「三郷流山橋有料道路」で江戸川越えの渋滞は緩和した? 開通1年後の整備効果が明らかに! 【道路のニュース】
埼玉県三郷市と千葉県流山市をつなぐ「三郷流山橋有料道路」は、江戸川渡河部の渋滞緩和を目的に2023年11月に完成した。開通から1年。渋滞緩和や所要時間の短縮はどれほど効果があったのだろうか?
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三郷流山橋有料道路はなぜできた?
「三郷流山橋有料道路」は、江戸川を挟んで埼玉県三郷市と千葉県流山市を結ぶ全長約2.0km(埼玉県側は680m、本橋部約450m、千葉県側が830m)の一般有料道路で2023年11月に開通した。
この道路は、埼玉県と千葉県と埼玉県道路公社が共同で出資し建設を進めた事業で、早期開通実現ため有料道路事業を活用した。地方有料道路としては約20年ぶりとなる新規路線であった。何故、ここまで道路の建設を急いだのか。背景には、つくばエクスプレス沿線の「開発ラッシュ」があった。
つくばエクスプレスの沿線では宅地開発をはじめ、大型商業施設や物流施設も多数進出し、交通需要が急増。特に三郷市と流山市を隔てる江戸川渡河部では慢性的な渋滞が大きな課題となっていた。
三郷流山橋有料道路の開通1年で渋滞は緩和した?
三郷流山橋有料道路の開通から約1年が経過した2024年12月24日、埼玉県 県土整備部 県土整備政策課と千葉県 県土整備部 道路整備課は、三郷流山橋有料道路の開通1年後の整備効果を発表した。所要時間短縮と渋滞緩和の効果についてそれぞれ解説しよう。
所要時間短縮効果
三郷流山橋有料道路を利用する新規ルート(赤点線)と、流山橋を利用する既存ルート(青点線)の所要時間を比較では、平日休日ともに所要時間が半減。大幅短縮となった。
<移動時間短縮事例(最大)>
【平日】新三郷駅付近→流山おおたかの森駅付近(調査日:2024年12月3日)
7時発の場合:
流山橋経由 46分
三郷流山橋有料道路経由 25分
→21分短縮
【休日】新三郷駅付近→流山おおたかの森駅付近(調査日:2024年12月1日)
17時発の場合:
流山橋経由 61分
三郷流山橋有料道路経由 23分
→38分短縮
渋滞緩和効果
三郷流山橋有料道路が利用者が増えたことで周辺地域の交通量が分散。「流山八丁目交差点」の渋滞についても、休日の野田方面に限っては開通前の290mから410mへと伸びているものの、大きな効果を示す結果となった。
1. 流山八丁目交差点を先頭に 野田方面 の最大渋滞長
【平日】【開通前】780m →【開通後】120m
【休日】【開通前】290m →【開通後】410m
2.流山八丁目交差点を先頭に 南流山駅方面 の最大渋滞長
【平日】【開通前】380m →【開通後】130m
【休日】【開通前】500m →【開通後】190m
3.流山八丁目交差点を先頭に 松戸方面 の最大渋滞長
【平日】【開通前】280m →【開通後】200m
【休日】【開通前】350m →【開通後】 70m
※開通前調査日【平日】2020年8月19日(水曜日)【休日】2020年8月23日(日曜日)
開通後調査日【平日】2024年12月3日(火曜日)【休日】2024年12月1日(日曜日)