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最終更新日:2024.07.26 公開日:2024.07.12

憧れのキャンピングカー、まずはレンタルが正解? クルマと車中泊場所選びの極意とは。

アウトドア好きが憧れるキャンピングカーは、購入を考えると初心者にはハードルが高い。そこで今回、車中泊ライターharu.氏がキャンピングカーや車中泊場所の選定基準を若い夫婦にアドバイス。手軽に試せるレンタカーを体験してみた!

文=haru.

写真=KURU KURA編集部

今回借りたキャブコン。キャブコンとは運転席部(キャブ)を残し、後方部に居住スペース(シェル)を乗せたキャンピングカーのこと。

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憧れのキャンピングカー、レンタルから始めない?

アウトドア好きにとってキャンピングカーは憧れの乗り物だ。しかし、キャンピングカーは価格的に手を出しづらいことも事実。「購入価格分きちんと活用できるのか」を考えると、一度も試さずに購入するのはハードルが高いといえる。

そこで今回、キャンピングカーに興味津々な夫婦にキャブコンをレンタルしてもらい、RVパークで車中泊を体験してもらった。

こちらの夫婦は、普段からキャンプに行くことが大好き。マイカーにキャンプ道具を積んで、近所でよくテント泊を楽しむそうだ。しかし、時間がないときや天候が悪いとき、遠方にキャンプに行こうと考えたときなどに「キャンピングカーがあればなぁ」と思うことがよくあるという。

さらにキャンピングカーそのものが高価で、1台500万円からで1,000万円を超える車両も珍しくないことを考えると、購入することは現実的ではないそうだ。クルマの維持費等を考慮すると、経済的に2台持ちは厳しい人は多いかもしれない。そこで今回、ふたりにはキャンピングカーのレンタルを試してもらうことになった。

レンタルであれば使用したいときに借りるだけで済むので、購入費用や維持費などの心配がない。また、キャンピングカーのレンタルサービスを提供する企業もこの数年で増えているため、好みの車両を選ぶことが可能だ。

そこで筆者のこれまでの経験をもとに、キャンピングカーレンタル、RVパーク選びで注意すべき点を紹介していこう。

キャンピングカーレンタルにおける5つの心得

レンタル当日は、契約内容の確認、車両操作説明、車体の状態確認、そして書類へサインを行う。実際に走り始めるまで30分前後を想定しておくとよい。

キャンピングカーを借りる前に確認しておきたいことは、以下の5つ。

1.予算(車両レンタル費用×日数)
まず最初に、レンタル費用の予算を決めておきたい。1泊あたりの目安としては、軽キャンピングカーで8,000円〜1万円、バンコンやキャブコンは1万5,000円〜4万円程度。車両の装備や大きさによって価格に違いがあり、新しくて大きく、装備が充実している車両ほど高額になる。

2〜3泊でレンタルする場合、単純に1泊のレンタル料金×日数になる場合が多いが、連泊割引を行っているシーズンやサービスもあるためその点も確認しよう。

2.自動車保険の有無
大型キャンピングカーの運転に慣れてない方は特に、万一の場合に備えて自動車保険がある車両をレンタルするようにしたい。

3.車両サイズと乗車(就寝)定員
軽自動車ベースの軽キャン、ハイエースなどのバンやワンボックスベースのバンコン、トラックベースのキャブコン、バスがベースのバスコンなど、キャンピングカーの車両サイズと種類は多岐にわたる。運転のしやすさや行き先、用途に合わせて選びたい。

また、キャンピングカー登録された車両(8ナンバー車)は、「就寝定員は乗車定員の3分の1以上」という決まりがある。同行者が何人か、全員が寝る場所があるかを要確認。

4.内装と設備
キャンピングカーの内装や設備についてもチェックしておこう。優先してチェックしておきたいのがベッド部分。バンクベッドや常設ベッドの大きさやアクセスのしやすさ、シート展開タイプのベッドなら、シートからベッドへの展開が容易かどうか。布団や枕の有無なども予約時に確認しておこう。

その他にはキッチン設備(冷蔵庫、電子レンジ、流し等)、エアコン・トイレの有無などもチェックしておきたい。特に夏の車中泊では、エアコンと冷蔵庫は必須装備だ。

5.ETC車載器やカーナビの有無
土地勘のない場所へ出かける場合は、カーナビの設置を確認。高速道路を利用する予定がある方は、ETC車載器も必要だ。

上記5つのポイントを確認し、レンタル車両を決定。
車両レンタル時には注意事項と合わせて、チェックポイントに間違いがないか、車内設備の使用方法なども合わせて確認しよう。

設備の充実はもちろん、レイアウトや内装の仕上がりは気分を盛り上げてくれる要素なので、時間をかけて検討したいところ。

手続きを終えて、いざ出発! 愛車より大きなクルマの運転は非日常を感じさせてくれる。

RVパーク選びで大切なこと

キャンピングカーをレンタルした車中泊の際、初心者にオススメしたいのが「RVパーク」を利用することだ。RVパークとは、日本RV協会が公認した「快適に安心して車中泊ができる場所」。余裕のある駐車スペース、24時間利用可能なトイレ、100V電源設置、入浴施設が近隣にある(クルマで15分圏内)など、定められた条件を満たす場所のみが車中泊施設として登録されているため、初心者でも不便のない、快適な車中泊が可能だ。最近ではフリーWi-Fiを提供している施設も多く、場所によってはリモートワークもできる。

ここ数年でRVパークは全国的にさらに増え、昨年(2023年)時点で全国で400か所以上。今年(2024年)に入ってからも、続々と新しい施設が登録・オープンしている。

RVパークは大半がチェックイン・チェックアウトの時間を定めている。事前決済やフリーチェックイン&チェックアウトの施設も増えたが、窓口での当日決済が必要な施設も多い。チェックイン時の必要項目については利用施設のページを事前にチェックしておこう。

RVパークの検索に役立つサイト︎「くるま旅」
https://www.kurumatabi.com/

今回利用したRVパークでは、QRコードから手続きを行うフリーチェックイン式。ほんの数十秒でスムーズに登録できた。

RVパークは施設ごとに設備の充実度が異なるため、下記ポイントを事前にチェックしておきたい。

1.利用料金
1泊あたりの利用料金は2,000円〜5,000円程度が多め。新しい施設で設備が充実している場合はもう少し高額になる。電源使用やシャワー、温泉等の使用料金が別で設定されていることもあるので、すべて含めた総合計の金額で考えることがとても大切。たとえば電源は、別途1,000円〜2,000円で設定されている施設も多い。夏場はエアコン(クーラー)を使用するため、電源の使用は必須といえる。

2.トイレはキレイ?
特に屋外にトイレを設置している車中泊スポットは水場が傷みやすく、古い施設ではキレイに掃除されていても臭いや汚れ、痛みが目立つ場合がある。ホテル併設の施設でも、ホテル自体の老朽化により、臭いや痛みが気になることも多い。

女性や子どもはトイレの清潔さや臭いに敏感なため、事前にRVパークの口コミや施設写真などでチェックしておきたい。

3.お風呂やシャワーの利用料金
汗を大量にかく夏は、お風呂やシャワーが必須。RVパークは入浴施設が完備されているか、近隣にあることを登録条件としているためその点は安心だ。宿泊割引等が適用され安く利用できる施設もある。

温泉付きのホテル等、宿泊施設の駐車場をRVパークとして貸し出している場合は宿泊施設内の浴場を利用できることが多い。別料金になっていることが多く、温泉や入浴施設は1人800円〜1,500円、シャワーは10分300円あたりが目安。施設によっては入浴・シャワーが利用料金に含まれている場合もある。

4.口コミ評価が良いかどうか
利用したいRVパークを1〜2つほど選んだら、最後に実際の利用者の声をチェックをしておきたい。RVパークのサイトやGoogle、X(旧Twitter)検索などで施設を調べると、施設の写真や口コミ評価を確認できる。良い口コミはもちろんだが、厳しい意見も当然書かれているため、特に施設の充実度を求める方は細かく確認しよう。

口コミ評価では「施設までの経路(道路の広さなど)」や、「キャンピングカーの駐車のしやすさ」「トイレや水場、手洗い場など設備の充実度・清潔感」あたりを確認しておこう。

チェックイン後はまっ先にキャンピングカーの外部電源へ電源を接続しよう。エアコンや冷蔵庫、電子レンジがしっかり稼働するか確認しておかないと、のちに苦労するかもしれない……。

今回はウッドデッキや共有スペース付きのRVパークを選択。テーブル、チェアを置いてタープを張れば、くつろぎ空間が完成!

施設ごとにサービスが異なるのもRVパークの魅力。今回宿泊したRVパークにはヤギ牧場があり、動物とふれあうことで癒しになった。

最高の思い出にするために、必要なモノってなに?

キャンプ道具を一式持っていれば、より楽しいキャンプを満喫できる。レンタル費用も浮くので、チェアやテーブル以外にも、調理器具やランタンといったキャンプで使えそうな道具は持参した方が吉。

普段のキャンプではテントに泊まるふたり。空調付きの広々とした空間で就寝できる環境は、やはり贅沢。慣れ親しんだ寝具を持ち込めば、より快適な夜を過ごせるだろう。

キャンピングカーをレンタルすれば、手ぶらでも構わないのだろうか? もちろん、それは不可能ではなく、大きな不自由を感じることなく寝泊まりすることはできるだろう。チェアやテーブル・調理器具や寝具などのキャンプ道具は、レンタカーショップやRVパークでレンタル可能な場合もあるため、事前にレンタル会社やRVパークで確認しておきたい。

また、電源は車内で取れることが多いが、スマートフォン充電用のケーブルは借りられない場合もある。普段使用している充電用ケーブルを持参するのがおすすめだ。

車中泊に慣れるまでは、失敗もつきもの。自宅やホテルとは違い、暑さ・寒さへの対処も必須となるため、ハードルの高さを感じることも多いだろう。筆者もこれまで、暑さに負けて急遽ホテル泊に変更したり、施設のトイレの臭いや汚れが気になり、深夜に近隣の道の駅へ移動したこともあった。

しかしそういった失敗を経験し解決方法を模索することで、現在では快適な車中泊が実現している。車中泊での失敗を避けるためにも、広くて快適&装備が充実しているレンタルキャンピングカーの利用はかなりおすすめだ。

車中泊は行き先や時間の使い方など自由度が高く、ポイントを押さえることで不便や不快感を避けることができる。どうか失敗を恐れず、旅の選択肢のひとつとして、車中泊にチャレンジしてみて欲しい。

今回レンタルしたキャブコン(マクレントカー)は、6人乗りで最大就寝6名まで、ボディサイズは全長4.99×車幅1.9×車高2.71mというもの。

一泊の車中泊にかかった費用
今回、神奈川県平塚市にあるキャンピングカーショップ「ミスティックプランニング湘南展示場」でレンタルしたキャブコンは、タウンエーストラックをベース車両とした「コンフォートス・スタンダード CFS-02/マクレントライト」。24時間のレンタル代は平日は2万3,000円で、休日は2万7,000円。

RVパークは神奈川県の葉山町にある「スターフォレストキャンプ葉山」の、ウッドデッキ付きRV site【A】を利用し、この日は1泊5,500円だった(時期で価格変動あり)。

合計費用はこれに車両返却時のガソリン代や、食費などを加算するといいだろう。

マクレント平塚 ステーション(ミスティックプランニング湘南展示場)。今回のキャンプ旅のスタート地点だ。

INFORMATION 1
マクレント平塚 ステーション(ミスティックプランニング湘南展示場)
住所:神奈川県平塚市大神5-2-14
営業時間:9時~18時(レンタルは10時~17時まで対応)
定休日:月・火曜日
公式サイト:https://tabirabo.com/mcrent-hiratsuka/

スターフォレストキャンプ葉山の管理棟。

INFORMATION 2
RVパークライト スターフォレストキャンプ葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町上山口1431-1
チェックイン・アウト:平日11時~翌11時/土日祝14時~翌11時
公式サイト:https://www.hayama-rvsite.info/

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