国内初!路側にEV充電器を設置。横浜市が実証実験
神奈川県横浜市と株式会社e-Mobility Powerは、公道上の路側にEV用充電器を設置してその有効性や課題を検証する実証実験を2021年6月8日から開始した。公道にEV用充電器が設置されたのは国内初。
車道上の路側に駐車して急速充電!
横浜市と、充電インフラのサービス提供を行う株式会社e-Mobility Powerが、横浜市青葉区内の公道にEV用充電器を設置し実証実験を開始した。設置場所は車道の路側部分で、路側に駐車して充電を行う。駐車違反にならないか気になるところだが、充電中かつ指定された枠内に限り駐車が許される。公道に設置されるのは全国で初めてという(公道扱いの駐車帯を除く)。
横浜市は、2050年までの脱炭素化「Zero Carbon Yokohama」を掲げており、実現に向けた取り組みのひとつとして、2020年3月にe-Mobility Powerと「横浜市内の EV 普及促進に向けた連携協定」を締結した。そして、同市内において、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)に乗りやすい環境整備や、充電インフラ拡大のための新たな仕組みづくりに取り組んできた。今回の実証実験は、そうした新たな仕組みづくりの一環として、試験的に公道にEV用充電器を設置することで、その課題や有用性について検証を行うことを目的としている。
実証実験では、神奈川県道 140 号川崎町田線沿いの青葉区しらとり台69付近に、CHAdeMO規格の急速充電器1基を設置した。CHAdeMO規格とは、国内では主流の急速充電方式。CHAdeMO協議会が標準規格を定めるもので、最大出力62.5kWで急速充電できる。これは、たとえば普通充電(100Vまたは200V)で8時間程かかるところを、30分~1時間程度で充電できる能力である。
当該実験で設置される充電器では2台同時充電が可能。2台同時使用してもそれぞれ56kWの最大出力が可能で、将来的に、1台利用時の最大出力は90kWが予定されている(※)。
※2021年6月~10月までは1台利用時最大出力56kW(予定)
EV用充電器の公道設置は、EV普及の進む欧州では一般的となっている。国内でも公道設置は都市部における貴重な充電場所になること、また視認性がよく充電インフラが充実しているという安心感にもつながることから、EV化促進への有用な施策になりうると横浜市はいう。
実証実験は2022年3月下旬まで行われる予定で、その結果を踏まえて、交通管理者、道路管理者、設置事業者らが課題を検証していく予定だ。
【EV用充電器の公道設置実証実験の概要】
期間:2020年6月8日(火)17時~2022年3月下旬(予定)
場所:神奈川県横浜市青葉区しらとり台69付近(神奈川県道140号川崎町田線沿い)
主体:EV充電器の公道設置に関する実証実験協議会
利用時間:24時間
利用料金:充電カードにより異なる(e-Mobility Power、ネットワーク充電器、ビジター利用可)