環状第2号線 築地-新橋間の開通で晴海通りの渋滞は緩和した? 気になる開通半年後の整備効果
2023年9月14日、東京都建設局は、環状第2号線 本線トンネル開通半年後の利用状況を発表した。
所要時間の短縮と晴海通りの渋滞緩和に寄与
「環状第2号線」は、起点の有明(江東区)から終点の神田(千代田区)を結ぶ都市計画道路である。道路計画を決定した1946年から76年の歳月を経て、2022年12月18日、築地-新橋間(約1.4km)の開通をもって、全線開通にいたった。
ここで、東京都建設局は、築地-新橋間の開通半年後の利用状況を調査した。その結果、新橋-溜池間の所要時間短縮、並行する晴海通りの交通量減など、整備効果が数字として如実に表れていることがわかった。
所要時間は17~20分の短縮を実現
新橋-溜池間の所要時間を開通前後で比較してみる。溜池交差点から豊洲市場前交差点までの所要時間は、開通前の31分に対し、開通後は11分と約20分の短縮。豊洲市場前交差点から溜池交差点までの所要時間は、開通前の29分に対し、開通後は12分。約17分の短縮となった。
晴海通りの交通量は最大8000台の減少
続いて、並行する晴海通りの交通量を開通前後で比較してみる。築地四丁目交差点付近の交通量は、開通前の46470台/日に対して、開通後は38306台/日と、約8000台減少。勝どき駅前交差点付近の交通量も、開通前は37845台/日だったのに対し、開通後は31731台/日と、約6000台減少している。
勝どき駅前交差点の渋滞長も、臨海部側の上りでは290mから0mに、都心部側の下りでも400mから0mとなっていることから、道路整備が晴海通りの渋滞緩和に寄与しているのは間違いなさそうだ。
環状第2号線ユーザーの感想は?
東京都建設局は、環状第2号線の周辺事業者にアンケートを実施して、開通後の利用状況を詳しく調査した。その結果を以下にまとめる。
Q. 同じ目的地の到着時間が短縮したと感じるか
A. 62%の利用者が到着時間の短縮を実感
(到着時間が短縮した 50%、到着時間がやや短縮した 12%)
Q. 同じ目的地への定時性が向上したと感じるか
A. 56%の利用者が交通の定時性向上を実感
(定時性が向上した 38%、定時性がやや向上した 18%)
Q. 本区間が臨海地区の避難ルートとなり、地域の防災性向上に寄与したと思うか
A. 52%の利用者が地域の防災性向上を実感
(そう思う 31%、どちらかといえばそう思う 21%)
豊洲市場の関係者、バス会社、タクシー会社などの事業者や地域の居住者は、所要時間の短縮と晴海通りの渋滞緩和を実感するのと同時に、都心部のアクセスが向上し、ストレスを感じることがなくなったという意見がみられた。
道路計画の決定後、目覚ましい成長を遂げてきた臨海部。環状第2号線の道路整備事業は、現代の人々にとって、有益なものとなったのではないだろうか。
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