なぜ僕たちは「フィアット500」にときめいてしまうんだろう?『イタ車のことは嶋田さんに聞こう! ユーズドカー購入ガイド』後編
最近、どうして「フィアット500」ばかり気になってしまうんだろう? このサイズ感、このデザイン。壊れたって、それでも乗りたくなるのが、イタリア車の魅力。自他とも認める業界屈指のイタ車マニア、自動車ライターの嶋田智之さんが、はじめてのマイカー選びを案内します。 今回はその後編をお届けします。
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ちいさくて、あまーい!
打越さんが用意してくださった試乗車は、フィアット500Cドルチェヴィータ。“甘い生活”を意味するサブネームのとおり、少し華やかな雰囲気にしつらえられた仕様のオープントップモデルで、“ツインエア”と呼ばれる875ccの直列2気筒ターボエンジンを搭載しています。
嶋「ほかに4気筒の1.2リッターエンジンもあってそっちも楽しいんだけど、ルーツといえる2代目チンクエチェントも直列2気筒を積んでたから、味わいの“らしさ”から言えばこっちかな、って感じだな」
さ「排気量、小さいんですね」
打「そうですね。でも、乗ってみたらおわかりになると思うんですけど、充分に力強いし、結構速いですよ」

さりげないDolcevita=ドルチェヴィータの飾りもイタリア車ならでは

後席から引きずり下ろされた後、「楽しんでらっしゃい!」とさっちゃんを見送る嶋田さん
打越さんが、このクルマの特徴的な部分や操作方法を、ていねいにレクチャーします。最も印象的だったのは、トランスミッションが“デュアロジック”と呼ばれるフィアット独自のシングルクラッチの2ペダル式MT、つまり機構的にはクラッチペダルのないMTで、ATとして走れるモードもあるけど、MTモードに切り換えて、シフトレバーやステアリング裏のパドルを操作して自分で積極的に変速しながら走るとさらに楽しい、ということ。
さ「私、パドル操作ってしたことがないんですけど、できるかなぁ……」
打「やってみれば簡単ですよ。走りながらお教えする方がわかりやすいかもしれませんね。それから……ここのボタンを押すと、ソフトトップが開きます」

忍び寄る水色の影。パドル操作についてひとこと申したい模様

嶋田さん、いつのまにフィアット500Cの後席に!?
深山さんの表情が、パッと花が咲いたみたいな大きな笑顔になりました。女子はやっぱりお洒落なオープンカーがお好き、なのかも。……いつの間に変なオヤジがリアシートに潜り込んだのかは謎なのですが、邪魔なので引きずり下ろして……深山さんの試乗タイム、スタートです。
そして待つことおよそ20分。ショールームに戻って来た深山さんは……満面の笑み! でした。

これは本当に楽しかったときだけに見せる表情のやつ
開けたり閉じたり
嶋「さっちゃん、初めてのチンクエチェント、どうだった?」
さ「すごく楽しかったです。排気量が小さいのに、想像してたよりずっと加速がいいんですね。登り坂でも力強くて、ペダルをそんなに踏み込まなくても当たり前のように登っていってくれるし。カーブとか交差点とかで、気持ちよく曲がってくれるのもいいですね。走ってると、ワクワク感みたいなものがあって、とにかく楽しい」
嶋「パドルは使ってみた?」
さ「はい。本当に簡単でした(笑)。右がシフトアップで左がシフトダウン。すぐに慣れましたし、慣れたら使って走る方が楽しいですね。楽しく走りたいときにはパドルを使って、渋滞とか疲れてるときにはATモードで、って使い分けができるのもいいですね」
嶋「屋根は……開けて走ったのか(笑)」
さ「閉じたり開けたり(笑)。開けたときには外から見てるより遙かに開放感があって気持ちいいんですけど、開けても窓枠? が残るから、あんまり人目が気にならないんですね。そこもすごくいいな、って思いました。デュアロジックもそうですけど、ここも“いいとこどり”なんですね(笑)。私、これまでどちらかといえば大きなクルマが好きだったんですけど、こういうクルマなら小さいのもいいな、って思いました。フィアット500がこんなに素敵だったなんて……」
嶋「仕事の兼ね合いで縁がなかっただけなんだろうけど、ノーマークだったわけだね(笑)」
さ「自宅の近くの駐車場事情が解決したら自分のためのクルマを買いたいなって考えてるんですけど、このクルマも候補の1台になりました(笑)」
はじめてのマイカーに認定中古車をすすめる理由
嶋「といったところで、認定中古車のお話に移ろうか。嶋田はなぜ認定中古車をオススメするのか。……認定中古車とは何ぞや? 打越さん、説明していただけませんか?」

フィアット500の魅力を背中で語る水色
打「はい。フィアットの認定中古車は、最初に登録された日から9年以内の比較的新しい年式で、修復歴のない、状態のいいクルマであることが第一条件です。その車両に、正規ディーラーのサービス工場のプロフェッショナルが、エンジン、トランスミッション、電気系、ブレーキ系など、最大100箇所におよぶ点検と、必要な部分には整備を加えて、チェックのためのテスト走行まで行います。認定中古車として店頭に並べているのは、すべてそういう車両です。なので、全車に走行距離無制限の1年保証をつけていますし、有償にはなりますけど最長3年の保証を選んでいただくことも可能です。当然、万が一のときのためのロードサービスを含めた24時間サポートも御利用いただけます」

フィアットの認定中古車の点検項目は最大100箇所にも及ぶ
嶋「要はベースがもともと程度のいいクルマであるうえに、メカさんたちが細かくチェックしてよくない部分や消耗しちゃってる部分などには手を入れてくれてるわけだから、ユーズドカーとして、その辺の中古車屋さんだとか個人売買だとかで買う個体とは段違いに安心感が高い、ってことだよ。僕たちみたいなスレッカラシは安くてちょっとボロめなクルマを買っても、もちろんどうにかする方法を知ってるし、ボロめなクルマだからこその楽しみ方だとか遊び方みたいなものも知ってるからいいんだけど、フツーはそうじゃないからね。ヒト様にはオススメできないよ。素性が良くてちゃんとしてるクルマを買うのがいちばん! 保証がついてればなお安心! でしょ? まぁその分だけ認定中古車の値段は……」
打「たしかに一般的な中古車屋さんと較べれば高いですよね(笑)。もちろんそこは承知してます。でも、ちゃんと手が入ってしっかり管理されてるクルマをお選びいただくのが、結果的にリーズナブルにお乗りいただくことにつながるのはたしかだと思います。せっかくフィアットを選んで乗っていただくのですから、私たちもできる限り楽しい毎日を過ごしていただきたいと思っていますので」
さ「認定中古車って、売り方としては新車に近い感じなんですね。ユーズドカーって一口に言ってもいろいろあるけれど、見せかけの値段だけで選んじゃダメ、ってことか。これまで何となくしか知らなかったけど、勉強になりました」
嶋「ってことで、フィアット・カフェで上手いナポリピッツァとパスタ食べて、次の目的地に行こう。担当くん、僕はボロネーゼとエスプレッソ・ドッピオ、それとマルゲリータを1枚もらって皆でシェアしようよ。さっちゃんはどうする?」
編「……。…………」
フィアット500のドライブも、フィアット/アバルト松濤でのランチも大満足のさっちゃんなのでした

フィアット500Cのドライブも、フィアット/アバルト松濤でのランチも大満足のさっちゃんなのでした

フィアット・カフェはパスタもピザもエスプレッソも絶品。ランチを目的に通う地元にお住まいのお客様も多いのだとか。映画『カリオストロの城』でルパン3世が食事するミートボールのパスタをイメージしたメニュー(写真上部)もおすすめ!

フィアット/アバルト松濤のショールームの様子。入口正面には、新車と認定中古車が展示され、奥へ進むとカフェスペースが。2階には整備工場も併設する
INFORMATION
フィアット/アバルト松濤
住所:東京都渋谷区松濤2-3-13
Tel. 03-6804-9555
https://shoto.fiat-abarth-dealer.jp/fab/