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最終更新日:2024.09.13 公開日:2023.10.18

アンダー100万円中古車で沼にハマってみる──クルマが欲しい! Z世代「初めてのマイカー」選び Vol.02

前回は総額50万円以下で狙える「ちょっといい感じの中古車」を紹介したれけど、今回の予算は倍の100万円! 中古車選びの目利きのプロは一体何を選ぶ?

文=伊達軍曹

総額100万円以下でイケる「ちょっといい感じの車」

予算はアンダー100万円でも、今ならこんなイカしたオープンカーが選べちゃう!?

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世間ではZ世代(Generation Z)と呼ばれているらしい若衆世代に向けての「初めてのマイカー選びガイダンス」である。

過日はZ世代(今現在22歳から27歳ぐらい)のみなさんに向けて「総額50万円以下で買える“ちょっといい感じ”な中古車」をご紹介した。

そこにて取り上げた先代のホンダ N-ONEや1.5世代前のマツダ デミオなどが「ちょっといい感じ」であることは、おおむね間違いないと確信している。とはいえ、それらが「ちょっとショボく見えてしまう車である」ということも否定はできない。どうせならもう少し立派に見える車に乗りたい──という思いは、多くの人が心に秘めているはずだ。

しかしご予算50万円ではどうしたって限界もあるわけだが、これが「ご予算100万円」になると、話は変わってくる。

まぁその予算でも「かなり立派に見える車」は買えないのだが(それを買うには500万円以上、あるいは1000万円以上の予算が必要になるだろう)、まあまあぐらいには立派に見えて、なおかつ「いろいろといい感じ」な部分が多々ある車であれば、楽勝で選べてしまうのが総額100万円という予算なのだ。

具体的にはどんな選択肢があるのか? 以下、個別に見ていこう。

その1|ホンダ N-BOXスラッシュ

ホンダ N-BOXスラッシュ

N-BOXというのは今、日本で一番売れている軽スーパーハイトワゴンだが、そこにスラッシュというサブネームを付けた「ホンダ N-BOXスラッシュ」は、先代N-BOXのルーフをチョップして(叩き切って)全高を下げ、ちょいとアメリカンなカスタム車のイメージにした軽乗用車。

ショルダーラインから上の高さを10cm切り詰めるとともに、リアに向かって緩やかに下降するルーフラインを採用。箱型の車体でありながら、どこか「2ドアクーペ」を思わせるスタイルは個性的かつ魅力的だった。

だが、この種の軽トールワゴンまたは軽スーパーハイトワゴンを買う層というのは「スペース効率命! 屋根は高ければ高いほどイイ!」的な価値観をお持ちの場合が多いため、結論としてN-BOXスラッシュはあまり売れず、1代限りでカタログから消えてしまった。

しかし人気薄な分だけ、中古車価格は比較的安い。同年式で類似コンディションのN-BOXを買おうとすると結構なマネーが必要となるが、N-BOXスラッシュであれば、総額で90万円も出せば、走行4万km台のなかなか悪くない一台を見つけることができる。

やや背が低めであるN-BOXスラッシュは、やたらと背が高いN-BOXと違って観葉植物の運搬には向かないし、子どもが車内で立ったまま着替えるのにも向いてない。しかし世の中、そんなにしょっちゅう観葉植物を運搬する機会などないはずであり、Z世代のみなさんは、車内でサッカーのユニフォームなどに着替えるお子さんも、まだいらっしゃらない場合のほうが多いだろう。

であるならば「ファンキー・チョップトップ」を開発コンセプトとしたN-BOXスラッシュでも、何ら問題はないはずなのだ。

その2|スバル インプレッサ スポーツ(先代)

スバル インプレッサ スポーツ(先代)

ファンキー・チョップトップなホンダ N-BOXスラッシュは人気薄ゆえのお買い得感も強いため、Z世代のみなさんにはかなりおすすめしたい一台なのだが、とはいえ「軽はちょっと……」という方も多いだろう。気持ちはわかる。

ならばコレでどうか? つい先日新型が登場したため“先代”になってしまったが、割と最近まで現行型だった「スバル インプレッサ スポーツ」である。

この車は「Cセグメントの5ドアハッチバック」というやつで、要するに「フォルクスワーゲン ゴルフぐらいの車」ということだ。ドイツ人のおしゃれセンスが炸裂しているゴルフと比べると今ひとつ垢抜けてないデザインだが、「走りのフィーリング」はゴルフにほぼ匹敵している。

いや時速200km以上でドイツのアウトバーンを走り続けるならゴルフのほうが圧倒的に上だろうが、日本の速度域で日本の道を走る限りにおいては「ほとんどゴルフ」である。この世代から採用された「スバルグローバルプラットフォーム」という車台の恩恵により、その走行フィールや安定性などは冗談抜きでウルトラ上質なのだ。

まぁ前述のとおり内外装デザインが今ひとつ垢抜けてないというのが、この車の弱点ではある。だが、これだけウルトラ上質な乗り味を持つ車を総額90万円ぐらいから買えると思えば、デザインについては目をつぶってもいいのではないか? と考えるのである。

その3|三菱 デリカD:5

三菱 デリカD:5

スバルグローバルプラットフォームを採用する先代インプレッサ スポーツは、Z世代のみなさんにかなりおすすめしたい一台だが、とはいえ「内外装デザインが垢抜けてないのはちょっと……」という方も多いだろう。気持ちはわかる。

ならばコレでどうか? アウトドア系の趣味を持つおしゃれ人種各位から絶大な支持を受けている「三菱 デリカD:5」である。

三菱 デリカD:5は、2007年1月にデビューした3列シートミニバン。2005年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「Concept-D:5」はほとんど月面探査車のようなデザインで、かなりイカしていたが、市販バージョンはそこまでぶっ飛んだ造形ではなかった。だが凡百のミニバンと比べれば断然おしゃれであるというか、「月面探査車っぽさ」はけっこう残っている。

そしてこれの4WD車は、ミニバンでありながら本格SUV並みの悪路走破性能を誇る車でもある。デザインだけでなくそういった機能面も、アウトドア系の趣味人が三菱 デリカD:5をこぞって支持している理由だ。

2019年2月のビッグマイナーチェンジを経た世代(電気シェーバーみたいな顔つきに変わった世代)は、さすがに総額100万円以下ではまだ買えないが、それ以前のシンプルな顔立ちの世代であれば、4WD車であっても総額100万円以下で普通にイケる。

とはいえその場合、走行距離がガツンと延びている中古車が中心になってしまうのも事実ではある。なるべく内装がキレイで、正規販売店で2年に一度の定期点検と整備をしっかり受けてきた個体を探しだすというのが、総額100万円以下で三菱 デリカD:5を買う場合の王道的手法となるだろう。

その4|マツダ ロードスター(3代目)

マツダ ロードスター(3代目)

三菱 デリカD:5でもってシブいアウトドア趣味をキメるのも素敵だが、人によっては「人数が乗れなくてもいいし、荷物があまり積めなくてもOKなので、もっとスポーティな車が欲しい」と考えるだろう。気持ちはわかる。

ならば、その場合はコレでどうか? マツダが連綿と作り続けている「ロードスター」という2座式オープンカーの3代目モデルである。

車好き界隈では「NC」という型番で呼ばれることの多い3代目マツダ ロードスターは、1.6~1.8Lエンジンを搭載する小ぶりでタイトなオープンスポーツだった初代(NA)や2代目(NB)と違い、やや大ぶりとなったボディに2Lのエンジンを載せたことで、発売当時は「肥大化した」「デブになった」「がっかりした」などと言われたものだ。

当時の人々ががっかりした気持ちも、理解できなくはない。だが、ほとんどの車が肥大化してデブになった2023年の今となってみれば、当時はデブと言われた3代目ロードスターも「スリムな人(車)」にしか見えないし、実際、現代の車と比べれば格段にスリムでタイトだ。

しかし3代目ロードスターは今なおさほどの人気車種ではないため、その中古車はけっこう安い。

スリムでタイトで可憐な初代ロードスターは、一番高い部類だと400万円を超える中古車に育ってしまったが、3代目であれば、もっとも高い部類でも300万円ぐらい。そして「総額100万円以下」の予算でも、まずまず悪くない一台を見つけることができる。

本格的な2シーターオープンスポーツを手に入れるための予算としては「破格に安い!」と言ってもいいだろう。

その5|ボルボ V60(先代)

ボルボ V60(先代)

総額100万円以下の予算であっても、「ちょっといい感じの輸入車」を見つけることは可能だ。

さまざまな選択肢が考えられるが、あえてひとつに絞るとしたら「ボルボ V60」という北欧製ステーションワゴンの初代モデルを挙げたい。

スウェーデンの自動車ブランドであるボルボが作るステーションワゴンは、その昔は「土の香りがする朴訥(ぼくとつ)な感じ」を特徴としていたが、近年では「モダンでスポーティでシュッとしてる感じ」へとキャラ変している。

2011年に登場した初代V60は、そんな新世代ボルボの第1号……ではないかもしれないが、まぁそんな感じの世代となる、モダンでスポーティでシュッとしたステーションワゴンだ。

2014年モデルからはデザインを変更し、「割と一般的なイケメン顔」とでも言うべき顔つきに変わった。だがそれ以前の前期型が採用していた「おもしろフェイス」的なデザインも決して悪くないと、個人的には思う。

どちらをお選びになるもご自由ではあるが、整備履歴がなるたけ充実している個体を選べば、軽快で上質な走りとステーションワゴンならではの実用性、そして北欧製ならではの「しゃれた室内空間」を、総額100万円以下の予算にて堪能できるだろう。

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