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最終更新日:2023.06.14 公開日:2022.01.23

吉田 匠の『スポーツ&クラシックカー研究所』Vol.9 コッパ・ディ・東京 2021(前編)クラシックカーで、東京の歴史を巡るツーリング!

モータージャーナリストの吉田 匠が、古今東西のスポーツカーとクラシックカーについて解説する連載コラム。第7回は昨年末に開催されたクラシックカーのラリーイベント、「コッパ・ディ・東京」をご紹介。当研究所の代表たる吉田 匠も愛車のポルシェ356でエントリー。参戦レポートをお届けする。

文=吉田 匠
写真=奥村純一、沼田 亨

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去年11月23日、100台を優に超えるクラシックカーが、汐留イタリア街狭しと集結した。

これはスタート前のイタリア街に、多種多様な旧いクルマが集まったシーン。

120台のクラシックカーが汐留に集結

戦前から戦後1960年代もしくは70年代くらいまでに生産された旧いクルマ、いわゆるクラシックカー、別の呼び方でヒストリックカーによるイベントは、世界的にますます盛んになっている。とはいえもちろん、新型コロナの影響を受けて中止になったイベントも2020~21年にかけて少なくなかったが、それでもクラシックカーが集まったり走ったりするイベントの様子が、世界中からSNSに寄せられていたのは間違いない。

そんな状況のなか、東京を舞台とするクラシックカーの集まりで、もっとも華やかなものという雰囲気に満ちたイベント、イタリア語で「東京杯」を意味する「Coppa Di Tokyo」、和文で書くと「コッパ・ディ・東京」も、昨2021年11月23日、いつものとおり勤労感謝の日に開かれた。そこに当研究所の代表たる吉田 匠と、編集部の秋月新一郎君が、代表の1962年ポルシェ356B 1600スーパーのコクピットに収まって参加した。

コッパ・ディ・東京は2021年で15回目を迎える継続性のあるイベントだが、それはまず早朝、汐留のイタリア街に集まることから始まる。1950~60年代のクルマを中心に、戦前車から80年代のモデルまで、今回の第15回ではエントリーが110台近くに上り、さらに今回の特集であるイギリス車にちなんだクルマや、僕らのようなプレスカーまで含めると、120台前後が汐留イタリア街とその周辺に参集したことになる。イタリア街の中心に位置する広場に、色とりどりのクラシックカーが100台以上集まった景観は、旧いクルマ好きにはもちろんのこと、そうでない人たちにとっても、壮観のひとことだといえる。

お馴染みのゲートから最初にスタートしていったのは、オープンボディの1949年マセラティA6GCS。

それに続いて同じくイタリア製のスポーツクーペ、1938年フィアット508Sベルリネッタが出立。

次は今回の出場車の最古参、1920年製のフランスの名門、ブガッティT13ブレシア。

イタリア街に吹くイギリスの風、というテーマで今回はイギリス車をフィチャーしているが、その先頭を走り出した1928年ロールスロイス・ファントム1の堂々たる姿。

同じくイギリスの、1928年リー・フランシスPタイプ。このクルマとは並走するチャンスがあったが、その活発な走りは年代からの想像を超えるものだった。

今も健在なイギリスを代表するスポーツカーブランド、モーガンの1950年モデル。

こちらは1960年代を代表するブリティッシュスポーツ、1966年ロータス・エランS2。

これはマッスルなアメリカンスポーツ、1969年シボレー・コルヴェット・スティングレイ。

今回の取材車となった、当方の1962年ポルシェ356B 1600S。

このユニークなクルマは、このイベントの最近の常連、1967年イタリア製のFerves Ranger。

東京の名所をクラシックカーが疾走

さてこの麗しのクラシックカーたち、午前10時からゼッケンナンバー順にイタリア街をスタートし、ドライバーの横に座るコ・ドライバーが主催者によって用意されたルートマップを読みながら、東京都内を走るのだが、そのコースがまた興味深い。

汐留を出て少し走ると、東京一の目抜き通り、銀座通りに入り、そこを8丁目から1丁目まで走って日本橋へ、やがて神田からお茶の水、湯島といった昭和の香りの深い街を通過し、神田明神に入ったら、そこで交通安全のお祓いをうけるという段取り。

【後編に続く】

前半のコースのハイライトのひとつである神田明神でお祓いをうける、1971年マセラティ・インディ。

同じく神田明神でのお祓いに望む、1954年フィアット8V。

出場車のなかには日本車の姿も。1968年ホンダS600クーペと、1969年スバル360。浅草は今戸神社にて。

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