春はクルマが汚れやすい季節! 花粉や黄砂の正しい落とし方。
春は、花粉と黄砂の飛散シーズンが重なり、クルマのボディや窓ガラスが汚れやすくなる季節です。では、花粉や黄砂はどのように落とせばよいのでしょうか。
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ボディに付着した花粉と黄砂は放置しないのがベター

花粉や黄砂が発生する季節は、こまめな水洗いでクルマを洗車することがおすすめです。
日本気象協会によれば、2025年の春は例年より、全国的に花粉の飛散量が多いと予想されています。さらに例年通り、黄砂の飛散シーズンとも重なるため、クルマのボディや窓ガラスが花粉や黄砂によって汚れやすくなります。
これらの汚れは、塗装面の劣化や視界不良の原因となったり、クルマに付着したまま雨に濡れると、ボディに固着しやすくなり、シミや汚れが残るおそれがあります。そのため、定期的な洗車が推奨されています。
ただし、花粉と黄砂が混ざっている場合、洗車方法によっては、クルマに傷をつけてしまうおそれがあるので注意が必要です。
砂塵は偏西風に乗って日本にやってくる!

黄砂が春先に観測されやすいのは、雪や植物がなくなり、砂漠などで地表が露出しているから。
そもそも、春に黄砂が多く観測される理由は、いくつかの要因が重なることにあります。
環境省が2019年に発行した「黄砂とその健康影響について」によれば、黄砂とはユーラシア大陸内陸部の乾燥・半乾燥地域、特にタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などで発生する砂塵のことです。
黄砂の発生源地域では、夏から秋にかけては植物が地面を覆っていたり、冬には土壌の凍結や積雪により、黄砂の発生が抑えられます。しかし、春先で冬の間に積もった雪が解けて地面が露出し、発生した黄砂が偏西風によって運ばれて、砂塵が日本に飛来します。
また黄砂の粒子には、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれています。日本まで到達する黄砂の粒径の分布は、直径約4ミクロンと非常に細かく、黄砂粒子の分析からは、土壌起源ではないと考えられるアンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなども検出され、日本へたどり着く途中で人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されています。
黄砂には視程の低下だけでなく、健康への影響など、さまざまな問題を引き起こすおそれもあります。そのため、環境省や気象庁では、黄砂の観測や予測を行い、情報提供しています。
黄砂は「砂」のため、ボディに傷がつきやすい!

たっぷりと水を使って黄砂を洗い流した後にスポンジ等を使って洗うのがいいという。
前述のように、黄砂は「砂」です。そのため、クルマのボディに黄砂が付着したままこすると、塗装面を傷つけるおそれがあります。
黄砂と花粉は、一見すると判別しづらいですが、触った時の感触で違いを見分けることができます。まず、花粉は軽く細かい粉状で、指で触ると崩れる性質があります。一方、黄砂は粒子が大きく、触るとザラつきを感じるのが特徴です。
黄砂が付着したクルマを洗車する際は、布やスポンジで擦る前に、まず水をたっぷり使って砂を流すことが重要になります。家庭ではホースなどを使い、洗車場などでは高圧洗浄機を使い、しっかりと水圧の力で流すことで、ボディの塗装面を傷つけないようにしましょう。
【花粉や黄砂の洗車方法】
①ホースや高圧洗浄機を使って水圧で流す
ボディ全体を水で洗い流しましょう。この時、ルーフから順に下にいくように水をかけましょう。
②よく泡立てたシャンプーを使用して、スポンジ等で優しく洗う
泡で汚れを包むように、撫でるようにやさしく使用するのがポイントです。
③マイクロファイバークロスで水気を拭き取る
洗車後の水滴を放置しておくと、かえってシミになるおそれがあります。水気を放置せず、しっかりと拭き取りましょう。
ボディコーティングやボディカバーで対策

ボディーカバーを被せることで花粉や黄砂が付着しない。
一般的に、黄砂や花粉の付着を防ぐためには、あらかじめボディコーティングを施すか、コーティング剤を塗るとよいとされています。コーティング剤には「撥水」「親水」「疎水」がありますが、黄砂の対策として使うなら、撥水と親水の中間的性能を持つ疎水タイプのコーティング剤がおすすめです。水を適度に弾くことで、汚れを一緒に流し落としてくれます。
また、屋外にクルマを駐車する場合は、直接クルマに黄砂や花粉が付着するのを防ぐために、ボディカバーをかけるのも有効です。ボディーカバーを使用する際には、取り外し時にボディと擦れて、細かな擦り傷がつかないように注意しましょう。黄砂や花粉の対策としては最も有効な手段といえます。
花粉と黄砂が混ざった春の汚れは、ボディを汚すだけでなく傷をつけてしまう恐れがあります。注意点に気を付けながら優しく洗車することと合わせて、ボディカバーやコーティングの導入も視野に入れるといいでしょう。綺麗なクルマで気持ちの良いドライブを楽しみましょう。
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