首都圏でクルマは必要ある? 若者男女4人のカーライフと恋愛事情【座談会】<前編>
都会に住む20代の若者はクルマや恋愛についてどのように考えているのか。そんなテーマを率直に語る今回の座談会。前編では、男女4人にどのようなスタンスでクルマに接しているのかを話してもらった。
初対面の男女4人、まずは自己紹介から
──20代のみなさんにお集まりいただき、クルマとの付き合い方や、クルマと恋愛の関係について語っていただくという企画です。まずは自己紹介からお願いします。
ユカワ ユカワシュウと申します。29歳です。出版社で生産管理をしています。趣味は去年から始めた総合格闘技で、以前からギターで音楽を作ったり歌ったりもしています。
鷹埜 鷹埜可奈と申します。ユカワさんと同じく29歳で、出版社の業務部に所属しています。アウトドアが好きでよくキャンプに出かけています。あとはサウナも好きで、まず近場から攻めていますが、いずれは全国のサウナを巡りたいと思っています。
中川 中川拓海と申します。26歳です。今はフリーランスでデザインやイラストの仕事をしたり、『CAR CITY GUIDE』というクルマのWEBメディアを運営したりしています。それと、1カ月ほど前に、『HIKI』というセレクトショップとリサイクルショップを合わせたようなお店を開きました。
村松 村松芽育と申します。27歳です。総合印刷会社の営業部で働いています。鷹埜さんと似ているのですが、キャンプとサウナが好きです。お酒を飲むのも好きで、会社帰りに居酒屋さんに行くこともあります。
車中泊がしたいキャンプ女子
──みなさんは、日常的にクルマにお乗りですか?
村松 私は、地元が30分に1本しか電車の来ないような地域なので、大学に入って1年目に運転免許を取りました。交通手段としてクルマが必要でしたが、ゆくゆくはキャンプに使えるようなクルマがいいなと思って……。お手頃だけど荷物が積めるスズキのワゴンRに乗っています。
──ワゴンRでキャンプ、楽しそうです。
村松 キャンプ場では車中泊をしています。料理をして食事をした後は、ワゴンRの車内をフルフラットにして寝床を用意します。ぐっすり眠れるような良いマットを奮発したので、それを広げて寝ています。
中川 僕は村松さんとは逆に、クルマがいらない場所でクルマを持っています。買い物は自転車とか徒歩です。しかも目的のないドライブをするようなタイプでもないので、いつ乗るんだろうという感じですが、休みの日に友だちと出かけたりしています。
──クルマはもともとお好きだったわけですか。
中川 はい、母によると物心がつく前からクルマ遊びが好きだったみたいで、免許も高校3年生の冬に取りました。地元が名古屋なのですが、東京の大学に入った時にクルマがないのも寂しいなと思って。それで、ヤフーオークションで見つけた1960年代のフォルクスワーゲン・ビートルを勢いで買いました。東京といっても田舎のほうにある大学だったので、家賃は2万5000円で駐車場も安く、バイトをすればぎりぎりクルマを維持できる感じでした。
ちょっと古い日本車は味があって愛せる
鷹埜 私は大学生の時に免許を取って以来、ずっとペーパードライバーだったのですが、結婚をきっかけに、キャンプなどで遠出が増えたことや、いつか子供の送り迎えなどでも運転が必要と考えて、頑張って運転の練習を始めました。クルマは中古で買ったトヨタのエスティマですが、後部座席を倒せばすごく荷物が積めるので重宝しています。車中泊にはもってこいのクルマです。自給自足でキャンプをするのがすごく好きなので、テントや寝袋、薪など、ありとあらゆるキャンプグッズを積んで出かけています。
──運転はご主人と交代で?
鷹埜 はい。主人が200km運転したら私が50kmとか。50kmでもすごく助かると言ってもらっています。ただ、バックや駐車が苦手で、いまだに運転に対する恐怖心があります(笑)。
ユカワ 実は……この中では僕だけクルマを持ってなくて。住んでいるマンションの真ん前にカーシェアがあるのでたまに利用しています。徒歩25秒ぐらいです。ただ、趣味がインドアでジムも近いので、クルマがないと困るということはないですね。
──どんな時にカーシェアを利用しますか?
ユカワ ショッピングモールが好きなので、埼玉のモールに行く時とかに利用しています。
──60年代のビートルでカーライフをスタートした中川さんの現在の愛車は何でしょう?
中川 今は1987年型のホンダ・シティに乗っています。今の軽自動車より小さいくらいのコンパクトカーです。ひねくれたところがあって、不人気なクルマというか、中古車市場でも価値が地に落ちているようなクルマが好きです(笑)。ただ、色々なことを始めたタイミングということもあって、現在は売りに出しています。
夢のクルマはちょっと古いキャンピングカー
──次のクルマ選びが難しいと思いますが、中川さんにとって夢のクルマは何ですか。
中川 シティに乗って日本車がすごく好きになりました。バブルに沸いていた頃に設計されたクルマはどれも特徴があって愛せるなと。だから次も80年代とか90年代の日本車がいいと思っています。夢ということだと、長野とかの古民家を別宅にして、余裕を持って往復できるようなクルマと、都内をスイスイ走るクルマの2台を持ちたいです。
──エスティマにお乗りの鷹埜さんには夢のクルマ、憧れのクルマはありますか?
鷹埜 性能とかはよくわかりませんが、ジープ(・ラングラー)がほしいです。実はそんなに荷物は積めないと教えてもらったことがあるのでキャンプに向くかはわかりませんが……。でも、見た目はかっこいいなと思っています。ただ、エスティマは車内が広くて荷物がたくさん積めるし、10万kmを超えても全然故障がないので、このまま乗り続けたいです。もし家族が増えたときには、ジムニーのような今より小振りな車を増車して、街乗り用として走るのもいいかなと思っています。。
──同じくキャンプ愛好家の村松さんには、憧れのクルマはありますか?
村松 もともとそんなにクルマに興味があったわけではなかったのですが、キャンプ仲間がすごく古いフォルクスワーゲンのキャンピングカーに乗っていて。後ろにソファやカーテンがあって、かっこいいなと思いました。エンジンの音も全然静かではないんですが、それも含めてカントリーな雰囲気でかわいいと思いました。
自動車を持つイメージは湧かないという若者も
──若い世代がちょっと古いクルマに興味を持っているのがおもしろいですね。
中川 古いものだけが好きというわけではないんですが、関心はあります。自分のお店をやりたいと思ったのもリサイクルショップが好きだったからだし、洋服も古着を選ぶことが多いです。
──同世代の皆さんのお話を聞いて、ユカワさんはどうお感じになりますか。
ユカワ ジープみたいに四駆で背の高いクルマは格好いいなぁ……と漠然とした憧れはあります。でも、あまり外に出ないから買っても乗らないよな、とも思ってしまいます。ライフステージが変わるとき、それこそ趣味でキャンプをやるようになったらほしくなるかもしれませんが。すみません、僕だけノリが悪い感じで(苦笑)。
──いえいえ、リアルな声でよいかと。ピカピカの高価な新車だけに価値を見出すのではなく、キャンプに行けるクルマや味わいのある旧車をお選びになるあたりに、いまの20歳代の価値観が表れていると思いました。それではいよいよ、本題のクルマと恋愛について本音を語っていただきましょう。
(後編に続く)
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