幼児の置き去りを防ぐ! 送迎用バスの置き去り防止支援装置発売
トヨタ自動車株式会社は、送迎用バスでの置き去り防止を支援する『車内置き去り防止支援システム』を、4月より発売すると発表した。今回は園バスによく使われるコースター(幼児専用車)とハイエース(幼児バス)向けの、ディーラーオプションとしての発売となる。
痛ましい事故を一件でも防ぎたい
たびたび報じられる、送迎バスに幼児が置き去りにされる痛ましい事故。
そんな痛ましい事故を防ぐために、トヨタは『車内置き去り防止支援システム』を開発し、販売店装着の純正用品としてコースター(幼児専用車)、ハイエース(幼児バス)向けに4月から発売するという。
同装置は、エンジンの停止後に、まず運行スタッフに音声案内で車内の確認を促す。確認が実施されない場合や、確認を実施したものの万一車内に置き去りにされた幼児などが自ら助けを求める場合は、車外へ警報を発することで最悪の事態を回避する仕組みだ。
機能について、詳しく紹介!
【機能詳細】
■音声と車外警報により、事故を未然に防ぐ機能(降車確認ボタン)
- エンジン停止後、運行スタッフに車内の確認を促す音声案内を開始する
- 運行スタッフが車内に残っている幼児などがいないか確認し、車内最後尾に設置した降車確認ボタンを押すと音声案内が停止する
- 音声案内開始から一定時間を経過しても降車確認ボタンが押されない場合は車内確認漏れと判断し、ホーンの吹鳴とハザードランプの点滅で車外へ警報を発する
■車外警報により、最悪の事態を回避する機能(ここだよボタン)
- 万一幼児などが置き去りにされた場合、幼児などが自らボタンを押すことで、ホーンの吹鳴とハザードランプの点滅で車外へ警報を発する
- ハイエース(集中ドアロック付車)では、ここだよボタンに連動してドアロックが解除される
トヨタからは、次のようにコメントがあった。
「車内に置き去りにされた幼児が犠牲になるという大変痛ましい事故を一件でも防ぎたいという思いから、本商品の開発を進めてきました。今後も「安全・安心」なクルマ社会を実現していくために、あらゆる努力を進めてまいります。」
【対象車種】
コースター(幼児専用車)年式 2004年7月~
ハイエース(幼児バス)年式 2004年8月~
※車両仕様等の条件により対象は限られます
【価格】
10万円前後を予定
(消費税込み、取付工賃など諸費用は含まない。車種・型式によって異なる。)
4月から、置き去り防止システムの設置が義務づけに
2023年4月から、全国の幼稚園・保育所・認定こども園を対象に、送迎バスの置き去り防止システムの設置が義務化される。このため、トヨタだけではなく各メーカーが置き去り防止支援の安全装置を製品化している。これからの季節、日中の気温は本格的に上がってくるが、これらの取り組みを通して、今年からは痛ましい事故の報を聞くことがないように願う。
内閣府「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリストについて」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/anzen/list.html