道路に寝てる人がいる!? 夜間に多い路上の寝そべり。ドライバーの対策は?
路上横臥(ろじょうおうが)といわれる道路での寝そべりは、ドライバーの発見が遅れがちで重大事故にいたりやすい。この路上横臥事故は、特に、夜間に発生している。夜の暗がりの中、クルマのハンドルを握る際、どうすれば路上に寝そべっている人に気が付けるのだろうか。
路上横臥事故で年間109人が死亡している
路上横臥(ろじょうおうが)とは、いわゆる道路での「寝そべり」のことをいう。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き出歩く人が増えたこともあるのか、最近は、路上横臥者が走行中の車両に撥ねられる「路上横臥事故」が増加傾向にある。
警視庁の資料によると、令和4年に歩行中の事故で死亡した895人のうち109人が路上横臥であった。路上で人が寝ているというのは考えにくいと思うが、歩行中の死亡事故の1割以上が路上横臥というのが実態である。
そうなると、ドライバーは「いつ路上に寝そべっている人を轢いたり撥ねたりするかわからない」という危機感を持たざるを得ない。いったいどのように対策をすればいいのだろうか。
まず、路上横臥の発生状況を見てみよう。警視庁は、飲酒後の帰路で、車道に寝込んでいて事故に遭うケースが多いと指摘する。路上横臥事故の発生する時間帯は、午後8時から午前4時に集中しており、泥酔者の多い状況を示唆している。夜間は特に注意が必要というわけだ。
ハイビームで車道に寝そべっている人を発見しよう
運転席からは道路に寝そべっている人が視認しにくいうえ、そもそもドライバーの「路上に寝そべってるはずない」という思い込みがある。そのため、路上横臥者に気が付かない状況で減速しないまま人を撥ねてしまうと、当然、死亡や重傷といった大きな事故になる。
これを防ぐには、特に夜間は「路上に寝そべっている人がいるかもしれない」と意識して運転するしかなさそうだ。また、活用してほしいのがヘッドライトをハイビームにすることだ。ハイビームの照射距離は約100m。対してロービームの照射距離は約40m。ハイビームであれば、路上に寝そべっている人により早く気が付くことができる。
また、ドライバーの皆さんに覚えておいてもらいたいのが、路上で寝そべっている人に遭遇したときの対処法だ。ハザードランプを点灯させ、手前で停止し、他の車両に轢かれないようにしてから警察に連絡しよう。
もちろん、歩行者には飲酒はほどほどに帰宅してもらいたいものである。
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