渡辺慎太郎が選ぶ今年の1台は「スズキ スイフト」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
日本を代表する著名モータージャーナリスト20名が、20代・30代の若者にオススメしたい今年いちばんのクルマを選出。新車・中古車問わず、いま購入できる車両の中から、渡辺慎太郎が選んだベストカーを紹介しよう!
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2024年いちばんのクルマ
スズキ スイフト(5代目)|Suzuki Swift
2024年はクルマのパワートレインの電動化がますます進んだ年でした。電動化が進むと、クルマにとっては避けられないネガがふたつ生じてしまいます。ひとつはモーターと駆動用バッテリーを搭載することによる車両重量の増加、もうひとつはそれに伴う価格の高騰です。つまり「重く高い」クルマが増殖する傾向にありました。
そんな中で、スズキ・スイフトは奇跡のような1台でした。5人乗りの5ドアでマイルドハイブリッド搭載で価格は200万円以下、MTもあって燃費はリッターあたり25km以上、そして車両重量はふたり乗りのマツダ・ロードスターよりも軽い920kgです。スズキにしか作れない、あるいは日本人にしか作れない名車だと思いました。
ドライブデートしたいクルマ
マツダ ロードスター|Mazda Roadster
ホンダ S660|Honda S660
そもそも最近の若者はドライブデートそのものにあまり興味がないような話も耳にしますがそれはともかく、デートに使うならやっぱりオープンカーがいいのではないでしょうか。
屋根を開け放てば日中なら穏やか日差しと澄み切った青空が、夜なら満天の星空がお出ましするわけで、「きれい」とか「気持ちいい」とか、そういう気持ちを共有できるだけでも、ふたりの距離は縮まるはず。
ちなみに喧嘩をした後の仲直りのきっかけにも、オープンカーは有効です。中古で程度のいいマツダ・ロードスターやホンダ・S660などがお薦め。ヒーターで足元をしっかり暖めながらの冬のオープンドライブも、露天風呂のようで気持ちが良いです。
家族でお出かけしたいクルマ
シトロエン C4ピカソ|Citroen C4 Picasso
個人的には、どことなく生活感の漂うミニバンと呼ばれる類いのクルマがあまり好きではありませんでした。運転をしているお父さんだけが自動的に仲間外れになるような空間というイメージが強いからかもしれません。
でも、シトロエンのC4ピカソは「これならいいかも」と初めて欲しくなったミニバンでした。大きなガラスサンルーフは室内にとてつもない開放感をもたらし、後部座席でも前方視界がよく、どこに座っても快適な乗り心地で、乗員がみんな平等に嬉しさを分かち合えるようなクルマです。いまなら中古車で100万円台でも程度のいいものがあるようです。
運転が楽しいクルマ
ポルシェ ボクスター(986型)|Porsche Boxster
「運転が楽しい」といっても、どこに楽しさを感じるかは人それぞれで、強烈な加速感にシビれる人もいれば、速くなくてもハンドリングで悦に入る人もいるでしょう。後者なら、中古のポルシェ・ボクスターなんかはいいかもしれません。「クルマとの対話」とはどんなものなのか。それが感じられるでしょう。
初期型あたりなら100万円台から手に入るようです。もちろん、たまに壊れたりもします。でも、クルマというのは所詮機械なので、不具合とどう付き合うかも同時に学べるいい機会だと思います。ピカピカの新車の壊れないポルシェは、歳を取ってから買いましょう。
いま20代だったら欲しいクルマ
正しい解答ではないかもしれませんが、もし自分がいま20代だったらクルマは買わないかもしれません。その代わり、カーシェアを乗り倒しているでしょう。仕事でカーシェアを利用しますが、その時にはできるだけを乗ったことのないクルマを選ぶようにしています。
「リーズナブルな値段でいろんなクルマに乗れるなんて、なんて素晴らしいシステムなんだろう。自分が若い頃にあればよかったのなあ」としみじみ思います。
いろんなクルマに乗ると、本当は自分はどんなクルマが好きなのかが判明するかもしれないし、憧れていたクルマが実はたいしたことなかったなんて発見もあるかもしれません。若いうちはできるだけたくさんの経験をしてみましょう。
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