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道路・交通2023.03.07

道路照明で路面凍結対策!? 交通インフラの課題解決にも期待

裾野市は、スタンレー電気、加賀FEI、NTTコミュニケーションズ、ダッソー・システムズの4社で共同開発した「スマート道路灯」を活用し、路面凍結による交通事故削減に向けた実証実験を開始した。都市が抱える交通インフラの課題解決にも繋がる試みに注目してみよう。

文=原田磨由子

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路面描画は、冬季の路面凍結対策として初の試み

道路照明灯による路面描画イメージ。画像=裾野市、スタンレー電気、加賀FEI、NTT Com、ダッソー・システムズ

 従来の道路照明灯(街灯)は、道路を照らすだけのものだった。この道路照明灯に路面描画機や各種センサー等を搭載したのがスマート道路灯。照明機能だけでなく、路面に「凍結注意」などの文字を描画してドライバーへ注意喚起を行ったり、通過する車の速度等のデータを収集して交通状況の把握を行ったりできる次世代の街灯である。

このスマート道路灯を、「日本一市民目線の市役所」をスローガンに掲げ、歩行空間のユニバーサルデザイン化や先進技術の導入などを推進している静岡県の裾野(すその)市が設置し、実証実験を開始した。場所は、同市内にある「石脇柳端橋」。2台のスマート道路灯を設置し、路面描画やデータ活用の実験を行う。結果は、スマート道路灯設置前後のスリップ事故数や、アンケート調査による住民の意識変化で分析するという。

スマート道路灯を開発したのは、スタンレー電気、加賀FEI、NTTミュニケーションズ、ダッソー・システムズの4社。各社が得意とする技術を集結してスマート道路灯を実現した。なかでもユニークな機能である路面標示は、冬季の路面凍結対策としては全国でも初の試みで、その効果に注目が集まっている。実証は2月から既にスタートしており、3月31日まで行われる予定。

路面描画機「スマート道路灯」の近影。

路面描画のイメージ写真。表示内容の視認性も実験に含まれている。

他の自治体や海外への展開も

今後は、収集したデータを気象データなどと組み合わせ、降雪による渋滞予測情報の提示なども考えられるという。さらに道路管理者だけでなく、地元商店街との連携などへのビジネス領域の拡大も検討している。また、他の自治体への展開や、道路照明灯の少ない新興国への普及なども図っていくという。

現在の道路交通情報はラジオ等の音声や、カーナビなどのモニター画面で提供されているが、路面上の案内なら視線は前方に向けたままで確認することができる。安全運転面でも期待できそうだ。

各社の役割
■スタンレー電気
・スマート道路灯用のLED照明器具の開発・製造、提供
・路面描画装置の開発・製造、提供

■加賀FEI
・エッジコンピューター、センサーデバイスの提供
・組み込みAIシステム開発

■NTT Com
・モバイル通信の提供(IoT Connect Mobile® TypeS)
・収集データの可視および蓄積プラットフォームの提供
※IoT Connect Mobile® TypeSは、eSIM採用のモバイルデータ通信サービス。
https://www.ntt.com/business/sdpf/service/icms.html

■ダッソー・システムズ
・エッジAIカメラや環境センサーから収集したデータと地形データを基にしたバーチャルツインの構築とデータの可視化
・シナリオ分析

路面描画機を設置している様子。

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