サトータケシが選ぶ今年の1台は「ルノー・トゥインゴ」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
日本を代表する著名モータージャーナリスト20名が、20代・30代の若者にオススメしたい今年いちばんのクルマを選出。新車・中古車問わず、いま購入できる車両の中から、サトータケシが選んだベストカーを紹介しよう!
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今年いちばんのクルマ
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ルノー・トゥインゴ|Renault Twingo
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若い世代に勧めたいクルマのナンバーワンはずばり、ルノー・トゥインゴ。2024年に惜しまれながら生産終了になってしまったけれど、トゥインゴにはクルマの楽しさが詰まっているのだ。
まず、コロンとしたルックスがかわいい。MINIやフィアット500にも通じる、ペットのような愛らしいキャラクターが魅力的だ。
内装はシンプルで高級感とは無縁だけれど、デザインのセンスがよくて、小物入れの位置なども気が利いている。無印良品がクルマを作ったらこんな感じになるかも、と思わされる。
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ルノー・トゥインゴ|Renault Twingo
外見だけでなく、中身もおもしろい。というのも、このクルマはRR(リアエンジン・リアドライブ)という個性的なレイアウトを採用しているのだ。エンジンを後ろに積んで後輪を駆動するというのは、ポルシェ911と同じ構造だ。
重たいエンジンをフロントではなくリアに積むとどうなるかというと、鼻先が軽くなる。カーブではシュンシュンとノーズが軽やかにインを向く。もちろんポルシェ911と違って非力な実用小型車ではあるし、スピードは遅いけれど、RRレイアウトに共通するファン・トゥ・ドライブがある。しかもポルシェ911の何分の1かのお値段で、これを楽しめる。
コンパクトだから狭い道でのすれ違いや、ごみごみした繁華街のコインパーキングでも気を使わないし、それなのに大人4人がなんとか乗れる。また、コンパクトカーとしては、という但し書きを抜きに、乗り心地はしなやかで快適だ。そして洒落たデザインとあわせて、ビンボー臭さがまるでない。
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ルノー・トゥインゴ|Renault Twingo
生産終了になってはいるけれど、調べてみると走行距離の少ない中古車がまずまずある。輸入車は故障やトラブルが心配、という方は、ルノーの認定中古車を選ぶという手もある。
ここで悩むのは、5速のマニュアルトランスミッションを選ぶか、6速EDC(デュアルクラッチ式のオートマチックトランスミッション)を選ぶのか、という問題だ。EDCもよくできているけれど、5MTで非力なエンジンを操り、パワーを絞り出しながら走るのは、知的なゲームのようで楽しい。運転がうまくなりたい、という野心をお持ちの方には、ぜひ5MTに乗っていただきたい。
自動車ジャーナリストの大先輩は、クルマの楽しみ方は「見る楽しみ」「走る楽しみ」「知る楽しみ」が3本柱だと教えてくれた。
それでいくと、ルノー・トゥインゴにはデザインを見る楽しみ、ファン・トゥ・ドライブと快適な乗り心地という楽しみ、そして個性的なメカニズムを知る楽しみが揃っている。クルマの三冠王、小さな巨人だ。
これを書いていたら、若い人だけにトゥインゴを勧めるのがもったいなくなってしまい、ついついルノーの公式ホームページから認定中古車を探してしまった。そっか、キャンバストップもあったんだっけ……。
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トゥインゴ EDC キャンバストップモデル