最近、高速料金所に現れた「ETCサポート」って何だ? 知らないと困る「サポートレーン」の用途とは。
NEXCO中日本・西日本では、2024年春から「ETC専用料金所」の導入を拡大する。これに伴い、料金所には「サポートレーン」が設置されることになるが、このレーンはどのような役割があるのか、いざという時のために確認しておこう。
ETC専用料金所が新設される背景とは?
2022年から高速道路のICや出入口でETC専用料金所の導入が進んでいる。2024年2月時点では、NEXCO東日本管轄は2か所、NEXCO中日本管轄は12か所、NEXCO西日本管轄は11か所、そして首都高は35か所で導入されている。
そして新たにNEXCO中日本では、2024年3月13日から4月11日にかけて計23か所が、NEXCO西日本では3月18日から同時に17か所でETC専用料金所が導入される予定だ。※運用開始箇所の詳細はギャラリーページに掲載
■ETC専用料金所導入の背景
ETC専用料金所の導入は、国土交通省の「社会資本整備審議会」が2020年9月に発表した「持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取組」の一環で、料金支払いのキャッシュレス化・タッチレス化の早期実現を目指したものだ。ETC専用料金所を導入することで、係員が不在でも機能を維持できること(管理コスト削減)、有事の際に料金や割引を柔軟に設定できること(生産性の向上)や、対面での感染のリスクを軽減できることがメリットとして挙げられる。
サポートレーンの役割と注意点とは?
料金所がETC専用料金所に生まれ変わることで、覚えておきたいルールがある。それが、ETC専用料金所に必ず設置される「サポートレーン」についてだ。
「ETC/サポート」または「サポート」レーンは、基本的にはETC非搭載かETCカード未挿入などで誤進入してしまった場合等に、インターホン越しに係員から指示を受けるためのレーンとなる。※仮ナンバーや特殊車両もサポートレーンで係員の指示に従う必要あり
サポートレーンは現金での支払いが可能な「一般レーン」とは機能が異なるため注意が必要だ。例えば、係員と相談して後日払いを確約し、支払いに必要な情報を共有し合ったり、「後日支払いチラシ」を受け取って案内に従うなど、高速道路会社によってパターンが異なる可能性があるため、支払い方法についてはスピーカーを通して係員の指示に従おう。また、誤進入の際には間違っても逆走や後進は行わないよう注意したい。
ETC専用料金所は今後、さらに増える?
国土交通省と高速道路会社6社が2020年に発表したロードマップを見てみると、2025年度中に首都高では現在の35か所から160か所程度(全体の9割)まで順次拡大、NEXCO東日本では首都圏(圏央道とその内側)で90か所程度(同7~8割)まで拡大、NEXCO中日本では首都圏で20か所、中京圏で60か所(ともに同8割)まで拡大、阪神高速では5か所から一気に110か所(同8割)を、NEXCO西日本では70か所(同7~8割)までの拡大を予定している。つまり、ここから一気にETC専用料金所の導入が加速されるということになる。さらに2026~2030年にかけては、国内の高速道路全線でETC専用料金所を拡大する予定だという。
国土交通省の統計によると、2023年11月の時点でETC利用率は94.6%に達している。利用率が低い車両区分は「軽自動車」が85.9%なので、おそらくこれはバイク利用者のETC非搭載車が一定数いるためと思われる。しかし他の車両区分で現金を支払っているという人たちも、ETC専用料金所の導入に伴い、現金支払いとETCではさらに料金設定に差が開くことが予想されるため、この流れには素直に従った方が賢明と言えそうだ。
記事の画像ギャラリーを見る