信号機のない横断歩道での一時停止、7割の車が無視! JAFが2021年度版の調査結果を発表
信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両を対象に、JAFが調査を行った。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は全体の約3割。約7割の車が交通ルールを無視する結果となった。この結果をどう思う?
約7割の車が止まらない!
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は8月11日~8月30日の期間、「信号機のない横断歩道」における歩行者優先について全国で調査。10月8日、その結果を公開した。
この調査は、JAFが2016年以降毎年行っているもので、今回は各都道府県で2箇所ずつ、全国合計94箇所において、信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両8281台を対象に実施された。
結果、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車の数は2534台(30.6%)であった。前年の調査時と比べて9.3ポイントの増加となったものの、依然として約7割の車が止まらないことが判明した。それでも調査初年度の2016年(7.6%)と比べると、4倍近い伸びになっており、かつ上昇基調にあるのは吉報なのかもしれない。
都道府県別の一時停止率ランキング
一時停止率が最も高かった都道府県は今回も長野県で、2016年からの調査開始以来、首位をキープ。過去最高の85.2%を記録した。以下はJAFの発表資料を元に、トップとワーストのそれぞれ上位5位までをランキングにした。
■トップ5
1位 長野:85.2%(6年連続首位)
2位 静岡:63.8%
3位 山梨:51.9%
4位 宮城:51.4%
5位 石川:50.7%
■ワースト5
1位 岡山:10.3%(2020年はワースト3位)
2位 東京:12.1%(2年連続ワースト2位)
3位 青森:14.0%
4位 京都:16.8%
5位 和歌山:18.4%
横断歩道では歩行者優先!
なぜ約7割の車は止まらないのだろうか。交通ルールでは、「横断歩道における歩行者優先」であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務ががある。そのことをドライバーは今一度、確認して欲しい。
JAFホームページにも記載(下記URL参照)されているとおり、本来、車両が横断歩道を通過するとき、横断しようとする歩行者がいる場合には、横断歩道の直前で一時停止し、通行の妨げをしないようにしなければならない。また、横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の手前で停止できるようあらかじめ速度を落とすこともドライバーの責務である。
一方で、歩行者側も、横断歩道を渡る時はドライバーにその意思を伝えたり、無理な横断をしないよう心掛けたりと、お互いの安全を意識することが大切である。
参考:
「信号機のない横断歩道」70%が止まらない!JAF実態調査の結果を公表 <JAFホームページより>
https://jaf.or.jp/common/news/2021/20211018-001
信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2021年調査結果)<JAFホームページより>
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2021-crosswalk