ホンダ新型の軽EV「N-ONE e:」は269万円から! 日常使いを重視し、295kmの航続距離と安全装備を充実【新車ニュース】
ホンダは9月12日、新型軽乗用EV「N-ONE e:(エヌワン イー)」を発売した。税込車両価格は「e: G」が269万9400円、急速充電に対応する上級の「e: L」が319万8800円。
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「N-ONE e:」は日常使いに便利な軽乗用EV
N-ONE e:は「e:Daily Partner(イー デイリー パートナー)」をグランドコンセプトに、日々の暮らしを生き生きと活発にしてくれる“日常のパートナー”となるクルマを目指して開発された。
愛着の湧くエクステリアデザインや、ホンダのパッケージングの基本思想である「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想※」を、ホンダ乗用車の原点であるN360から継承。EVならではの力強くクリーンな走りと静粛性、そして日常使いに安心感をもたらす航続距離295km(WLTCモード/国交相審査値)の実現により、幅広い方々に支持されるスタンダードなEVとなるために生み出された軽乗用EVだ。
※人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にというホンダのクルマづくりの基本思想
ユーザーの移動と暮らしを支え、日常のパートナーとして日々の生活になじむシンプルさを追求するとともに、給電機能やV2H(Vehicle to Home※)など、EVならではの便利で暮らしに役立つ機能も備えている。
※EVに蓄えた電力を自宅で使えるようにするシステム
N-ONEをベースにEVならではのクリーンさを表現

ホンダN-ONE e:|Honda N-ONE e:
エクステリアデザインはN-ONEをベースに、EVならではのクリーンさを表現。フロントフェンダーや、リヤ周りのガラスを含むテールゲート全体を、強い張りを持たせた曲面に仕上げることで、上質な立体感と軽快で安定したスタンスが表現された。
ボディカラーは、新色のチアフルグリーン(※)に、プラチナホワイト・パール(※)、ルナシルバー・メタリック、フィヨルドミスト・パール(※)、シーベッドブルー・パール(※)を加えた全5色がラインナップされた。
※税込3万3000円の有償

ホンダN-ONE e:|Honda N-ONE e:
インテリアは、インストルメントパネル上部を薄さが感じられる造形とし、広がり感のある室内空間とするとともに、前方視界を広く確保。車幅感覚もつかみやすく、運転時に安心感をもたらす見通しの良い視界を提供する。
生活圏での移動が中心で、ナビの使用頻度の少ない方向けに、インストルメントパネル上部が完全にフラットになるディスプレイレス仕様(ナビレス仕様)も用意。この仕様は、よりよい視界とシンプルで開放感のある室内空間を提供するとともに、ナビがなくてもスマートフォンとBluetooth接続することで、音楽を聴くことが可能だ。
また、ホンダが掲げる環境負荷ゼロ社会の実現に向けた取り組みとして、フロントグリルには廃棄されたホンダ車のバンパーをリサイクルした「バンパーリサイクル材」を採用。インストルメントパネル上部のベージュ色の加飾には植物由来のバイオ樹脂を用い、インシュレーターやホンダ純正アクセサリーのフロアカーペットには、使用済みペットボトルなどを再資源化した素材を活用している。これらにより、環境負荷を低減し、地球にやさしいクルマづくりを実現している。
パッケージングはN-ONEの特長でもある「室内の広さ」と「使い勝手の良さ」を、EVであるN-ONE e:にも継承。フロア下に搭載するバッテリーを薄型化することで、大人4人が快適に乗車できる空間を確保した。さらに、ダイブダウン機構によりリヤシートを倒すことで、荷室から続くフラットな床面を実現するとともに、チップアップ機構によって座面をはね上げると背の高い荷物が積載可能になるなど、多彩なシートアレンジによって、N-ONEと同等の利便性を備えている。
また、より自然な運転姿勢が取れるレイアウトを実現するため、N-ONEに対し、乗車位置はそのままにステアリングを37mmドライバーに近づけることで、ステアリング操作とアクセル操作のさらなる安定感を追求。さらに、フロントフード形状を工夫することで、運転席からの視界を向上させ、前の車両との間隔がつかみやすく、街中での取り回しも容易になっている。
一般的にEVはバッテリー配置の制約から、車高が高めに設計される傾向があるが、N-ONE e:の全高はN-ONEと同等で、軽ハイトワゴンとしては低めのため、多くの立体駐車場に駐車可能。走行時の空気抵抗が少なく電費向上へも寄与している。さらに、軽商用EVのN-VAN e: (エヌバン イー) と同様にフロントグリルに充電口を配置することで、充電しながらでもスムーズに乗り降りできる。
ホンダ軽乗用車初の「シングルペダルコントロール」を採用

ホンダN-ONE e:|Honda N-ONE e:
パワーユニットは、小型化した電動パワートレーンや大容量かつ薄型化したバッテリーを採用し、モーターや制御機器などの高電圧部品を効率よくまとめて配置。日常使いに十分な航続距離とゆとりある室内空間を両立した。
WLTCモードで295kmの航続距離を達成したほか、充電時間は普通充電で約4.5時間(※1) 、急速充電で約30分(※2)を実現。待機時間のストレスを軽減している。バッテリー冷却・加温システムの採用により、季節を問わず航続距離・充電時間を安定させる。
※1:普通充電の出力が6kW以上で、充電残量警告灯が点灯した時点から満充電までのおおよその時間
※2:急速充電の出力が50kW以上で、充電残量警告灯が点灯した時点から充電量80%までのおおよその時間(夏季・冬季には充電時間が長くなる場合がある)
AC外部給電器「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を使用すると、最大1500Wまで出力が可能。アウトドアなどでの活用はもちろん、夜間の安価な時間帯に充電した電気を日中にV2H機器を介して家庭で使用することで、電気代の節約にも貢献する。非常時には家庭の電源としても活用できる。
走りの面では発進や停止、交差点での右左折、駐車場での切り返しなど、街乗りで想定される運転シーンに合わせた走行性能を磨き上げた。
EVならではの静かでスムーズな加速に加え、扱いやすく小まわりの利くハンドリング、床下に配置したバッテリーによる低重心設計が生み出す高い走行安定性、電動サーボブレーキによる自然で安心感のある減速特性など、運転のしやすさと快適な走りを両立している。
さらに、ホンダの軽乗用車として初めて「シングルペダルコントロール」を採用。加減速から完全停車までアクセルペダルだけで行えるため、街中の走行や駐車時におけるペダルの踏みかえの煩わしさを軽減し、日常のドライブをより快適にする。ただ、シングルペダルコントロールはあくまで運転支援機能のため、システムの性能には限界がある。システムの能力を過信せず、つねに周囲の状況を確認し、必要に応じてブレーキペダルを踏むなど、安全運転を意識したい。
「渋滞運転支援機能」もホンダ軽で初搭載

ホンダN-ONE e:|Honda N-ONE e:
N-ONE e:には先進の安全運転支援機能「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全車に標準装備。ホンダ軽自動車初(ホンダ調べ/2025年9月時点)となる「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」を搭載した。また、衝突事故での二次被害軽減を支援する技術「衝突後ブレーキシステム」をN-VAN e:に続き採用している。
グレードは2種類を設定。「e: G(税込269万9400円)」はシンプルなデザインや機能を追求したスタンダードタイプ。Bluetooth対応オーディオを標準装備としつつ、ディスプレイがないすっきりとした室内空間が特長だ。なお、8インチのディスプレイオーディオをディーラーオプションとして設定できる。
上級グレードに位置付けられる「e: L(税込319万8800円)」は、e: Gをベースに9インチHonda CONNECTディスプレイ(ナビゲーション連動)や14インチアルミホイール、本革巻ステアリングホイールを標準装備。急速充電に対応しているのも特色だ。

ホンダN-ONE e:|スマートフォン充電状態リモート表示
ホンダの会員制サポートサービス「Honda Total Care(ホンダ トータル ケア)」のIDを取得すると、スマートフォンアプリから充電状況の確認や各種リモートでの操作が可能となる。標準機能として、充電状態リモート表示、お出かけ前タイマー設定、充電待機時間設定、最大電流量設定、最大充電量設定、外部給電下限SOC(※1)設定を無料(※2)で利用できる。これらの機能により、快適な移動に加えて電気代の抑制、航続距離の向上にも寄与する。
※1:充電状態(state of charge)
※2:アプリ利用時のデバイスの通信料などは発生する
●充電状態リモート表示
バッテリー残量、航続距離、充電完了の予定時間など、アプリを通じて離れた場所でも状態を確認できる。
●お出かけ前タイマー設定
アプリで出発時間をタイマー設定することで、設定時間に合わせて車内の温度を快適に調整。また、充電プラグ接続時は外気温に応じてバッテリーを最適な温度にコントロールすることで、外気温が低い冬場でもバッテリーが温まった状態で走行できるため、航続距離最大化に寄与。
●充電待機時間設定
バッテリーの充電時間帯を曜日単位で設定できる。これにより電気代の高い時間帯を避けた充電設定が可能に(車両の状態によって待機時間中でも系統電力を使用する場合がある)。
●最大電流量設定
充電時の電流量の最大値を設定することで、電力会社との契約容量を超えないように充電することが可能。
●最大充電量設定
ユーザーの使い勝手に合わせて充電量の上限を80%~100%の間で設定可能。バッテリーをいたわることで劣化を防ぐ。
●外部給電下限SOC設定
ホンダ パワーサプライコネクターなどのAC外部給電器を使用した際、あらかじめ設定した残充電量に達すると自動で給電を停止する。外出先で外部給電した場合などでも、帰路の電力量を十分確保できるため、安心して使用できる。
このほか、「e: L」では「Hondaリモート操作」や「緊急サポートセンター」、「自動地図更新」を利用できる「Honda Total Careプレミアム(※)」を選択可能。さらにオプションとして「Honda ALSOK 駆けつけサービス(月額330円)」「Hondaデジタルキー(月額330円)」「車内Wi-Fi(月額1650円)」を追加できる。
※月額 550円で最短1カ月から利用期間を選択できるサブスクリプションサービスで別途申し込みが必要
SPECIFICATIONS
ホンダN-ONE e:|Honda N-ONE e:
ボディサイズ:全長3395×全幅1475×全高1545mm
ホイールベース:2520mm
最低地上高:140mm
最小回転半径:4.5m
乗車定員:4人
荷室サイズ:長さ2040[2010]×幅1300×高さ1170mm
車両重量:1030kg
モーター最高出力:47kW(64ps)
モーター最大トルク:162Nm(16.5kgf-m)
駆動方式:FF
バッテリー容量:82.7Ah
一充電航続距離:295km(WLTCモード)
交流電力量消費率:105Wh/km(WLTCモード)
※[ ]内は「e: L」