中京・北陸・首都圏をつなげ! 中部縦貫道 大野油坂道路で10月28日、新たに9.5kmが開通
10月28日に、国道158号 中部縦貫道の大野油坂道路において、勝原IC~九頭竜IC間の延長9.5kmが開通する。大野油坂(おおのあぶらざか)道路の全通が近付いてきたが、全通によりどのような効果が期待できるのか、工事予定と合わせて解説する。
大野油坂道路はいま、どんな状況?
大野油坂道路(勝山IC~白鳥西IC)は、長野県の松本市を起点に飛騨・奥越地方を通過し、福井県を結ぶ「中部縦貫道(約160km)」内に位置する延長35.0kmの自動車専用道路だ。
すでに2017年7月には、同じく中部縦貫道の一部である永平寺大野道路(福井北JCT・IC~大野IC)が開通し、2023年3月19日には大野油坂道路の大野IC~勝原(かどはら)ICまでの10.0kmが開通していたが、今回新たに勝原IC~九頭竜ICまでの9.5kmが10月28日に開通する。
これで、大野油坂道路の全通まで、残すは九頭竜IC~油坂出入口(仮称)までの15.5kmとなった。
中部縦貫道の整備効果は大きい!
長野・福井県を繋ぐ中部縦貫道が整備されれば、高速道路同士のネットワーク形成や観光周遊機能の向上、高度医療機関へのアクセス向上などの効果も期待されている。また、首都・中京圏へアクセス時に、大きな事故や災害などでルートが遮断された場合、互いに代替ルートとして機能するため、交通や物流を支える重要なインフラでもある。
今回開通した勝原IC~九頭竜ICは、カーブや急勾配が多い区間なうえ、2013~2022年で10回も雪崩などの雪害に見舞われていたが、これを解消してくれる「荒島第2トンネル」も貫通している。大野油坂道路でも最長のトンネルとなる荒島第2トンネルは延長が4988mもあり、幅員は12.0mを確保。これで荒島岳の勾配やカーブに苦しめられた人たちも、気持ちよく運転できるようになるだろう。
残りの区間は2026年春に開通予定!
大野油坂道路の全通まで残すは九頭竜IC~油坂出入口までの15.5kmとなるが、ここから先もまた難所が続く。九頭竜川と九頭竜湖のすぐ近くを通るこの区間は、雪害に加えて大雨による冠水にも苦しめられてきた。2013~2022年までの記録では、大雨で21回もの通行止めが発生し、今回開通した区間とともに、規定の雨量を超えた瞬間に通行止めが実施される「異常気象時事前通行規制区間」に指定されているほどだ。
雨季や冬季の工事が難しい地形なだけに、もう少し時間はかかりそうだが、全通を望む声は多そうだ。開通予定となっている2026年の春を楽しみに待ちたい。
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