鬼キャンにド派手カラー! 大阪のカスタム文化は東京と何が違う?「大阪オートメッセ2023」
同じクルマ好きでも、大阪と東京とでは楽しみ方が全然違う!? 「大阪オートメッセ2023」の会場から、モータージャーナリストの小川フミオがリポートする。
楽しむなら徹底的に!
「大阪オートメッセ2023」が、23年2月10日から12日の週末に開催されました。関西や四国、九州のみならず、東南アジアからも集客する、クルマ好きのための大イベント。注目すべき点がいろいろありました。
ライバルとも目される「東京オートサロン」が第41回を数えるのに対して、大阪オートメッセも23年で第26回と、けっして退けを取っていません。
「始めたきっかけは、現地の自動車好きに向けて、自動車関連業界とカーライフを提案したかったんです」
大阪オートメッセ主催の交通タイムス社の宮木敏也代表取締役は、当日会場で説明してくれました。
「東大阪には、アルミホイールやマフラー、サスペンションパーツといった金属加工を得意とする会社が多いですし、”カッコいいもの”を好む関西人はいわゆるドレスアップ志向も強いんです」
その志向性が、大阪オートメッセの展示に現れています、という宮木代表取締役の指摘を念頭に、インテック大阪という巨大な見本市会場をまるごと使った23年のショーを見て歩きました。
ひとことでいうと、熱気のある楽しさです。
「昼はハイエースで仕事をしていて、せっかくならそのクルマをカッコよくしたい、というのが大阪オートメッセのお客さん」
宮木代表取締役の言葉がすべてではないでしょうが、さまざまなデザインのアルミホイール、派手なカラーリング、太いタイヤ、そして自製ボディパーツなどを装着した目立つクルマが勢揃いしているのは事実。
「楽しむなら徹底的に楽しもうというのが、関西人の考え方。東京が赤なら、大阪は真っ赤かドピンク(笑)。他人より目立ちたいという志向が、クルマのカスタム文化の根底にあります」
大阪ならではの人とクルマの良い距離感
来場者との接点を持つことを大事にしている出展者も多いのも、大阪ならではかもしれません。たとえば、日本でもっともレカロシートを販売するという堺市の「トライアル」のブースでは、あらゆる種類のレカローシートが並べられています。
顧客の体型や目的に合わせてクッションなどを調整するサービスが人気というだけあって、会場でも大きなデスクを使い、販売員と顧客が真剣な顔で話しています。レカロシートは、レースタイプのものから、ハイエースにぴったりのものまでさまざま。売り手がユーザーを選別しない、間口の広さが、クルマ好きにはとてもいい感じです。クルマ好きだと、けっこうおもしろい発見があると思います。
大阪オートメッセ2023は、3日間で来場者総数が20万5000人強と、後日主催者の発表がありました。22年は約7万4000人といい、つまり、23年は3倍ちかくにはね上がったことになります。出展社は、22年の143社から260社に、展示車両は328台から560台に。このあたりの数字が、私の感じた熱気の裏付けでしょう。
それともうひとつ、魅力がありました。日本全国から集めたというご当地グルメの屋台。大きなホールに、さまざまな”B級グルメ”がずらりと並んでいました。「広島焼き」の屋台が人気でしたが、マツダなど、広島のひとがみたら”広島焼きなんてない、お好み焼きじゃ”って怒るんじゃないかと想像して、ちょっとおかしくなりました。
私は、飛騨高山の精肉店を謳う屋台でステーキ丼を食べてみました。一杯1500円と安くなかったのですが、肉がおいしい。味があって、歯ごたえも適度。
クルマも食べものも、こだわる大阪を感じさせてくれたのが、大阪オートメッセでした。