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最終更新日:2025.01.06 公開日:2025.01.17

ドライバー混乱不可避! 初見殺しのイレギュラーな「予告信号」はどこにある?【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #3】

北は北海道から南は沖縄まで、全国の珍しい信号機を訪ね歩いて20年の信号機マニア・丹羽拳士朗さんによる連載第3回目。今回はドライバー混乱不可避!? イレギュラーな「予告信号」が登場。

文・写真=丹羽拳士朗

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県外ドライバーは困惑!? イレギュラーな予告信号

静岡県掛川市(上)と山口県下関市(下)のイレギュラーな配置の予告信号

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信号機の種類のひとつ「予告信号」。カーブの先や鉄道・高速道路等の高架をくぐった先などにある信号交差点で、かつその手前からでは信号機があることがわかりにくいような場合、前方に信号機があることを知らせるために設置されることがある。

この予告信号は都道府県ごとに仕様が異なり、全国を歩いていると、様々な種類を目にすることができる。今回はその中でも特にインパクトの強い2種類の予告信号を紹介しよう。

【実例① 静岡県掛川市】

静岡県掛川市の予告信号で「黄・赤・黄」配置のもの。

最初に紹介するのは静岡県掛川市にある予告信号だ。この信号機の配列をよく見ると、なんと黄・赤・黄となっている。通常の信号機と1つも配列が合っていない斬新な信号機だ。しかも青がない。

この予告信号は前方の信号機が赤ならばこの予告信号も「真ん中」の赤が点灯し、前方の信号機が青ならばこの予告信号は左右の黄が交互に点滅し、前方に信号機があることを伝え、注意喚起する。つまりこの予告信号を見ればその先の信号機が何色に点灯しているのかわかるようになっているのだ。

静岡県掛川市上西郷の予告信号(写真右上)。先の信号の「赤」を示している。

この種類の予告信号は静岡県内にごく少数設置されていたが、近年さらに数を減らし、今はこの掛川市と小山町の2箇所しか残っていない。あまり普及せず撤去が進んだ原因は、突然赤が点灯し、まだ停止するべき位置でないのに停止する車両がいて、追突などを助長したのではと邪推している。

ちなみに、この交差点は押しボタン式の交差点であり、通常は前方の信号機は青であるため、この予告信号は左右の黄が交互に点滅している。

【実例② 山口県下関市】

山口県下関市の予告信号で「黄・青・黄」配置のもの。

次に紹介するのは山口県下関市にある予告信号だ。写真は電球式のものであるが、すでに同じ配列の新しいLED式のものへ更新されているため留意されたい。

こちらはなんと黄・青・黄という配列になっていて、静岡県掛川市のものと同様、通常の信号機と1つも配列が合っていない。しかも今度は赤がない。

この予告信号は前方の信号機が青ならばこの予告信号も「真ん中」の青が点灯し、前方の信号機が赤になると左右の黄が交互に点滅し、注意喚起するようになっている。

山口県下関市安岡町の予告信号(写真左上)。先の信号の「青」を示している。

この不思議な配列の予告信号は山形県と山口県でのみ採用されている。そのため、この2県ではたくさん見ることができるが、その他の地域では全く見ることができない。ただし、かつては静岡県でも僅かに採用されていた。

これも前方の信号機が何色に点灯しているかわかる便利な予告信号であるが、全国的には普及しなかった。


以上2つの変わった予告信号を紹介したが、実際に全国的に多いのは黄の1灯式や黄の2灯式だ。いずれも黄が点滅するタイプであり、かつて変わった予告信号があった交差点でも黄の1灯式や2灯式に変更してきた。

全国的に多いのは黄の1灯式(写真左)や黄の2灯式(写真右)。

変わった予告信号がなくなっていくのは信号機マニアとしては寂しいが、ドライバーにとって変わった予告信号は、戸惑いを与える可能性もあるため、仕方のない流れなのかもしれない。

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