載やSUVらしいタフな造形と機能的な装備を持たせると同時に、ブラックとブラウンを基調とすることで、上質さを表現。
10.25インチのメーターと10.1インチのセンターのディスプレイを同一平面上に配置した「インテグレーテッドディスプレイシステム」の採用も新しい。優れた操作性と繋ぎ目のない一枚ガラスの高い質感によって、BEVならではの先進感を演出。フローティングデザインのセンターコンソールや、フロントドアとセンターコンソールミドルトレイに備わるアンビエントライトも先進的なディテールだ。
インパネやフロントドアトリムにはブラウンのソフトパッドを採用。エアコンルーバーの周辺にはダークシルバーガーニッシュやピアノブラック調の加飾が施され、タフでありながら洗練されたイメージを創出している。
トップグレード「Z 4WD」は総合で184ps/307Nmを発揮する2モーターを搭載

スズキeビターラ|Suzuki eVitara
プラットフォームはBEV専用に新しく開発した「ハーテクト-e」の採用により、軽量な構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内スペースを実現。高ハイテン(高張力鋼)材の使用率を従来のプラットフォームより上げることで重量低減を図っている。また、メインフロア下メンバーを廃止した効果で、バッテリー容量を最大化させている。
パワートレインはモーター、インバーター、トランスアクスルを一体型にした「eAxle」の採用により、エネルギー効率を高めると同時にコンパクトな設計を実現。モーターの最高出力/最大トルクはグレードによって異なる。エントリーグレードに位置付けられる「X(2WD)」は106kW(144ps)/193Nm(19.7kgf-m)を発揮。
上級の「Z 2WD」の最大トルクはXと同じだが、最高出力が128kW(174ps)に。そしてトップグレードの「Z 4WD」はZ 2WDと同スペックのフロントモーターに、48kW(65ps)/114Nm(11.6kgf-m)のリヤモーターを組み合わせ、総合で135kW(184ps)/307Nm(31.3kgf-m)を引き出す。
バッテリーは安全性が高く、寿命の長いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。容量は160Ahで一充電航続距離はWLTCモードで433km〜520kmを実現した。
アクセルペダルの操作のみで加減速をコントロールできる「イージードライブペダル」に加えて、「NORMAL」「ECO」「SPORT」の3つのドライブモードが設定された。
2700mmのロングホイールベース、そして18インチタイヤを装着しているにもかかわらず、最小回転半径は5.2mを実現。これはタイヤの切れ角を大きくしたことで達成したもの。良好な取り回し性も見逃せない特色だ。
安全性の面では、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」をはじめとする多彩な先進安全機能が全車に標準装備され、安心・安全なドライブをサポートする。
このほか、BEVのある暮らしをもっと快適・便利にするために、「タイマー充電」や「バッテリーウォーマー」などの機能を追加したスズキコネクト(別途加入の必要あり)が採用されている。
スズキ「eビターラ」モデルラインナップ
・X(2WD):399万3000円[433km]
・Z 2WD:448万8000円[520km]
・Z 4WD:492万8000円[472km]
※価格は消費税込み。2WDは前輪駆動。[ ]内は一充電航続距離(WLTCモード)
SPECIFICATIONS
スズキeビターラ Z 4WD|Suzuki eVitara Z 4WD
ボディサイズ:全長4275×全幅1800×全高1640mm
ホイールベース:2700mm
最低地上高:185mm ※社内測定値
最小回転半径:5.2m
乗車定員:5人
車両重量:1890kg
モーター最高出力:前128kW(174ps)/後48kW(65ps)
モーター最大トルク:前193Nm(19.7kgf-m)/後114Nm(11.6kgf-m)
システム最高出力:135kW(184ps)※社内測定値
システム最大トルク:307Nm(31.3kgf-m)※社内測定値
駆動方式:4WD
バッテリー容量:160Ah
一充電航続距離:472km(WLTCモード)
交流電力量消費率:144Wh/km(WLTCモード)