メルセデス・ベンツの新型「CLAシューティングブレーク」が発表! まずは最大航続距離761kmのBEVモデルから【新車ニュース】
メルセデス・ベンツ グループは7月15日、フルモデルチェンジを受けて3代目となった新型「CLAシューティングブレーク」を欧州で発表した。欧州市場には2026年3月に導入される予定だ。
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新型「CLAシューティングブレーク」はBEVと48Vマイルドハイブリッドの2本立て
今年3月に発表された4ドアクーペの新型「CLA」に続き、ステーションワゴン版の「CLAシューティングブレーク」も新型に生まれ変わった。
新型CLAシューティングブレークにはまず、2グレードのBEVモデルを設定。2026年初頭には48Vマイルドハイブリッドシステム搭載車が追加される見通しだ。
後輪駆動の「CLA 250+シューティングブレークwith EQテクノロジー(以下CLA 250+)」には、200kW(272ps)を発するモーターが搭載され、761km(※)の一充電航続距離を実現。そして四輪駆動の「CLA 350 4MATICシューティングブレークwith EQテクノロジー(以下CLA 350 4MATIC)」には、合計260kW(353ps)を発揮する2モーターを搭載。一充電航続距離は730km(※)だ。
※WLTPモード
永久磁石同期機(PSM)とリヤアクスルに2速ギヤボックスを備えた新開発の電動ドライブシステムは、高効率でダイナミックなドライビングパフォーマンスを実現。1速では発進直後から優れた加速性能を発揮し、0-100km/h加速を「CLA 250+」は6.8秒、「CLA 350 4MATIC」は5.0秒でこなす。そして2速は高速走行時のパワーデリバリーを重視した設計で、長距離走行においても優れた航続距離と快適性を確保する。最高速は両グレードともに210km/h。
完全電動の新型CLA シューティングブレークには、新しいワンボックスブレーキシステムも搭載。このシステムは制動エネルギーの回収を最適化し、航続距離を延長する。効率性を高めるため、ほぼすべてのブレーキプロセスは回生によって完全に実行。回生出力は最大200kWだ。
両グレードには使用可能エネルギー量85kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されている。セルのアノード(電極)にはグラファイトに酸化ケイ素が添加されており、エネルギー密度を高めている。この新世代バッテリーと組み合わせた800Vアーキテクチャは、充電時間を大幅に短縮できる。「CLA 250+」の場合、10分以内に310km(WLTP)分の充電が可能だ。これは、たとえばジュネーブからミラノ、またはベルリンからハンブルクまでの距離に相当する。
充電は最大320kWでの急速DC充電に対応。家庭用ウォールボックスなどでのAC充電は最大22kWまで可能だ。
61mm拡大したホイールベースなどによって居住性が向上

メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク|Mercedes-Benz CLA Shooting Brake
新型のボディサイズは全長4723×全幅1855×全高1469mmで、ホイールベースは2790mm。従来モデルより35mm長く、25mm幅広く、27mm高くなった。ホイールベースは61mmのプラスだ。
フロントエンドからBピラーまでは新型CLAと全く同じデザイン。低いグリーンハウス、スポーティなシャークノーズ、そして142個のクローム調LEDスリーポインテッドスターが点灯する個性的なフロントパネルが新型を主張する。
オプションのマルチビームLEDヘッドライトはスリーポインテッドスターのパターンをあしらい、新型CLAファミリーのアイデンティティを明確に主張する。テールランプもスリーポインテッドスターデザインで、ライトストリップで連結されている。
ルーフラインはより後方へと緩やかに下降し、後方へと向かって流麗なフォルムを描く。一体型のパノラミックガラスルーフは、フロントガラスのフレームからリヤエンドまでシームレスに伸びている。スポイラーは内側がブラック、外側がボディ同色で塗装されており、まるでガラスルーフがリヤウインドウまで伸びているかのような印象を与える。
ルーフが長く、後方に向かって緩やかに傾斜するルーフラインにより、2列目シートのヘッドルームは新型CLAよりも26mmほど広くなっている。また、ドアのカットアウトが大きくなったため、後席の乗降性も高まった。
先代モデルと比較して、新型CLAシューティングブレークはルーフラインが高くなったため、5つの座席それぞれでヘッドルームが広くなっている。後部座席の乗員のヘッドルームは7mm増加した。前席では、ヘッドルームが14mm、レッグルームが11mm拡大している。

メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク|Mercedes-Benz CLA Shooting Brake
インパネデザインは基本的に新型CLAと同じで、10.25インチのデジタルメーターや14インチのセンターディスプレイを採用。オプションのMBUXスーパースクリーンを選択すると、助手席前方に14インチディスプレイが備わる。
後席は先代型と同様に40:20:40の3分割可倒機構を採用。これにより、荷室容量は455Lから最大1290Lまで拡大する。BEV仕様の場合はさらにボンネット下に101Lのスペースが確保されている。
電動テールゲートは標準装備で、荷物の積み下ろしは容易だ。ハンズフリーアクセス機能付きキーレスゴーもオプションで用意された。エレガントなデザインのルーフレールも標準装備で、トレーラーヒッチはオプションで設定。後輪駆動車で最大1500kg、四輪駆動車で最大1800kgの牽引が可能で、このセグメントの電気自動車としては驚異的な牽引力を誇る。
大型パノラミックサンルーフは158個の星が輝く

メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク|Mercedes-Benz CLA Shooting Brake
大型パノラミックルーフは、このセグメントにおいて新たな基準を確立しており、広々と開放的な空間を創り出す。日差しから車内を守るため、断熱性の高い合わせガラスを採用し、内側には赤外線反射コーティングと低放射率(LowE)コーティングを施している。これにより、夏場は車内温度の上昇を抑え、冬場は車内の熱を反射することで熱損失を低減。このLowEコーティングの厚みは200ナノメートルで、直径約5万ナノメートルの髪の毛よりも細い。
パノラミックルーフには、オプションで新機能が追加された。この機能により、ガラスの透明度を10~20ミリ秒で切り替えることができる。乗員は、上方視界を確保するための透明状態と、プライバシー保護のための不透明状態を選択できる。不透明(乳白色)状態は、外部からの覗き見を防ぐだけでなく、直射日光下での眩しさを軽減。切り替え操作はヘッドユニットの車両設定メニューで行う。
パノラミックルーフにはさらに、イルミネーション機能も搭載。初めてアンビエントライティングと連動し、光り輝く星空を演出する。ガラス面に埋め込まれた158個の星は、アンビエントライティングに合わせて個別に選択された色で点灯。光はLEDモジュールを介してフロントから供給される。日中はほとんど見えない星空だが、暗闇の中では、とくに後部座席の乗員に独特の視覚体験をもたらす。フロントとリヤの新しいライトシグネチャーと相まって、イルミネーションガラスルーフはCLAシューティングブレークの個性的なルックスにもひと役買っている。
SPECIFICATIONS
メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク|Mercedes-Benz CLA Shooting Brake
グレード:CLA 250+シューティングブレークwith EQテクノロジー(欧州仕様)
ボディサイズ:全長4723×全幅1855×全高1469mm
ホイールベース:2790mm
乗車定員:5名
モーター最高出力:200kW(272ps)[260kW(353ps)]
モーター最大トルク:335Nm(34.2kgf-m)[515Nm(52.5kgf-m)]
駆動方式:RWD[4WD]
バッテリー容量:85kWh
一充電航続距離(WLTPモード):761[730]km
0-100km/h加速:6.8[5.0]秒
最高速度:210km/h
※[ ]内はCLA 350 4MATICシューティングブレークwith EQテクノロジー