2020年度、駐車マスが拡充または縮小する全国SA・PA一覧【普通車編】
高速道路のSA・PAで、駐車エリアの混雑が目につくようになってきた。その対策として3社によって進められているのが、駐車マスの拡充と、大型車と普通車のマスの数の調整だ。ここでは、2020年度中に普通車の駐車マスの拡充が計画されているSA・PAと、逆に大型車マスとの調整等で縮小予定のSA・PAを一覧にして掲載する。
高速道路のSA・PAには、3種類の駐車マスがある。普通車と二輪車用の「普通車(専用)マス」と、大型車用の「大型車(専用)マス」、そして普通車と大型車のどちらでも利用できる「兼用マス」だ。しかし、大型車マスに普通車を駐車したり、大型車が長いときには半日にも及ぶような長時間駐車が行われたりするような課題も発生している。その結果、大型車が大型車マスが空くのを待つために渋滞が本線まで伸びてしまうといった混雑が起きてしまっている。
この課題を解消するため、駐車マスの拡充が行われている。普通車専用マスを縮小して大型車専用マスを拡充したり、日中に利用されることの多い普通車と夜間に利用されることの多い大型車の時間帯の違いを利用して兼用マスを増やしたりするなどして、大型車の利便性を挙げる方向だ。
一方で敷地内のスペースを再構成したり、周辺に土地の余裕があるSA・PAでは敷地を拡充するなどして普通車マスを増やす取り組みも行われており、2020年度は全国で800マス以上が拡充される計画だ。
2020年度に駐車マスが拡充される全国SA・PAは34か所
普通車の駐車マスが拡充されるSA・PAは、NEXCO東日本が9か所、NEXCO中日本が16か所、NEXCO西日本が9か所の合計34か所に及ぶ。リストの見方は、「27マス(9マス増)」などとある場合は、2020年度の工事で9マスが拡充され、27マスとなることを表している。なお、今回は専用マス・兼用マスの区別をなくし、普通車が駐車できるマス数のみを記載した。
掲載した路線は以下の通り。
【NEXCO東日本】
E4東北道、E14京葉道路、E17関越道、E18上信越道、E51東関道
【NEXCO中日本】
E1東名高速、E1A新東名高速、E8北陸道、E19・E20中央道
【NEXCO西日本】
E1名神高速、E2山陽道、E3九州道、E34長崎道
【NEXCO東日本:9か所】
◆E4東北道
●金成PA(上):27マス(9マス増)
●国見SA(下):168マス(48マス増)
◆E14京葉道路
●幕張PA(上):284マス(133マス増)
●幕張PA(下):244マス(50マス増)
◆E17関越道
●三芳PA(下):178マス(20マス増)
◆E18上信越道
●新井PA(上):52マス(28マス増)
◆E51東関道
●酒々井PA(上):187マス(13マス増)
●湾岸幕張PA(上):78マス(17マス増)
●湾岸幕張PA(下):86マス(15マス増)
【NEXCO中日本:16か所】
◆E1東名高速
●中井PA(上):102マス(8マス増)
●中井PA(下):92マス(8マス増)
●鮎沢PA(上):134マス(14マス増)
●鮎沢PA(下):136マス(24マス増)
●足柄SA(上):504マス(73マス増)
◆E1A新東名高速
●浜松SA(上):162マス(72マス増)
◆E8北陸道
●南条SA(上):146マス(23マス増)
●尼御前SA(上):103マス(17マス増)
●尼御前SA(下):150マス(14マス増)
◆E19中央道
●小黒川PA(上):109マス(69マス増)
●小黒川PA(下):126マス(87マス増)
●駒ヶ岳SA(上):205マス(60マス増)
●駒ヶ岳SA(下):218マス(73マス増)
●虎渓山PA(上):55マス(15マス増)
◆E20中央道
●談合坂SA(上):498マス(63マス増)
●諏訪湖SA(下):165マス(19マス増)
【NEXCO西日本:9か所】
◆E1名神高速
●菩提寺PA(上):128マス(11マス増)
◆E2山陽道
●三木SA(下):194マス(96マス増)
●篠坂PA(上):37マス(11マス増)
●福山SA(上):132マス(28マス増)
●福山SA(下):157マス(14マス増)
◆E3九州道
●須恵PA(上):28マス(9マス増)
●玉名PA(下):82マス(6マス増)
●宮原SA(上):120マス(7マス増)
◆E34長崎道
●金立SA(上):89マス(7マス増)
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駐車マスが減らされるSA・PA
2020年度に駐車マスが縮小されるSA・PAは14か所
続いては、2020年度中に駐車マス数が縮小される計画のSA・PAの一覧だ。普通車の利用が少ないSA・PAにおいては、兼用ではなく大型車専用に切り替えたことが、普通車用マスの減少理由となっている。普通車用の駐車マスが縮小されるのは、NEXCO東日本が4か所、NEXCO中日本が2か所、NEXCO西日本が8か所の合計14か所となっている。
リストの見方は、「110マス(10マス減)」とある場合、専用・兼用問わず普通車が利用できる駐車マスが10マス縮小され、最大で110台が駐車可能であることを示す。
掲載した路線は以下の通り。
【NEXCO東日本】
E4東北道、E51東関道
【NEXCO中日本】
E8北陸道
【NEXCO西日本】
E1名神高速、E2山陽道、E2A中国道、E3九州道、E25西名阪道
【NEXCO東日本:4か所】
◆E4東北道
●国見SA(上):110マス(10マス減)
●安達太良SA(上):223マス(10マス減)
●安達太良SA(下):132マス(106マス減)
◆E51東関道
●酒々井PA(下):178マス(37マス減)
【NEXCO中日本:2か所】
◆E8北陸道
●小矢部川SA(上):94マス(10マス減)
●恵那峡SA(下):190マス(1マス減)
【NEXCO西日本:8か所】
◆E1名神高速
●黒丸PA(下):57マス(41マス減)
◆E2山陽道
●八幡PA(下):37マス(1マス減)
●高坂PA(下):30マス(8マス減)
●小谷SA(下):148マス(12マス減)
◆E2A中国道
●赤松PA(上):98マス(29マス減)
●安佐SA(下):75マス(16マス減)
◆E3九州道
●緑川PA(下):48マス(1マス減)
◆E25西名阪道
●香芝SA(上):85マス(62マス減)
このように拡充が進められているSA・PAだが、所在地と時間帯によって利用に偏りがあり、拡充しても追いつかないと予想されるSA・PAもあるという。そこでNEXCO3社では現在、SA・PAの満空情報を伝える電光掲示板の拡充も進めている。
さらに、NEXCO中日本と西日本では、Webサイトやスマホアプリを用いてSA・PAの混雑情報の発信を行う「iHighway」も運営中だ。これらの情報を活用し、積極的に混雑の少ないSA・PAを活用するのも手である。