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最終更新日:2024.07.26 公開日:2024.07.29

ホンダ、SUV型の新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」を発売! 日本メーカーでは初の外部充電可能なプラグイン機能を装備。

ホンダから新型燃料電池自動車「CR-V e:FCEV(シーアールブイ イーエフシーイーブイ)」が登場した。日本の自動車メーカーでは初となる、外部充電可能なプラグイン機能持つ燃料電池車として、注目度が高い一台だ。

文=原アキラ

画像=ホンダ

ホンダ CR-V e:FCEV

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国産メーカー初のプラグイン充電機能付きFCEV

ホンダは、新型燃料電池自動車の「CR-V e:FCEV」の販売を7月19日から開始すると発表した。販売は、自治体や企業、一般ユーザー向けにリース形式で行うという。

ホンダ「CR-V e:FCEV」は、外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池自動車。FCEVの航続距離の長さと水素充填時間の短さに、家庭や外出先で充電できるというプラグイン機能を加えた、日本の自動車メーカーとしては初めてとなる利便性の高いモデルとして開発された。水素・バッテリー満充電での一充填走行距離は約621kmで、一充電走行可能距離は約61kmを実現。ベースモデルは北米や中国などで販売している6代目CR-Vだ。

燃料電池(FC)システムは、ホンダと米ゼネラルモーターズ(GM)が共同開発し、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC(米国ミシガン州)が製造する。コアとなる燃料電池(FC)スタックの補機類の合理化や低消費電力化を徹底し、新構造のセルユニットの採用や生産性を向上させることで、「クラリティフューエルセル」が採用した従来システムに対しコストは3分の1に削減。また2倍の耐久性と大幅に向上した耐低温性を実現したという。

Honda CR-V e:FCEV

CR-V e:FCEVのフロントフェンダーに設置されたAC充給電コネクターには、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用

充給電機能も充実、使いやすさを追求した一台に

パッケージングは、FCスタックを核とするFCシステムと、モーターやギアボックス、PCU(パワーコントロールユニット)を一体化した駆動ユニットを組み合わせ、フロントフード下に集約することで居住スペースへの影響を最小限にとどめた。具体的には、荷室部分に設置された水素タンクを棚状の平らな面で覆い、この上面から荷室の後端まで収納スペースを広げることができるフレキシブルボードを設定。荷室を上下2段に分けて使用可能にするなど、乗員にとっての使い勝手のよさや安心感を実感できる工夫を施している。

ダイナミクス面では、モーター駆動によるFCEVならではのスムーズでトルクフルな走りを追求。重量物である水素タンク2本と大容量バッテリーを含むIPU(インテリジェントパワーユニット)を車両中心近くの低い位置に搭載するレイアウトにより、重厚で上質な乗り味とリニアなハンドリングを実現している。

またサスペンションには、入力に応じて減衰力が変化する振幅感応型ダンパーを採用し、操縦安定性と乗り心地を高次元で両立した。走行では水素による発電電力と、充電バッテリーからの電力を組み合わせて有効に活用するエネルギーマネジメントモードを装備しており、日常走行ではバッテリーに蓄えた電気のみでEV走行、休日のレジャーなどではFCが発電する電力も合わせて長距離ドライブ、といった移動の用途や運転状況に合わせてエネルギーの使い方が選択できる。エネルギーマネジメントモードは、センターコンソールに設置されたeボタンで「AUTO」「EV」「SAVE」「CHARGE」が選択可能となっている。

充給電機能についてフロントフェンダーに設置されたAC充給電コネクターは、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用している。普通充電は6.4kWに対応し、約2.5時間で満充電になる。またAC200V電源に加えAC100V電源での充電にも対応している。

ほかにも普通充電口に差し込んでAC100V電力を取り出し、1500Wまでの消費電力に対応するAC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を標準装備。レジャーや停電時の電源として活用できる。さらに、荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに「Power Exporter e:6000(パワーエクスポーターイー6000)」、「Power Exporter 9000(パワーエクスポーター9000)」などの可搬型外部給電機を接続することで、最大で一般家庭の約4日分の電力を供給することが可能。災害時の非常用電源として、自宅や避難所、小規模のオフィス・店舗などで活用できる。

FCEVならではの機能として、スマートフォン感覚でナビゲーションやオーディオなどの操作を快適に行える「Honda CONNECTディスプレー」を追加。水素ステーションの稼働状況がリアルタイムで分かる「水素ステーション検索機能」、充電に使用する電流量を調節することで、合計電力量を契約アンペア以下に抑制する「充電電流設定」、あらかじめ設定した水素残量になると自動で給電を停止し、車外給電などでの水素の使い過ぎを防ぐ「給電下限水素残量設定」など、充電/外部給電の使い勝手を最大限に引き出す機能を備えている。

ホンダ CR-V e:FCEV

FCEVで気になる衝突安全性能については、CR-Vの骨格をベースに、燃料電池システムや水素タンクなどの搭載構造を新開発し、車両重量の増加にも対応。優れた乗員保護性能に加え、水素や高圧電気に対する安全性も高い水準で確保している。さらに先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全タイプに標準装備するほか、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)には加減速や電動パワーステアリング設定など、FCEVの特性に合わせた制御の最適化がなされている。

ボディカラーはプラチナホワイト・パールとメテオロイドグレー・メタリックの2色。駆動方式はFFのみのワングレードで、税込み価格は809万4,900円となっている。

SPECIFICATIONS
ホンダ シーアールブイ イーエフシーイーブイ|Honda CR-V e:FCEV
ボディサイズ:全長4,805×全幅1,865×全高1,690mm
車両重量:2,010kg
駆動方式:FF
燃料電池スタック最高出力:125PS(92.2kW)
モーター最高出力:177PS(130kW)
モーター最大トルク:310Nm(31.6kgfm)
一充填走行距離:約621km
一充電填走行距離:約61km(WLTCモード)
燃料消費率:129km/kg
価格(税込み):809万4,900円

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