「空飛ぶクルマ」が大阪の空を飛んだ! 万博会場で有人実証飛行が行われる。
2025年の大阪・関西万博で商用運用を目指す「空飛ぶクルマ」の有人実証飛行が、大阪城公園で行われた。未来を感じさせる約10分間の飛行は、どのように実現したのか?
「空飛ぶクルマ」実現に向けた有人飛行
3月14日、大阪市の大阪城公園内野球場にて、国の許可が必要な屋外スペースにおいては日本初となる「空飛ぶクルマ」の有人実証飛行が実施された。実証飛行は、大阪府、大阪市、大阪商工会議所で構成する「実証事業推進チーム大阪」が支援し、丸紅が実施したもの。
パイロットのひとりとして、ヘリコプターと飛行機の操縦免許を有する、IT大手GMOインターネットグループの熊谷正寿氏が操縦を務めた。「空飛ぶクルマ」は、熊谷氏の操縦により約10分間に渡り大阪の空を飛行。空中では、上下飛行や直進、緩やかな旋回飛行など、さまざまな動作を行った。
求められる未来のデザイン
大阪市では2年後に、大阪・関西万博が開催される。場所は、大阪市此花区に浮かぶ人工島、夢洲(ゆめしま)。期間は、2025年4月13日から10月13日までの184日間。テーマを「いのち輝く未来社会のデザイン」とし、イメージキャラクターは「ミャクミャク」が選ばれた。
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所は、大阪・関西万博開催の機運を高め、未来社会を見据えたイノベーションの創出を図ることを目的として、夢洲における実証実験について検討していた。「空飛ぶクルマ」の実証飛行は、検討の後に採択されたもので、今回実現した。
「空飛ぶクルマ」実現には課題も
GMOインターネットグループは、空飛ぶクルマの普及に向けて、情報セキュリティとサイバーセキュリティ技術による「空のセキュリティ」確立に向けた取り組みを進めている。
「空飛ぶクルマ」最大のリスクは、サイバー攻撃による墜落事故と言われている。機体を制御する通信が攻撃された場合、乗客や地域住民の命に関わる墜落事故が起きることが懸念されており、乗っ取られた「空飛ぶクルマ」が重要な施設への攻撃に使われるという可能性も指摘されている。「空飛ぶクルマ」実現に向けた、セキュリティ面での取り組みにも今後注目だ。
資料提供=GMOインターネットグループ