危険な実態が浮き彫りに。タニタ「飲酒運転に関する意識調査2023」の調査結果を考える
タニタが「飲酒運転に関する意識調査2023」を実施。そこからは、ユーザーの危険な油断が浮き彫りになった。
タニタの「飲酒運転に関する意識調査」
タニタといえば体脂肪計や万歩計などの印象が強いが、健康総合企業としてアルコールチェッカーも販売している。その縁もあり、自動車の安全運行に対する社会意識を高め、安全な社会の実現とドライバーの健康づくりに寄与する目的で「飲酒運転に関する意識調査2023」を実施したという。
同調査の中から、日常の運転にも関わる内容を抜粋して紹介したい。
【対象】
年齢:全国の20歳~69歳
【条件】
・飲酒習慣がある
・仕事で社用車を運転することがあるドライバー
【調査数】
上記条件を満たす1,000人
【調査期間】
2023年4月4日~4月5日
2割以上が、お酒が抜けきれてない状態で運転
■お酒を飲み過ぎても一晩寝れば車を運転しても大丈夫だと思うか。
[全体]
非常にそう思う:4.2%
ややそう思う:33.9%
あまりそう思わない:41.3%
全くそう思わない:20.6%
[お酒に強い人]
非常にそう思う:6.7%
ややそう思う:44.1%
あまりそう思わない:33.0%
全くそう思わない:16.1%
[お酒に強くない人]
非常にそう思う:2.4%
ややそう思う:26.7%
あまりそう思わない:47.2%
全くそう思わない:23.8%
全体で見ると、「非常にそう思う」「そう思う」を含めた、「お酒を飲み過ぎても一晩寝れば運転しても大丈夫だと思う」人は約4割。お酒に強いと自負のある人では、5割に上る。
■アルコールがからだから抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することはあるか
[全体]
よくある:1.4%
ときどきある:6.7%
1~2回ある:12.5%
全くない:79.4%
[お酒に強い人]
よくある:1.7%
ときどきある:10.4%
1~2回ある:33.0%
全くない:16.1%
[お酒に強くない人]
よくある:1.2%
ときどきある:4.1%
1~2回ある:10.9%
全くない:83.8%
アルコールが抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することはあるかを聞いたところ、『ある(計)』は20.6%となった。お酒の強さの自己認識別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、お酒に強いと思っている人では26.8%と、全体と比べて6.2ポイント高くなった。
なお、アルコールが身体から抜けるまでに必要な時間は、体重65kgの場合に2合(ビール中瓶2本、ワイングラス4杯相当)の飲酒で6~7時間程度、3合(ビール中瓶3本、ワイングラス6杯相当)の飲酒で9~10時間程度といわれている。一晩寝たから大丈夫……とハンドルを握った経験のある方はいないだろうか?
自転車の飲酒運転への意識調査も
事故が多発している自転車の飲酒運転についての意識調査も行われているので、見てみよう。
■お酒が抜けきっていないと思いながら自転車を運転することはあるか。
[全体]
よくある:2.6%
ときどきある:7.4%
1~2回ある:11.5%
全くない:78.5%
男女別にみると『ある(計)』と回答した人の割合は男性では22.8%と、女性( 9.9%)と比べて 12.9ポイント高くなっている。年代別では、『ある(計)』と回答した人の割合は、40代( 23.5%)が最も高い。
■お酒を飲んでも自転車であれば運転しても大丈夫だと思うか
[全体]
非常にそう思う:2.0%
ややそう思う:14.7%
あまりそう思わない:35.1%
全くそう思わない:48.2%
「非常にそう思う」と「ややそう思う」を合計した『そう思う(計)』は 16.7%、「全くそう思わない」と「あまりそう思わない」を合計した『そう思わない(計)』は 83.3%となった。特に、20代・30代では「そう思わない」が約2割となり、5人に1人が自転車での飲酒運転に対して認識が甘いと分かる。
運転免許は不要であるものの、自転車は法律上「軽車両」に該当するため、飲酒運転は処罰の対象だ。甘くみることは許されない。
5月からコロナの分類が5類に変わって会食の機会も増え、ビールも美味しい季節になってきた。車であっても自転車であっても飲酒運転を甘く考えていないか、アルコールを摂取した翌朝の運転に対して正しい認識を持てているか、悲しい事故が起きる前に、今回の調査の結果から今いちど見直してほしい。