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公開日:2025.09.24

フォルクスワーゲン新型T-クロスは2026年にBEV版が市販化へ! 「ID.クロス コンセプト」を発表【新車ニュース】

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

フォルクスワーゲンは9月8日にミュンヘンで開幕した「IAAモビリティ2025」において、新型電動コンパクトEVのコンセプトカー「ID.クロス コンセプト」を発表した。

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

文=細田 靖

写真=フォルクスワーゲン

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ID.クロス コンセプトは親しみが持てるデザインに

「ID.クロス コンセプト」は「T-クロス」クラスの手頃な価格の電動コンパクトSUVとして、2026年の市販化が見込まれている。

フォルクスワーゲンブランドのトーマス・シェーファーCEOはこのように述べている。

「この車の開発当初から、私たちの目標はフォルクスワーゲンブランド史上最高のモデルをデザインすることでした。量産モデルに近い“ID. CROSS”コンセプトカーは、新しいデザインを纏い、これまでは上位クラスでしか見られなかった数多くのテクノロジーを採用し、操作性と品質を向上して、“適切な”モデル名とともに公開されます。私たちは、この新しいフォルクスワーゲン世代により、私たちの約束を果たします」

ボディサイズは全長4161×全幅1839×全高1588mmで、ホイールベースは2601mm。この寸法は現行のT-クロスと同等だ。が、ホイールとタイヤの組み合わせは新しくなっている。デザイナーはID. クロス コンセプト専用に「バルボア」と呼ばれる21インチのアルミホイールを開発。タイヤはグッドイヤーとの協力により、このコンセプトカー専用の235/40 R21タイヤが開発され、タイヤのサイドウォールにはリムのデザインが反映されている。

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

アーバンジャングル グリーンと呼ばれるカラーをまとったID.クロス コンセプトは、クリアで好感が持てる新しいデザイン言語を反映している。

フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるアンドレアス・ミント氏は、このように説明している。

「私たちは新しいデザイン言語を“ピュア ポジティブ”と呼んでいます。これは、フォルクスワーゲンにおける3つのデザイン基盤(安定感、親しみやすさ、独自性)に基づいており、今後のすべての新しいフォルクスワーゲンに反映されていきます。私たちは、純粋かつ力強く明確なライン、視覚的な安定感、そしてポジティブで親しみが持てるデザインを重視しています。“ID. クロス コンセプト”のラインと力強いボディパネルは、純粋でクリアです。このSUVの形状は、トレンドに追随するのではなく、トレンドを創り出し、ブランドのアイデンティティを未来へと引継ぎます」

ID.クロス コンセプトのポジティブな個性は、ボディの前後を見ればすぐに分かる。そのグラフィックスと3Dライトシグネチャーにより、車が“微笑んでいる”ような印象を与える。

ミント氏はこのように付け加える。

「フォルクスワーゲンのモデルは、親しみが持て、唯一無二で、個性的で感動を与えるものでなければなりません。そのため、ID.クロス コンセプトでは、ゴルフやVWバスなど、フォルクスワーゲンを象徴するデザインを意図的に想起させ、そのうえに“隠し味”を少し付け加えています。これは、例えば魅力的なCピラーや完全にまっすぐなウインドウラインに見て取ることができます。世界でもこれほど力強いデザインの伝統を継承している量産ブランドは、ほとんどありません。そしてそれは、私たちの未来への旅におけるツールキットの中に常に存在し続けるでしょう」

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

インテリアは心地よいオアシスをイメージして設計。布張りの表面などは優れた素材の品質と感触が印象的だ。事前に設定された照明、音響、空調モードの「Atmospheres(アトモスフィア)」により、バニラチャイと呼ばれるカラー(温かみのあるベージュ)を採用したインテリアは、最高の快適性を提供するラウンジへと変身。スクリーン上の植物のモチーフと、視覚的に浮かんでいるように見えるセンターコンソールに配置された本物の植物が、心地よい効果をさらに高める。

さらに注目すべきは、このコンセプトカーのために特別に設計されたシートだ。このシートを完全に折り畳むと、VWバスのようなリクライニングエリアを作り出すことができる。

考え抜かれた人間工学と直感的な操作性を備えた革新的なコックピットにより、ドライバーは運転中も集中力をキープできる。フォルクスワーゲンはID.クロス コンセプトにおいて、直感的なメニュー構成のディスプレイ、自然なボイスコントロール、各種機能を直接操作できる物理スイッチ間の調和のとれた相互作用を実現した。分かりやすいボタンコントロールを備えたマルチファンクションステアリングホイールは、完全に新設計だ。ふたつのディスプレイ(28cm/11インチのデジタルメーターと33cm/13インチのインフォテイメントシステム センター タッチディスプレイ)は、視覚軸上に配置されている。

新的なパッケージ設計により、5人乗りのキャビンは広く、トランク容量は平均を上回る450Lを確保。フロントフード下の“フランク”には、追加のスペース(25L)が設置されている。

211psモーターを搭載して前輪を駆動。航続距離は最大420km

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept

プラットフォームはMEB(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)がベースとなっており、特にエンジン、バッテリー、ソフトウェアなどの面で、将来に向けた継続的な開発が行われ、「MEB+」へと進化している。

フォルクスワーゲンブランド技術開発担当取締役のカイ・グリュニッツ氏は、このように述べている。

「MEBは、来年から新しいソフトウェア世代を導入し、これにより、フォルクスワーゲンのお客様の数多くのシステムの機能が大幅に強化されます。フォルクスワーゲン独自のモジュラーシステムのさらなる開発により、より上位のセグメントの車両に採用されている、さらに進化したトラベルアシストなどの機能も導入されます。したがって、MEB+は、ID.クロス コンセプトの量産バージョンや新型『ID.ポロ』 などの電気自動車を、魅力的な価格で平均的な内容を超える装備とともに提供できるようにする技術的な鍵となります」

駆動システムは新開発された。中心となるふたつのモジュールは、フロントアクスルに統合されたパワーエレクトロニクスを含む電気駆動モーターと、サンドイッチ構造のフロアにフラットに配置された高電圧バッテリー。電気駆動モーターは155kW(211ps)の最高出力を発生し、前輪を駆動する。

予測航続距離(WLTPモード)は最大420km。e-バイク(電動自転車)やコンパクトなキャンピングカーのファンにとっては、航続距離以外にも重要なふたつの要素がある。ボールカップリングは、e-バイク2台を輸送するのに十分な75 kgの牽引荷重に対応するように設計。トレーラーの最大重量は1200kg(ブレーキ付き、勾配8%)だ。

SPECIFICATIONS
フォルクスワーゲンID.クロス コンセプト|Volkswagen ID. Cross Concept
ボディサイズ:全長4161×全幅1839×全高1588mm
ホイールベース:2601mm
乗車定員:5人
荷室容量:前25L/後450L
モーター最高出力:155 kW(211ps)
駆動方式:FWD
一充電走行距離:最大420km(WLTPモード)

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