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最終更新日:2024.09.25 公開日:2024.09.21

なぜ渋谷がマンホールの聖地に? ハンズ渋谷店に誕生した「HANDSマンホールベース渋谷」の魅力に迫る。

東京・渋谷に誕生した「HANDSマンホールベース渋谷」は、日本全国各地のその土地を代表する題材を取り入れたマンホールの蓋=デザインマンホールの魅力を発信する新スポットだ。マンホールカードの産みの親である山田秀人氏(NISHIMURA PROJECT)にその魅力を伺った。

文・写真=宮本 奈々(KURU KURA編集部)

取材協力=ハンズ渋谷店

資料提供=NISHIMURA PROJECT

デザインマンホールに注目が集まる!

筆者の出身地・北海道のデザインマンホール。左上から時計回りに、紋別市、恵庭市、札幌市、稚内市、釧路市、天塩町。

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全国各地で増えている「デザインマンホール」は、地域の建築物や名産品、偉人、さらには地元ゆかりのアニメやマンガのキャラクターといった題材をマンホールのデザインにしたご当地ものだ。ちなみに、写真は筆者の出身地である北海道のデザインマンホールである。札幌市は雪ミクだったり、釧路市は白鳥だったり。見かけたら「つい」撮ってしまうのは、筆者だけではないはず。

首都圏の近郊では「ふっかちゃん(埼玉県深谷市)」デザインや「MFゴースト(神奈川県小田原市)」デザインのものなどがある。こちらも気になる人は、記事を読んでもらいたい。

特に、ここ数年は、デザインマンホールをコレクションカード化した「マンホールカード」の人気に火が付いたことで、各地のデザインマンホールがより脚光を浴びることとなった。マンホールカードの産みの親として知られる山田秀人氏によると、マンホールカード誕生の背景に、「汚い」や「臭い」といった下水道のイメージを改善する目的があったという。

マンホールカードは配布場所が限定されており、その場所に行かなければもらえないということもあって、今では観光コンテンツとしても注目を集めている。観光地でその土地のデザインマンホールを巡り、マンホールカードをもらってくるなんていうのも、最近では増えているのだ。

何故、渋谷にデザインマンホールの聖地を?

ハンズ渋谷店内のHANDSマンホールベース渋谷。(写真・編集部撮影)

東京・渋谷にある「ハンズ渋谷店」(渋谷区宇田川町)に、先の山田秀人氏のプロデュースする、デザインマンホールの聖地「HANDSマンホールベース渋谷」がオープンするという情報を得たKURU KURA編集部は、さっそく現地を取材することにした。「聖地」という響きは、マンホールカードコレクターをときめかせそうだが……一体どんな空間なのか。

オルガン坂に面する1Aフロアの一角にある「HANDSマンホールベース渋谷」には、デザインマンホールのステッカー、チェアパッド、Tシャツなど、1000アイテム以上(約300デザイン)のグッズが並んでいる。エレベーター前ということもあり、足を止めるマンホールカードコレクターやハンズ渋谷店の来店客は多いようにみえる。中には、興味津々の外国人観光客の姿も。

実寸大のデザインマンホール。表面のくぼみもリアルに再現。完全受注生産。道玄坂のマンホールは「1枚、売れました」とのこと。(写真:編集部撮影)

人気はステッカー。スマホなどのデジタル機器に貼るのも良し。出身地のマンホールカードのステッカーを持ち物に貼るのもおすすめ。(写真:編集部撮影)

マンホールカードの生みの親・山田秀人氏。マンホールカードファンの間では超有名人。(写真:編集部撮影)

さっそく出迎えてくれた山田秀人氏に、何故、「HANDSマンホールベース渋谷」をつくることにしたのか尋ねてみた。

下水道のイメージアップや地域の観光活性化に貢献してきたデザインマンホールだが、そのファン層はカードのコレクターに偏重しがちだという。次のステージとして、幅広い層の人にデザインマンホールの魅力を伝える段階にきたことが、デザインマンホールの聖地をつくる、そもそもの理由であったと山田氏は話す。

そうなると、次なる疑問は、何故、渋谷なのかという点だ。

マンホール製造会社の営業マンだった山田氏は、かれこれ10年前、マンホールのイメージアップを目的とした広報活動をするようになったという。そのとき、PRに使用していたのがスクランブルスクエアを行き交う「人」と渋谷のシンボル「ハチ公」をモチーフにした「道玄坂のマンホール」だったそう。

このマンホールは、渋谷らしさを強調しつつ、デザイン性と遊び心を兼ね備えており、デザインマンホールとしての魅力が詰まっているのだとか。

道玄坂のマンホール。正面(左図)はスクランブル交差点を行き交う無数の人、横(右図)は無数のハチ公と、見る側の立ち位置によって、見えるものが変わってくるデザイン。DOG(犬)・EN(縁)・ZAKA(坂)にも遊び心が。(画像:NISHIMURA PROJRCT)

そうした経緯もあって、道玄坂のマンホールのある渋谷こそマンホールブームの発祥地に相応しいと、「訪れたすべての人にデザインマンホールはおもしろい!と感じてもらえる場所」をコンセプトに、渋谷の中心地にあるハンズ渋谷店に魅力発信拠点をオープンしたという。

ちなみに「HANDSマンホールベース渋谷」で最も人気なのも、「道玄坂のマンホール」のグッズで、売り切れも続出しているとのこと。

さらに、HANDSマンホールベース渋谷では、オープンを記念して新しいマンホールカード「WORLD MANHOLE COLLECTION(ワールドマンホールコレクション)」を数量限定で配布中だ(グッズを2000円以上購入で1枚プレゼント。現在は好評につき配布終了。再開は公式Xアカウントで案内予定)。

HANDSマンホールベース渋谷だけのワールドマンホールコレクションカード。従来のマンホールカードにはない模様のくぼみの再現が特徴。(資料:NISHIMURA PROJECT提供)

このワールドマンホールコレクションカードは、山田氏が今冬に展開を開始する最新のご当地カードで、デザインマンホールを全国共通の街のシンボルマークと位置付け、全国の観光案内所で配布(販売)する予定のものだ。観光案内所に行けば誰でも「街を訪れた証」として手に入れられることから、既存のコレクターだけでなく、新規のコレクターも気軽に収集をはじめられるよう配慮したかたちとなっており、新たなデザインマンホールのファンの拡大につながることが期待されている。

INFORMATION
『HANDSマンホールベース渋谷』
場所:ハンズ渋谷店 1Aフロア(常設)
住所:東京都渋谷区宇田川町12-18
営業時間 10時~21時(ハンズ渋谷店)
電話番号 03-5489-5111(ハンズ渋谷店)

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