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最終更新日:2023.06.19 公開日:2022.10.18

絵本はどうやって選ぶ? 『のせて のせて』は、0歳から楽しめる、赤ちゃんが初めて出会うクルマの絵本。

赤ちゃんに絵本をプレゼントするなら、どんな絵本を選ぶだろう。可愛い動物が出てくる絵本やテンポの良いフレーズの絵本ならよみきかせにもぴったりだ! 初めて絵本に触れる赤ちゃんにおすすめのクルマが登場する絵本の第2弾として、ある絵本を紹介する。

文=高田ひかる

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50年以上愛されるベストセラー

『のせて のせて』(作:松谷 みよ子/絵:東光寺 啓/出版社:童心社)

 絵本『のせて のせて』は、1969年に初版が発行されてから50年以上愛されているベストセラー絵本だ。主人公は小さな子供の「まこちゃん」。手にはかごバッグを持っていて、これからクルマで出かける様子。いったいどこへ行くのかな。

「まこちゃんの じどうしゃです はしりますよ ブブー」と、まこちゃんが真っ赤なクルマを運転していると……。

『のせて のせて』より。うさぎが車にのせてという場面。

 「ストップ! のせて のせて」と、うさぎが手をあげてまこちゃんを呼びとめた。「うさぎと いっしょ びゅーん」と、まこちゃんは嬉しそうにうさぎを乗せて走り始める。

今度はくまが「のせて のせて」と手をあげるので、くまを乗せてはまた走り始める。しばらくすると次はねずみのお母さんが子供たちと一緒に手をあげて「のせて のせて」と言う。ねずみの親子を乗せてあげると車はいっぱいだ。

『のせて のせて』より。動物たちが車に乗っている場面。

「まこちゃんの じどうしゃですよ ブブーブー くまも いっしょ うさぎも いっしょ ねずみも いっしょ びゅーん」

動物たちをみんな乗せてあげると、気持ちよさそうにびゅーんと車を走らせるまこちゃん。まこちゃんの顔は笑顔だ。するとその先には……。

『のせて のせて』より。まっくらなトンネルの場面

夢の世界

冒頭で「まこちゃんの じどうしゃです はしりますよ ブブー」とクルマのエンジン音を口ずさみ、まこちゃんは気持ちよさそうに車を走らせていく。ご存知の通りクルマの免許が取れるのは18歳以上なので、まだ小さなまこちゃんは、本物の車を運転しているわけではない。ここは夢の世界なのだ。

憧れの真っ赤な車を運転すると、動物たちが声をかけてくる。華麗なヒッチハイクを見せる、うさぎ、くま、ねずみはまこちゃんのお友達だ。気の置けない仲間たちと一緒に、未知の世界へドライブするワクワクとちょっぴりの不安に胸が高鳴る。トンネルを抜けた先には、今までにない感動が待っているに違いない。

「ブーブー」というクルマの音や「のせて のせて」と繰り返し出てくるセリフはリズムも小気味よく、0歳または1歳からのよみきかせにおすすめの一冊だ。


『のせて のせて』
作:松谷 みよ子
絵:東光寺 啓
出版社:童心社

作者紹介
作者の松谷みよ子さんは、1962年に絵本『龍の子太郎』で国際アンデルセン賞優良賞を受賞するなど数々の作品で児童文学賞を受賞した経歴を持つ。他の作品には『いないいないばあ』(絵:瀬川 康男 )、『おふろでちゃぷちゃぷ』(絵:いわさき ちひろ)などがある。

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