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最終更新日:2021.08.14 公開日:2021.08.14

メガウェブ22年の歴史に幕。貴重な名車や旧車はどこへ?

首都圏におけるトヨタの情報発信施設であり、クルマのテーマパークでもあるメガウェブが、2021年12月31日に閉館することが決定した。施設自体の閉館はファンには残念であるが、メガウェブ3施設のひとつであるヒストリーガレージ所蔵の旧車・名車たちの今後。閉館後にどうなるのかを確認してみた。

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メガウェブが2021年12月末に閉館

メガウェブ所蔵または同施設のイベントで展示された旧車・名車の数々。

 トヨタの”見て乗って感じる モビリティの体験型テーマパーク”として、1999年3月にお台場に開館したメガウェブ。海外からの観光客も多く、2021年8月現在までの累計で約1億2700万人が来館している。トヨタの現行車種の大半が乗車可能な状態で展示されているほか、試乗コース「ライドワン」での試乗も可能(車種によっては有料)。ル・マン24時間レースやスーパーGTなど、トヨタが参戦しているモータースポーツと連動したパブリックビューイングなどのイベントも開催されている。さらに、トヨタの新車発表会の会場としても幾度となく使用されてきた情報発信施設としての側面も持つ施設である。

今回の閉館はもともと計画されていたもの

 当初は10年間限定でオープンした施設だったが、ユーザーからの評判がいいことなどもあり、その2倍を超える年数を重ねるに至った。しかし、施設の老朽化、近隣エリアの再開発などもあり、2021年12月31日をもって閉館することが発表された。このタイミングでの発表とあり、閉館決定は新型コロナウイルスのパンデミックによる臨時閉館が長期間化していることが原因かと思ってしまうが、そうではなく、あらかじめ決定されていたことだという。

 実際、トヨタ系列の東和不動産からは2020年3月31日時点で、メガウェブなどが立地するパレットタウンエリア(ゆりかもめ・青海駅直結のエリア)に各種イベントを開催できる多目的アリーナを2025年6月頃に竣工予定という計画が発表されている。また同時に、パレットタウン地区の賑わいの創出や魅力づくりなど、街づくりも行われ、大きく様子が変わることになるようだ。

現在のパレットタウンエリアの様子。 ©moonrise – stock.adobe.com

 パレットタウンエリアには、メガウェブの3施設(トヨタシティショウケース、ライドスタジオ、ヒストリーガレージ)のほか、ショッピングモールのヴィーナスフォート、パレットタウン大観覧車、コンサートホールZepp Tokyoなどがあり、それらを含めた同エリア一帯の約2万7000平方メートルが再開発されることになる。

 メガウェブは上述したように2021年12月31日の閉館(営業終了)となり、Zepp Tokyoが翌日の2022年1月1日、ヴィーナスフォートが2022年3月27日、パレットタウン大観覧車が2022年8月31日、MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless(チームラボ)が2022年8月31日にそれぞれ営業最終日を迎える。

新たに建設される多目的アリーナのイメージパース。 出典=東和不動産株式会社

 新たに建設される予定の多目的アリーナは、スポーツ観戦用として約1万席、イベント用として約1万~1万3000席が用意され、延床面積は3万7000平方メートルと発表されている。なお現時点では、メガウェブの後継となるような施設を併設する計画は発表されていない。

ヒストリーガレージの名車・旧車たちはどこへ?

ヒストリーガレージ内は昭和をイメージした雰囲気。

 メガウェブがなくなることで、気になるのが、ヒストリーガレージ所蔵の名車・旧車たちの今後だ。ヒストリーガレージでは、1950年代から1980年代の国内外のスーパーカーやスポーツカー、希少車などが集められており、東京23区内にある唯一の旧車やヒストリックカーの常設展示施設だった。

 しかも1シーズンに1回程度、走行可能なコンディションの車両による同乗試乗会(助手席や後席への乗車ができるイベント)も開催され、試乗枠があっという間に埋まってしまうほど人気を博していたのである。

名車・旧車たちの引取先はトヨタ博物館か?

ヒストリーガレージにはモータースポーツで活躍した往年の名車も展示されている。

 ヒストリーガレージの展示内容は、期間ごとにテーマを設けて展示車種を変えるなどしてきたが、所蔵していない車種は名古屋のトヨタ博物館から持ち込まれていた。そして、毎年行われていた「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」では反対に、メガウェブがトヨタ博物館に協力してヒストリーガレージの所蔵車種の展示などを行っていた。

※本家名古屋のトヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバルは2021年も開催されるが、神宮外苑では五輪と新型コロナの関係で2021年も未開催

 また、ヒストリーガレージでは、長年トヨタ車の開発や整備などを手がけ、定年退職を迎えた”匠”クラスのベテランメカニックが名車や旧車たちのレストアや整備などを行っている。そうした中、トヨタ博物館からの依頼を受けてレストアを行ったものも多いという。このように、同じトヨタ系列の施設ということもあって太い協力関係にあったことから、おそらくヒストリーガレージの名車・旧車たちは、トヨタ博物館に引き取られるのではないかと想像される。

 なお、メガウェブ広報に確認したところ、今のところヒストリーガレージに所蔵されている名車・旧車たちの今後は決まっていないが、秋ぐらいになれば何らかの発表ができるということだった。その正式な発表を待ちたい。そしてメガウェブは現在、新型コロナウイルス感染症の関係で臨時休館が続いている。閉館前に、名車・旧車たちをもう一度ヒストリーガレージで見られるよう、パンデミックが落ち着くことを祈ろう。


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