車中泊でトラブル発生? 初心者ユーザーが注意すべきポイントとマナー。
自由気ままに旅を楽しめると人気の「車中泊」。しかし、マナー違反や防犯対策不足によるトラブルも少なくありません。今回は、車中泊の魅力とともに、快適で安全な旅を実現するための注意点とマナーを紹介します。
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車中泊の魅力とは? 自由な旅の新しいスタイル

ペットと一緒に旅をしたり、手軽にキャンプのような開放感を得られたりするのも車中泊の魅力。
昨今、アウトドアや旅行のスタイルとして「車中泊」を選択肢に挙げる人が増えています。
車中泊の最大の魅力は、自由度の高さです。宿泊施設を予約する手間がなく、思い立ったらすぐ出発できるという大きなメリットがあります。さらに、観光地のすぐ近くで宿泊できたり、ペットと一緒に旅を楽しめたり、キャンプ感覚でアウトドアのような開放感を味わうこともできたりと、ライフスタイルに合わせた旅が実現できます。
もちろん、宿泊費を大幅に節約できるため、旅行コストを抑えたい人にも人気です。
また、車中泊は災害時の避難手段として注目されている点も見逃せません。
「平成28年熊本地震に関する県民アンケート調査結果報告書」によると、2016年の熊本地震では、余震で建物が倒壊することを警戒してクルマの中に避難したという人が、避難所に避難した人を大きく上回ったそうです。
その理由として、クルマのドアを施錠できるため侵入や盗難を防ぐことができ、プライバシーの確保がしやすいことが挙げられます。
車中泊で注意すべきポイント

SA・PAでは、休憩の目的を逸脱した長時間・長期間の駐車は好ましくありません。
車中泊を快適に行うには、いくつかの基本的な注意点を守る必要があります。
まず重要なのは「場所選び」です。SAやPA、道の駅などは、車中泊をおこなう場所の候補に挙げられますが、必ずしもすべての施設で車中泊をしてもいいというわけではありません。
例えば、SA・PAや道の駅では、長時間の滞在や調理行為は禁止されている場合があります。車中泊をおこなう際は、「車中泊可」と明示された専用の駐車場や、キャンピングカーを受け入れている施設を選ぶことが望ましいでしょう。
次に、防犯対策も忘れてはいけません。暗く人気のない場所では車上荒らしのリスクが高まるため、街灯などがあって明るく人目につく場所を選び、窓にはカーテンや目隠しシェードを用意すると安心です。
また、快適に過ごすためにはトイレや水の確保ができる場所を選ぶことも大切です。携帯トイレや非常用飲料水も準備しておきましょう。
事前に地図アプリやWebサイトなどを活用して、現地の様子を調べておくこと。日が暮れる前に目的地に到着して、周囲の環境を確認しておくことが重要になります。
車中泊マナーを守ってトラブルを防ごう

RVパークなどの専用施設でない限り、バーベキューのような火を使った調理はできない。(c) garage38 – stock.adobe.com
車中泊は公共のスペースを利用するケースが多いため、マナーの徹底が求められます。
アイドリング状態での睡眠は、排気ガスによるCO中毒やガソリン切れのリスクがあるだけでなく、騒音で周囲に迷惑をかけてしまいます。夜間の使用電力は、ポータブルバッテリーなどを活用して、騒音や安全に配慮するようにしましょう。
また、オートキャンプ場やRVパークなどの専用施設でない限り、炊事や宴会など、キャンプ場と同じ感覚で過ごすのはマナー違反です。近隣の住居や施設への影響を考えながら過ごすことが必要です。
さらに、SA・PAなどの洗面所で体や食器を洗ったり、大量のゴミを放置することもマナー違反なので絶対に行わないようにしましょう。
体調管理も忘れずに

できれば足を伸ばせるフラットな就寝スペースを確保したい。
車中泊を快適にするためには、場所選びやマナーの遵守に加え、体調管理での工夫も欠かせません。
例えば、長時間同じ姿勢を続けると「エコノミークラス症候群」になるリスクがあります。寝袋や寝具などを用意して、できるだけフラットな就寝スペースを確保し、車内の換気や適切な温度管理、ストレッチなどを行いましょう。また、夏場には熱中症などの危険もあるため、こまめな水分補給も心がける必要があります。
車中泊は、時間や費用の自由度が高く、今後ますます注目される旅のスタイルです。しかしその一方で、マナーやルールを知らずに行うと、トラブルに発展する可能性もあります。安全で快適な旅を実現するために、場所選びや防犯対策、周囲への配慮を忘れずに。ルールを守って、車中泊を楽しい思い出にしましょう。
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