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最終更新日:2024.07.25 公開日:2024.07.25

スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」に試乗。日本の道路にベストマッチ&スポーティーな走りで大ヒットの予感!

インドで生産されているスズキの「フロンクス」が、日本でも販売される。伊豆で開催されたプロトタイプの試乗会で、いま注目の新型コンパクトSUVの出来栄えを確かめてみた!

文と写真=原アキラ

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

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新型フロンクスは日本にピッタリのサイズ!

インドで生産するホンダ「WR-V」は日本で発売されるやいなや人気沸騰中だが、インドといえばスズキ(現地ではマルチスズキ)のお膝元。そのインドで生産されている同じコンパクトSUVジャンルの新型モデル「フロンクス」が、日本でも輸入・販売されることになった。果たしてこのパターンは今後のブームになるのか。発売日を前に行われたプロトタイプの試乗会に参加して、その出来栄えを確かめてみた。

新型フロンクスはインドで生産され、同国をはじめ中南米や中近東、さらにアフリカでもすでに発売中の世界戦略車という立ち位置だ。試乗会が行われたのは、クローズドコースを持つ伊豆のサイクルスポーツセンター。駐車場にずらりと並んだフロンクスは、赤、オレンジ、ブラウン、シルバー、ホワイトの5色に加え、ブラックルーフの2トーン、ブルーとブラックがモノトーンという7色のラインアップ全てが取り揃えられていた。

公開された資料によると、フロンクスのボディサイズは全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mm、ホイールベースは2,520mmで、前出のWR-Vより一回りコンパクトなもの。2016年から20年まで同じ流れで日本でも販売されていた「バレーノ」と長さと幅がほぼ同じながら、全高だけが80mmアップしたボディサイズは日本の機械式駐車場にぴたりと入るもので、そこをしっかりと意識しているのは間違いない。また最小回転半径は4.8mを実現している。

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

エクステリアデザインはちょっと“濃いめ”。フロントはシャープな3連デイタイムライトの下側にふくよかな出っ張りを設け、その中に3個の楕円の灯火類を収めたもので、一目でフロンクスだとわかる個性的なもの。そこから続くサイドのデザインは、前後の樹脂製ホイールアーチの上段に2段のフェンダーが重なるような形状のボリューミーなもので、スズキでは「ダブルフェンダー」と呼んでいるそうだ。そしてルーフ後端はなだらかに下がるクーペSUVスタイルにまとめている。

デザインを担当した四輪デザイン部先行デザイン課の増田茜氏によると、「BセグメントのSUVライクなものはすでに市場にいろいろあって(WR-Vやヤリスクロス、ライズ/ロッキーなど)、フロンクスは後発なのでそこに埋没しないようしっかりと別の個性を出して、力強いけれども都会にも馴染むクーペスタイルにしてみました」とのことだ。

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

インテリアは、このクラスのクルマからは想像できないほどの力強さと上質感がある。シートはレザーとファブリックのコンビネーションとし、ショルダー部と膝回りをボルドーに、背面とお尻の部分をブラックにした2トーン仕様。アンコもたっぷり詰まっている。後席の頭上と足元は、身長170cmの筆者なら余裕の広さ。太いCピラー内に採光用の小窓があるのがいい。ドアの内ばりやダッシュボードも同じ2トーンで仕上げていて統一感があり、インパネのセンターにはゴツいシルバー塗装のフレームを取り付けてSUVらしい力強さを表現している。

ちょっとしたスポーツカーのような走りを体感!

パワートレーンは、最高出力74kw(101PS)/6,000rpm、最大トルク135Nm/4,400rpmを発生する排気量1.46Lの「K15C」型直4DOHC16バルブ自然吸気エンジンに、2.3kW(3.1PS)/60Nmを発生するモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。6ATを介して1,070kg(2WD)のボディを担うシステムで、4WDモデルも用意される。

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

まず2WDモデルで走り出してみると、1.5Lマイルドハイブリッドと、1トンをわずかに超える軽い車重の組み合わせによるスポーティーな走りがなかなかいい。ドライブモードをスポーツにいれ、ステアリングに備わる大きめで手のひらにフィットするパドルシフト(ちゃんとわかっている人が設計している形状だ)を駆使すると、よりスズキ車らしい(スイフトスポーツを彷彿させる)キビキビした反応になる。

またコーナー手前のシフトダウンとブレーキングでフロント荷重にしてやってステアリングを切ると、ちょっとしたスポーツカーのような動きを見せる。足回りは低速ではわずかにコツコツ感があるけれども、コース途中の橋の取り付け部にある段差など、凹凸部分をするりと駆け抜けていく前マクファーソンストラット式コイル、後トーションビーム式コイルのシンプルなサスのチューニング具合も上手い。開発担当者も、「ちょっとスポーツ度を増した設計にしています。わかっていただけて嬉しいです」とおっしゃっていた。チューニングはガチガチではないので、普通のファミリーが買い物やロングドライブで使用しても全く問題ない、という仕上がりだ。

スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX

もう1台の4WDモデルはさすがに挙動が落ち着いた感じだ。2WDモデルの車内が静かだっただけに、わずかにリアの駆動系からのノイズが増えるのは仕方ないが、ドライブモードには2WD同様の「スポーツ」だけでなく、下り坂で車速を保つ「ヒルディセンド」や荒地での「グリップコントロール」、雪道の「スノーモード」を備えていて、少しハードな環境で乗るための対応は万全だ。

あとは価格面だが、スズキのことだからそこはイイ線をついて来るはず。生産地も含めて、WR-Vの最大のライバル現る、という感じだろうか。

SPECIFICATIONS
スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX
※プロトタイプのため参考値として記載
ボディサイズ:全長3,995×全幅1,765×全高1,550mm
ホイールベース:2,520mm
車両重量:1,070kg
駆動方式:2WD
エンジン:直列4気筒
総排気量:1,460cc
エンジン最高出力:74kw(101PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク:135Nm/4,400rpm
モーター最高出力:2.3kW(3.1PS)/800~1,500rpm
モーター最大トルク:60Nm/100rpm
トランスミッション:6段AT
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
タイヤ:195/60R16 89H
最小回転半径:4.8m
乗車定員:5名

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