2020年交通事故死者数は過去最少。最多は53年ぶりに東京都。
警察庁は、2020年の交通事故死者数に関する統計資料を発表した。それによると、2020年の死者数は2839人。2019年の3215人と比較すると376人減少して統計以来最少となった。都道府県別で見ると最多は東京都の155人だった。
2020年の交通事故死者数は統計以来最少
警察庁が発表した統計によると、2020年の全国の交通事故死者数は2839人。交通事故死者数の統計が残る1948~2020年の間で、最も死者数が少なくなり、初めて3000人を下回った。2019年の3215人と比較すると376人減少で、2016年から5年連続で戦後最少を更新している。
2020年の交通事故発生件数は30万9000件で、前年より7万2237件減少。負傷者数は36万8601人で、9万3174人減少した。
また、交通事故死者数を人口10万人当たりで見ると、2020年の死者数は2.25人で、0.29人減少しており、こちらも5年連続の減少である。
交通事故死者数最多は東京都
都道府県別の交通事故死者数をベスト5、ワースト5で見てみよう。ベスト5は死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。
最も死者数が少なかったのは、鳥取県で17人。昨年まで3年連続で死者数最少だった島根県は18人。前年よりも7人減少したものの、鳥取県の大幅減に押される形で最少の座を明け渡した。和歌山県も同数で2位。
最も死者数が多かったのは東京都の155人。前年より22人増で53年ぶりにワースト1となった。 警察庁によると、東京都の交通事故死者数のうち、バイクまたは自転車を運転中の死者が5割、歩行者の死者が4割を占めるという。これは、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で交通量が減少し、空いている道でスピードを出すクルマが増加したことに加え、通勤電車を避けるため、自転車やバイクの利用者が増加したことが一因だと考えられるそうだ。
10万人当たりの死者数最多は香川県
東京都は死者数で見るとワースト1だが、総人口が多いためそれだけ事故が発生する確率が高い。総人口を考慮した上での死者数はどうなのだろうか。10万人当たりの死者数(※)をベスト5、ワースト5で見てみよう。
最も少なかったのは東京都で1.11人。次いで大阪府の1.41人、沖縄県の1.51人となっている。東京都は数では最多だったものの、10万人当たりにすると最も事故の少ない都道府県となる。
逆に、10万人当たりで最も多いのは香川県の6.17人。次いで福井県の5.34人、高知県の4.87人となった。ちなみに2020年の全国平均は2.25人なので、かなり多いことが分かる。
交通事故死者数を減少させるため、ドライバー1人1人が安全運転を心がけることはとても重要である。法定速度を守って走行し、歩行者や自転車などに配慮するなど、当たり前のことが真に当たり前になるよう意識して運転したい。