クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2025.04.15 公開日:2025.04.14

進化版トヨタ「GRヤリス」が注文受開始! 新オプション「エアロパフォーマンスパッケージ」の詳細も判明【新車ニュース】

トヨタ GRヤリス RZ|Toyota GR Yaris RZ

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は4月11日、進化した「GRヤリス」をワールドプレミアした。注文受付は同日より始まり、5月6日に発売する。また「東京オートサロン2025」で披露されたメーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」も発表し、今秋以降の発売が予定されている。

トヨタ GRヤリス RZ|Toyota GR Yaris RZ

文=細田 靖

写真=トヨタ

この記事をシェア

新型GRヤリスは何が進化した?

TGRは4月11日、改良を受けた「GRヤリス」の日本導入を発表し、5月6日から販売開始する。

GRヤリスは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を通して生まれた、TGRのクルマづくりの象徴となるモデル。2020年9月の発売開始以降も、TGRはGRヤリスを用いてFIA世界ラリー選手権、スーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権など、さまざまなモータースポーツへの参戦を継続している。レースやラリーといった極限の環境だからこそ発生するトラブルを、TGRはGRヤリスを「もっといいクルマ」へ進化させるチャンスと捉え、不具合発生時の走行データや操舵フィーリング、壊れた部品にどんな傷や異物がついているか、その原因まで徹底的に追及。改善を重ねることでGRヤリスを鍛えてきた。

「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」に終わりはないというTGRは、今後もGRヤリスでのモータースポーツ参戦を通して、多様なドライバーとともにGRヤリスを継続して進化させていく方針だ。

GAZOO Racing ダイレクトオートマチック トランスミッション(GR-DAT)イメージ

GAZOO Racing ダイレクトオートマチック トランスミッション(GR-DAT)イメージ

このたびの改良では、2024年発表のGRヤリスで初登場した8速AT「GR-DAT(GRダイレクト・オートマチック・トランスミッション)」の性能にさらに磨きをかけた。

2ペダルならではの操作性と走りの両立を狙い、主にスポーツ走行時のギア段の選択制御に細かな改良を加えることで、性能のレベルアップを図っている。Dレンジ走行中のパドル操作でダウンシフト可能な車速領域を拡張(2速→1速)し、パドル操作から変速開始までの時間を短縮。

さらにマニュアルモードでは、スポーツモード選択時のレッドゾーン付近でのダイレクト感を向上。スポーツ走行時の応答性を高めた。エンジン回転数の上昇が遅くなる登坂勾配では、シフトアップタイミングを少し遅らせることでシフトアップ後も高出力を維持する。

また、「クルマとの一体感の進化」として、シャシー部品の締結ボルトの一部に締結剛性の高い特別なボルトを採用。ステアリング操作に対する応答性と直進安定性を向上させた。

リアサスペンションメンバー×ボディと、締結剛性向上ボルト(頭部サイズを拡幅)

リアサスペンションメンバー×ボディと、締結剛性向上ボルト(頭部サイズを拡幅)

さらに、前述したボルトの変更やその他一部のボルト類の締結トルクアップに合わせて、サスペンションセッティングを再適合。ショックアブソーバーの減衰力を調整することで、コントロールと乗り心地の両立を図っている。

EPS(電動パワーステアリング)のチューニングでは、ステアリングのリニア感(ステアリングを切った量に対して1:1で操舵感が得られる感覚)の向上を目指し、プロドライバーの大嶋選手とともに何度も改善を繰り返した。

グレードごとに異なる特性が与えられており、最上位グレードの「RZ“High performance”」用は、サーキットを攻め込むことを念頭に、限界域での速さとコントロール性を追求。「RZ」用は、ワインディングからサーキットまで幅広いシーンで、極めて俊敏なGRヤリスのハンドリングパフォーマンスを引き出す。

このほか、AT車のフットレストの面積を拡大することで、踏み込み時の操作性を向上させたり、モータースポーツ参戦用として位置付けられている「RC」にメーカーオプション設定としていた先進安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」を、RZ“High performance”やRZと同様に全車標準装備となった点もニュースだ。

オプション装備では、縦引きパーキングブレーキ(税込13万2000円)を全グレードで選べるようになったのが新しい。このパーキングブレーキは、FIA世界ラリー選手権や全日本ラリー選手権参戦で得た知見を活かした装備で、これまで「RC」に設定されていたが、このたび全グレードで選択可能となった。

「エアロパフォーマンスパッケージ」は6アイテム!

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンスパッケージ|Toyota GR Yaris Aero Performance Package

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンスパッケージ|Toyota GR Yaris Aero Performance Package

妥協することなく調整を重ねた計6アイテム(下記参照)すべてを同時装着することで、効果を最大化する「エアロパフォーマンスパッケージ」は、GRヤリスの冷却性能と空力性能をさらに向上させる。

TGRはスーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権を戦っているからこそ気づけた課題と向き合い、プロドライバーとともに理想を追求。RZ“High performance”とRCにメーカーパッケージオプションとして、2025年秋以降の設定が予定されている。価格は未定だ。

ダクト付きアルミフード
全日本ラリー選手権参戦車において先行で開発し、GRMNヤリスに採用したカーボン製フードと同形状のダクト付きアルミフードを設定。高速走行中、エンジンルーム内の熱をダクトから放出し、冷却効果を高める。

フロントリップスポイラー
スーパー耐久シリーズで学んだ高次元の空力バランスを実現するために、フロントリフト(※)の発生を抑え、フロントの接地感と空力バランスを高め、車両のトータルリフトバランスを向上。当初はこのフロントリップスポイラーを除く5点のアイテムが検討されていたが、プロドライバーの大嶋選手からのフィードバックを受け、より高次元のバランスを目指し、最終的にこのフロントリップスポイラーを追加採用するに至った。
※走行時、車体前部に対して持ち上がる力が働く現象

フェンダーダクト
ホイールハウス内に溜まる空気を後方へ放出させることで、ノーズダイブ(※)時のステアリングフィールや、コーナー入口での操縦安定性を向上させる。
※急減速時に車体前部が沈み込む現象

燃料タンクアンダーカバー
スーパー耐久シリーズ参戦車両の安全燃料タンクの下部をフラット形状にするアイデアを採用。ボディ下部の空気の流れを最適化し、空力性能を高める。

可変式リアウイング
大型のリアウイングは高速域での操縦安定性に寄与し、またブレーキング時のスネーキング現象(※)を抑制する。可変式のため、サーキットなどの走行シーンに応じてウイングの角度を変え、走りを楽しむことができる。
※車体が左右に揺れる不安定な動き

リアバンパーダクト
リアバンパーにおけるパラシュート効果(※)を抑制し、Cd値(空気抵抗係数)を低減。過酷なレース条件下であるスーパー耐久シリーズの現場で、空力負荷によりリアバンパーが外れたことを起点に、モータースポーツ特有の厳しい環境に対応するため開発された。
※車両前方からの走行風をリアバンパーが受け止めることで空気の滞留を招き、抵抗となる現象

🔳「GRヤリス」モデルラインナップ
・RC:356万円(6速MT)/391万円(8速AT)
・RZ:448万円(6速MT)/483万円(8速AT)
・RZ“High performance”:498万円(6速MT)/533万円(8速AT)
※価格は消費税込み。駆動方式は全車4WD

SPECIFICATIONS
トヨタ GRヤリス RZ“ハイパフォーマンス”|Toyota GR Yaris RZ“High performance”
ボディサイズ:全長3995×全幅1805×全高1455mm
ホイールベース:2560mm
車両重量:1280kg(MT)/1300kg(AT)
乗車定員:4名
総排気量:1618cc
エンジン:直列3気筒ターボ
最高出力:224kW(304ps)/6500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgf-m)/3250-4600rpm
トランスミッション:6段MT/8段AT
駆動方式:4WD
WLTCモード燃費:12.4km/L(MT)/10.8km/L(AT)

動画=@TOYOTAGAZOORacingJPchannel

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)