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最終更新日:2023.12.07 公開日:2023.11.08

スズキが大変身! シニアカーがオシャレになって若者のハートを鷲づかみ。スズライドとスズカーゴが欲しい【ジャパンモビリティショー2023】

スズキは、ジャパンモビリティショー2023で特定小型原付の四輪モデル「SUZU-RIDE」と「SUZU-CARGO」を出展。このまま市販してもすぐに売れそうな2つのモデルを紹介する。

文=岩井リョースケ(KURU KURA)

写真左から、スズライドとスズカーゴ

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スズライドとスズカーゴ、両モデルの違いは何?

特定小型原動機付自転車(特定小型原付)は、2023年7月1日から改正道路交通法が施行されたばかりの、車両の新区分だ。16歳以上であれば免許不要で時速20kmでの公道走行が可能なことから、新しい移動手段としても期待されている。

特定小型原付と聞くと、電動キックボードのような二輪モデルをイメージする人も多いかもしれないが、スズキがジャパンモビリティショー2023に出展した四輪モデルは、若者から高齢者まで虜にしてしまいそうな要素がいくつも盛り込まれている。

特定小型原付の定格は、出力0.6kW以下で、サイズは全長1900mm、全幅600mm以下、最高速度が時速20km以下であれば、ホイールの数は問われない。スズキはそこに目を付け、ギリギリ定格内に収めた四輪モデルが「SUZU-RIDE(スズライド)」と「SUZU-CARGO(スズカーゴ)」になる。

若者から高齢者まで、特定小型原付の四輪モデルはさまざまなシーンで活躍しそう。画像=スズキ

筆者が以前、電動キックボードに乗ってみて個人的に感じたことは、ボディとタイヤが小さいことで、フラつきや、ちょっとした段差や窪みでの衝撃、収納力の低さ、そして、小型ゆえに周辺の道路利用者に気付かれにくそうな怖さだった。しかし、四輪モデルのスズライドとスズカーゴは、転倒しづらく、積載能力も高く、コンパクトながら車両としての存在感もあり、全体的に安心感がある。

ちなみにこの両モデルの違いは、カウルの有無と、収納スペースの解釈だけで、タイヤやフレーム、システムまわりは同じものとなる。スズライドは全長が抑えられている分、取り回しが楽なので、通勤・通学やスーパーへの買い出しなどに便利で、スズカーゴはよりアクティブに、たくさん荷物を運ぶような用途に適している。

SUZU-RIDE(スズライド)

アクセルは右ハンドルのレバーを回すと加速。車道モード(最大時速20km)がウサギのマーク、歩道モード(最大時速6km)が亀のマークとなっている。

電源ボタンはやや低めに配置。スズライドにはカウルがあり、裏側には500mlペットボトルを2本入れても余裕がある収納ポケットがある。

背後から見ると、シート部分が完全に収納ボックスの形状であることがわかる。

展示品はシートボックスの開閉ができず、開閉イメージはこのようになる。画像=スズキ

■SUZU-RIDE 諸元(参考値)
サイズ:全長1300×全幅600×全高1000mm(ミラー含めず)
荷台ボックス:幅565×奥行き450×高さ300mm
荷台容量:約110L
タイヤ外径:280mm

スズライドの外観で目を惹くのはシートと一体化した収納ボックスだ。こちらは約110Lという大容量サイズで、この中にはスーパーなどのバスケットがそのまま入るくらい大きい。

SUZU-CARGO(スズカーゴ)

荷台は175Lと大容量。これなら日常品の買い物以外にも、キャンプ道具や収穫した農作物などでも入れられそうだ。

サイドパネルは取り外しが可能で、横向きに設置すれば、簡易テーブルとしても使える。

■SUZU-CARGO 諸元(参考値)
サイズ:全長1900×全幅600×全高1000mm(ミラー含めず)
荷台ボックス:幅565×奥行き1050×高さ300mm
荷台容量:約175L
タイヤ外径:280mm

スズカーゴは、特定小型原付のサイズ規定(全長1900×全幅600mm)をよりギリギリまで求めたモデル。カウルがなくなり、フレーム剥き出しの外観は、アクティブでアウトドア好きに刺さりそうな印象だ。積載能力が高く、キャンプや釣りに、収穫した農作物の運搬にも便利そうだ。

市販の可能性は大いにあり! その理由は?

スズライドとスズカーゴは、現時点ではコンセプトモデルだが、このさき市販化される可能性は充分に考えられる。

その理由として、この2モデルに採用されている四輪ベースが、高齢者向けのハンドル形電動車いす「セニアカー」や、無人の配送ロボによる実証実験機にすでに採用されているものだからだ。

この四輪ベースには、フロント二輪に高機能なサスペンションが設けられ、後輪は2モーターでそれぞれ独立してタイヤが回転。タイヤの外径は280mmあり、歩道のちょっとした段差は全く問題がなく、毎日数十kmの走行も可能な耐久力がある。これだけ実用的な四輪ベースならば、もっとたくさんの市販モデルが開発されていても不思議ではない。

これからますます高齢化が進む日本では、運転免許返納者が増加し、公共交通機関の縮小が進む。そうなると、郊外や地方に住む、免許を持たない若者や高齢者にとって、特定小型原付は非常に実用的な移動手段となる。

安定感があり、積載能力にも優れたスズライドとスズカーゴは、免許の有無を問わず、若者でも高齢者でも乗れる、これからの時代に必要とされるモビリティなのだ。

こちらが量産化されている、ハンドル形電動車いす「セニアカー ET4D」。高齢者向けに各部の機能は調整されているが、たしかに“いかにもシニアカー”という雰囲気もある。このセニアカーの見た目、速度、積載能力の3つの要素を改善すべく開発されたのが、スズライドとスズカーゴだ。

LOMBY株式会社とスズキは共同開発を行い、無人の自動配送ロボットによる宅配サービスの実証実験を2023年2月から開始。この配送ロボ「LM-A」に使われているのが、スズライド・スズカーゴや電動車いすにも使われている四輪ベースだ。

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