国交省が自転車専用通行帯の整備促進へ。2020年度計画発表
国土交通省は6月18日、新型コロナの感染拡大防止のため自転車通勤・通学の促進を図る取り組みについて発表した。それによると、今年度中に東京23区内で自転車専用通行帯を17kmにわたって整備完了させ、今後3年の整備計画を今秋までに策定するという。
「新しい生活様式」を踏まえた自転車通勤・通学の促進
国土交通省は従来から自転車活用推進計画に基づき、自転車通勤などの促進に取り組んできたが、それが一層促進されることとなった。この度、厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」においても、人との接触を低減する移動手段として、自転車による通勤・通学が推奨されているからだ。
そこで国土交通省では、自転車交通量の増加が見込まれるため、まずは今年度、東京23区内において自転車専用通行帯などを約17km整備するという。国交省によると、整備の内訳は国道で約10km、主要都道で約7kmとなる。
また、その整備を皮切りに、東京23区内を対象とした自転車通行空間の、向こう3年間の整備計画を2020年秋までに策定することとした。
企業の自転車通勤導入。課題は駐輪場所の確保など
一方、企業が自転車通勤を導入するにあたっては、さまざまな課題が想定されている。例えば、労災上の問題にもかかわる移動経路や距離の設定方法をはじめ、自転車通勤手当の設定や駐輪場所の確保、更衣室やシャワールームの整備などが挙げられる。
国土交通省では、企業、団体等が過度な負担なく、適切かつ円滑に制度を導入できるよう、前述した課題などを具体的に整理した「自転車通勤導入に関する手引き」を公表。自転車通勤者のために更衣室やシャワールームなどを設置した実例の紹介や、自転車通勤時の通勤災害で認定されない事例などが示されている。この手引きの活用やチラシの配布、Webサイトにおける情報発信などにより、企業などに対しても自転車通勤導入の促進を呼びかけていく方針だ。
さらに、今年4月に創設した『「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクト』により、自転車通勤や業務利用の拡大や、自転車通勤を積極的に推進する事業者の取り組みを紹介していく。7月には第1回「宣言企業」を認定し、最初の認定企業とその取り組みについて発表する予定だ。
このほか、自転車通勤のひとつの形態であるシェアサイクルの普及についても、公共用地等へのサイクルポートの設置や案内看板の設置を促進していく。