「ながらスマホ」による死亡・重傷事故件数が過去最多を更新! 罰則強化で“一発免停”もナゼ事故は減らない?
交通事故の調査で、2023年に過去最多の死亡・重傷事故件数を更新した「ながらスマホ」の運転。罰則が強化されたことにより、一発免停もありうる重大な交通違反となった。この記事では、「スマホ運転」の疑問について簡単に解説していく。
記事提供元/JAF交通安全トレーニング
運転中のスマートフォン操作・注視は重大な違反行為に!
運転に集中しなければならない状況でも、電話対応、ナビアプリ操作、メールやチャット確認、音楽アプリの曲送りなど、スマホ操作をしたく瞬間がある。しかし誘惑に駆られスマホを注視してしまえば、安全確認が疎かとなり、重大な交通事故を引き起こす可能性が高まる。
スマホ運転に起因する重大な交通事故が相次いで発生したことを機に、警視庁は2019年12月1日より道路交通法を改正。スマホ運転への罰則を強化した。
道路交通法改正の前後における、携帯電話等使用による交通事故発生状況を見てみよう。
2024年に発表されたデータによれば、ながらスマホなどを起因とした年間122件もの死亡・重傷事故が起きている。この数字は、第1当事者、つまり事故過失が大きい方が自動車だった場合の統計データとなっており、車のドライバーの責任は重い。
道路交通法が改正された2019年の翌年は半数近くまで減少したものの、以降は上昇の一途にあり、直近年のデータでは改正前の最高値を上回る数字となってしまっている。
もし捕まったら? 罰則・罰金・違反点数について
それでは、スマホ運転で捕まった場合、ドライバーや運転免許はどうなるか。携帯電話使用違反には2種類あり、「交通の危険」と「保持」に分けられている。運転中にスマホなどを使用して通話、画像注視するところまでは一緒だ。
その後、交通事故等を起こして交通の危険を生じさせた場合は、「携帯電話使用等(交通の危険)違反」。危険が発生しなかった場合でも、運転中にスマホ等を使用して画像注視する行為は「携帯電話使用等(保持)違反」となり、それぞれ処分内容が大きく異なってくる。
そもそもなぜスマホを利用してはいけない?
そもそもなぜ運転中にスマホを利用してはいけないのだろうか。2023年のデータをもとに、その理由を解説してみよう。
端的にいえば、「注意力の欠如」につながることが理由だ。2023年(令和5年)の交通事故統計によると、携帯電話等を使用した場合は、使用していない時と比べて、約3.8倍も死亡事故率が高くなっている。その因果関係は明らかである。
現代において、多くの人はスマホ操作に慣れているが、人間の注意力には限界がある。ましてや、運転に慣れている人であっても、同時にスマホ操作を行うことは決して容易ではないことを意識してもらいたい。
これを読んでいるあなた自身も決して例外ではない。運転をする時はスマホを絶対にいじらない。操作は安全な場所に停車してから行うことが大切だ。リスクをしっかりと頭に入れ、日々の交通安全に活かしてみることを勧めたい。
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