日産キャラバンが「災害支援車」に変形! 走る役場として指令室、医務室などをこの一台で展開するぞ。【東京オートサロン2024】
2024年1月12~14日まで幕張メッセで開催された「東京オートサロン2024」で、日産は「キャラバン」をベースに、災害支援車仕様にカスタムしたコンセプトモデルを出展した。斬新な変形機構を備え、災害時に役立つ様々な機能を格納した“走る拠点”を紹介する。
災害対策設備がぎっしり詰まった一台!
東京オートサロン2024では、日産キャラバンをベースに“緊急・災害時に防災拠点にもなる支援車両”をテーマとしてカスタムした車両「Disaster Support Mobile-Hub(ディザスター・サポート・モバイルハブ)」が、日産ブースで展示された。この車両は、災害で役所などが機能しなくなった際に、その施設の代わりを務めることを目的としており、大口の充電設備、医務室、指令室、防音室、簡易水道など、一台のバンに信じ難いほど充実した設備が詰め込まれている。
■スマホ充電設備
車両を正面から反時計まわりに見ていくと、まず車体左側のラダー(梯子)が付いたスライドドア部が引き出されている。ここでは施錠ができるスマホ充電ボックスが30箱用意されており、被災時の情報収集や発信に、暗所での発光などでバッテリーが消耗したスマホを、30台も同時に充電することが可能だ。
■車両後方の医務室
次に、スマホ充電設備のすぐ横にある後部の窓ガラスには、液晶パネルが設置されており、電子掲示板の役割を持たせている。そこからリアドア開閉部にまわると、ラゲッジスペースには緊急用の医務室が備えられており、ここではAEDを使った簡易的な救護や、プライバシーを確保できる空間として、授乳などの多目的な用途で使用することを想定。また、このリアドアを展開したスペース付近には移動式のキッチンコンロや簡易水道が配置されていた。
■折りたたみ式の防音室
ルーフの上に載せた架台(かだい)は伸縮式で、これを伸ばすことでリアドアが車体から分離し、拠点がさらに拡張する。今回の展示ではこのスペースに折りたたみ式の防音室が設置されている。この空間では音を遮断できるので、重要な連絡や簡易トイレの設置といった用途が想定されている。
■情報管理の要となる指令室
最後に、運転席の後部にある右スライドドアを開けたスペースが指令室となっており、ここではPCやホワイトボードにプリンターを使い、情報の収集・整理・発信などを行う。電波が届かない環境でもネット回線に接続可能な衛星通信システム「Starlink(スターリンク)」も車両に搭載され、車外の電光掲示板などを活用しながら、最新の情報を発信することが可能だ。
大量の電力を賄うポータブルバッテリー
これらがこのコンセプトモデルに詰め込まれた装備となるが、これだけの設備の電力を支えているのが、写真でも随所に確認できる、幅370×高さ205×奥行き282mmサイズの黒い箱の存在だ。この黒い箱の正体は日産が2023年9月に発売したばかりの「ポータブルバッテリー from LEAF」で、このリチウムイオン電池は、-20℃~60℃の環境下でも使用可能で、1台あたりの容量が633Wh(16万8800mAh)もある。この日産リーフから生まれたリサイクルバッテリーが17台も搭載されているため、100名以下の自治体でも、この車両一台でスマホ充電やPCを使用しながらでも2~3日は耐えられるそうだ。
被災後に電波が通じず、最新情報を受け取れない状態や、携帯電話のバッテリーがいつ切れるかわからない状態は、被災者にとって大きなストレスになる。ディザスター・サポート・モバイルハブのような“走る拠点”の開発は、この国ではさらに注力すべきなのではないだろうか。
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