カングーだけじゃない! フランス生まれの「おしゃれミニバン」に胸キュン。
いま輸入車のミニバンがおもしろい。ブームの火付け役となったルノー・カングーは近ごろ3代目に進化し、プジョーとシトロエンはフランス車らしさ満点のおしゃれデザインでライバルを追いかける。注目の最新3モデルを、モータージャーナリストの小川フミオが紹介する。
3代目カングーは何が変わった?
日本でファンが多いルノー・カングーが、フルモデルチェンジして、2023年2月に日本発売されました。先代よりちょっと大人っぽくなったというか、乗用車的になったような今回の3代目。全長が伸びて荷室容量も増大。運転支援システムも充実しています。
もうひとつの特徴は、1.3リッター4気筒ガソリンエンジンと、1.5リッター4気筒ディーゼルエンジンの2本立てのラインナップとなったこと。「先代でディーゼルモデルを限定販売したところ好評だったので、今回はカタログモデルとして設定しました」とルノージャポン広報担当者は説明します。
乗った印象は、どちらのエンジンも、エンジンの低回転域からトルクがしっかり出て、かなり乗りやすい、というもの。ディーゼルモデルは、独特の音も抑えられているし、けっこうよく回ります。
“働くクルマ”を普段使いする!
最高出力96kW、最大トルク240Nmのガソリン車は395万円。85kW、270Nmのディーゼル車は419万円。燃費は前者がリッターあたり15.3km、後者が17.3km。「ディーゼルは遠出が多い方、ガソリンは街乗りで」とルノージャポンは言いますが、性能と価格を鑑みて選べばいいでしょう。でも、いずれも似通っていて、けっこう迷うかも。
荷室容量は、先代より115リッターも増えて775リッターと驚くべきもの。リアシートを倒すと2800リッターにまで拡大しますから、単身者の引越しぐらい楽勝そう。
欧州では40万kmぐらい平気で走る猛者もいるとかで、ルノーでは今回、耐久テストを入念に実施。2列目シートに前後スライド機構がないのも、後席用スライドドアが電動でないのも、すべては高い耐久性のためだとか。
後席の乗り心地も悪くありません。もともとは商用車と並行開発され、足まわりは硬めですが、それでもクッション性のいいシートが快適性を提供してくれています。
おしゃれな輸入ミニバン
カングーに加えて、日本ではプジョー・リフター、それにシトロエン・ベルランゴと、いまフランス製MPV(マルチパーパスビークル)の揃い踏みになっています。
リフターとベルランゴは姉妹車。特徴は、どちらも、2列シートの5人乗りである標準ホイールベース車と、3列シートの7人乗りというロングホイールベース車が用意されていること。エンジンは、プジョーとシトロエン、ともに1498cc4気筒ディーゼルを搭載します。96kWの最高出力と、300Nmの最大トルクで、車重は1.6〜1.7トンですが、かったるさは感じません。
シートアレンジは、ルノー・カングーとはだいぶコンセプトが異なります。後席は3つのシートすべて個別にスライドするこができます。背もたれを前に倒すことも可能です。ボディサイズは、ホイールベース2785mmの標準ボディで全長4405mm、全高1880mm。2975mmのホイールベースをもつ「ロング」は全長4760mm、全高1900mm。
対して、2715mmのホイールベースを持つカングーは、全長4490mm、全高1810mmというサイズ。プジョー/シトロエンの標準モデルとロングホイールベースモデルの間に入ります。
リフターの標準モデルの価格は398万1000円から。シトロエン・ベルランゴは384万5000円からです。ロングの場合、リフターは455万円から。ベルランゴは443万3000円からとなります。