乗りもの酔いにはミントガムが効くって本当!? ロッテの研究で酔いの軽減が明らかに!
ロッテは、2023年11月16日、「ミントガムを噛むと、乗りもの酔い(気持ち悪さ)が軽減する」という研究成果を発表した。ミントガムひとつで乗りもの酔いが楽になる?
ミントガムを噛むだけで乗りもの酔いを軽減!?
菓子メーカーのロッテがユニークな研究結果を発表した。ミントガムを噛むことで、乗りもの酔い(気持ち悪さ)が軽減するのだという。この研究は三重大学工学研究科の小川将樹助教授と共同して行ったもので、研究成果をまとめた論文は、日本人間工学会の学会誌『人間工学』に掲載されている。
今回の研究は「VR映像の鑑賞中にペパーミント香料を含む菓子を食べることで、映像酔いによるふらつき感を軽減する」ことを検証していたロッテが、同様に乗りもの酔いも軽減できないかと考えたことに始まったものだ。
その背景には、乗りものは便利な交通手段である一方、乗りもの酔いに悩まされる人が多いこと、加えて、将来的に自動運転技術が実用化されれば、乗りもの酔いが増えると試算されていることもあげられる。
乗りもの酔いになると、頭痛(頭が重く感じる)にはじまり、あくびの頻発と脱力感を伴い、続いて吐き気を引き起こし、ひどいと嘔吐することもある。ミントガムを噛むことで、このような乗りもの酔いの気持ち悪さを軽減できるのか、ロッテの行った研究方法と結果をみてみよう。
マイクロバスに乗って気持ち悪さを10段階で評価
健康な20~25歳の成人の男女47名に、20分間、マイクロバスに乗車したうえ、①何も食べないまま、②ミントガムを咀嚼しながら、配布した携帯電話で「気持ち悪さを10段階で答える」課題を実施した。
ミントガムを噛んでいると気持ち悪さは軽減
課題の回答から①「何も食べない」と②「ミントガムを咀嚼」の主観的な気持ち悪さを比較すると、経過時間に対して①「何も食べない」よりも②「ミントガムを咀嚼」している方が、気持ち悪さは軽減されていることを確認できたという。
また、乗車前後を比較してみると、①「何も食べない」よりも②「ミントガムを咀嚼」している方が、酔いによる目の疲れやふらつきといった症状を軽減されていることもわかったとのことだ。
どこでも買えてどこでも食べられるミントガム。乗りものに酔いやすい人は、一度、試してみてはどうだろうか。
【論文掲載】
人間工学(2023年59巻5号)
ミントガムによる乗り物酔い軽減効果
著者:稲葉翔吾,川村淳,奥山知子,小川将樹