豪雪の県境を越える「新三国トンネル」が遂に完成。3月19日開通予定
関東と中越を結ぶ国道17号は、高速道路の関越道が通行止めになると、県境を越える唯一の自動車道として重要なライフラインだ。その国道17号で建設中であった新三国トンネルが2022年3月19日に開通予定。従来の三国トンネルは老朽化が進んでいる上に、幅が狭いという問題があり、ドライバーや地域住民から期待されていた新トンネルでもある。公開された写真とともに、新三国トンネルを紹介。
ぐんと幅が広がり、走りやすくなる「新三国トンネル」
川端康成の『雪国』でも有名な、群馬県みなかみ町と新潟県湯沢町を分ける県境は、今も昔も関東、中越間の物流を支える大動脈である。同時に、険しい山岳地域かつ豪雪地域という難所のため、重要な場所にも関わらず、自動車で越えるルートは、今も高速道路のE17関越道と、三国峠を越える一般道の国道17号しかない。
しかも、長大な関越トンネルで県境を越える関越道は、道路法第43条第3項の規定により危険物積載車の通行が禁止または制限されている。このためタンクローリーなどは、国道17号の三国トンネルで県境を越えないといけない。また関越道は、豪雪等の災害や事故により通行止めとなることもあり、国道17号は、代替路としても不可欠な幹線道路でもある。
この大切な国道17号の三国トンネルだが、近年、老朽化が進んできているほか、大型車が擦れ違う際にトンネルの内壁をこすったり、その修復を重ねることでトンネルの幅が狭くなり、大型車同士のすれ違いが困難な状況になっていたりする。
これらの問題解消のため、国土交通省 関東地方整備局 高崎河川国道事務所では、新しい「新三国トンネル」を作ることとし、掘削工事を2017年8月から開始。今春3月19日についに開通する。
新三国トンネルの長さは、これまでとほぼ同じで1284m。また、トンネルは従来と同じく2車線だが、幅員は5.5mから8.5m(路肩含む)へ拡張。これにより、大型車がすれ違う際に車両でトンネル内壁をこすってしまう心配もなくなった。
開通時間など今後の詳細については、国土交通省関東地方整備局高崎河川国道事務所の公式Webサイトにて更新される予定だ。