クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2019.12.25 公開日:2019.12.25

犬が車酔いになってしまったら。獣医師100人に聞いたアンケートから学ぶ対策と予防法。

愛犬とのおでかけは車で、と張り切ってドライブをしたのに犬の具合が悪そう。もしかしてこれって車酔い? という経験をしたことはないだろうか。獣医師の知識・知見を発信するペットの飼い主向けサイト Vet's Eye(ベッツアイ)が、100名の獣医師を対象に行った調査をもとに、予防・対策について考えてみよう。

記事の画像ギャラリーを見る

犬の車酔いの症状とは。

©chalabala – stock.adobe.com

 人間と同様に、犬も車酔いをすることがある。長時間のドライブであればその可能性はより高まることだろう。
 しかし具合が悪くなっても、人間と違い犬は言葉で体調不良を訴えることができない。だからこそ、飼い主が車酔いの症状やサインはどのようなものか知っておいてあげたい。

 ペットの飼い主に向けたサイト「 Vet’s Eye(ベッツアイ)」では、いろいろなテーマで100名の獣医師に意見を聞き、その結果をサイトで公表している。昨年6月には、犬の車酔いについて聞いているので、その内容をもとに、予防や対策について考えてみたい。まずは、車酔いをしている犬の症状についてだ。

【犬の車酔いの主な症状】
・大量のよだれが出る
・震える
・そわそわと落ち着きがなくなる
・あくびが増える
・鳴いたり、吠えたりする
・下痢
・嘔吐

 分かりやすい症状は下痢や嘔吐だが、普段と様子が違って見えたら注意が必要だ。

ほとんどの犬が車酔いをする可能性がある。

出典:Vet’s Eye「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」

 長時間のドライブでどのくらいの割合の犬が車酔いをするのか、という質問に対して獣医の回答は「1割」が44%、「23割」の47%とほとんど同率だった
 この結果を見るに、犬は必ずしも車酔いになってしまうというわけではなさそうだ。しかし、絶対に酔わないという保証もないので、できるだけ予防してあげたいと思う “親心” もあることだろう。

事前対策は「酔い止め薬」が過半数。

出典:Vet’s Eye「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」

 では、獣医が同意できる出発前の対策法にはどのようなものがあるのだろうか。
 最も同意数が多かったのは、「動物病院であらかじめ酔い止め薬をもらっておく」で9割以上もの獣医が同意する結果となった。
 「酔い止め薬を2時間前に高容量で与える」(大阪府 獣医師)という獣医のコメントもあったが、薬の適量には個体差があると思うので、かかりつけの獣医に確認しておきたいところだ。
 
 続いて、「日ごろから車に乗せて慣れさせておく」が約8割であった。
 東京都の獣医のコメントに、「時々、車でお散歩の場所まで行くなど、楽しい場所まで(短時間で行ける距離)乗せてみる」とあった。「楽しいところへ行く」のだという経験を犬にさせることで、車への苦手意識を無くすという考え方もあるようだ。
 また、「出発前に餌を与えて満腹にしてしまうことを避ける」ことは、どちらとも言えないと回答した獣医師が多かった。
 これは、満腹になると酔って吐きやすくなってしまう、という反面、空腹によって酔ってしまう犬もいるということが理由だという。

出発前の絶食時間の目安は「46時間」。

出典:Vet’s Eye「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」

 さて、空腹すぎても車酔いになる可能性があるとしたら、一体どれくらいの時間の絶食が適切なのだろうか。
 結果を見てみると、「46時間」の約3割が最も獣医師に支持されていた。続いて、支持が集まっていたのは「3時間」「2時間」だった。
 成犬の食事は1日2回(朝・夕)が一般的であり、半日ほどの間隔がある。ということは、食事を抜く絶食、というよりもおやつなどの間食を避ける、もしくは与える際の時間の目安だと考えても良いかもしれない。いずれにしても、過度な空腹状態にさせることは望ましくなさそう、ということが窺える結果だった。

ドライブ中の車酔い対策は?

出典:Vet’s Eye「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」

 次に、乗車中に犬が車酔いにならない方法として、7項目について獣医師が同意できるかどうかを調査した結果を紹介しよう。
 獣医の回答結果によると、最も多いのは「こまめな休憩をとる」が9割以上であった。次いで「走行中に新鮮な空気を入れてあげる」が6割以上だ。
 こまめな休憩で外に出れば、それは新鮮な空気を吸うことにつながる。車内のこもった空気は、きっと嗅覚が敏感な犬にとっては特に心地が悪いものなのだろう。
 ドライブの際には、犬のための休憩時間も加味して計画しておく方が良さそうである。
 
 また、犬にとって車の揺れは、人間以上に大きく感じることだろう。クレートに入れて固定してあげることは、体が揺れにくくなり負担が軽減される効果が期待できるそうだ。
 ちなみに、クレートをクルマに固定せずに走行すると、急ブレーキや事故の時にクレートが飛ぶ可能性がある。クレートは、必ず固定してから走行するようにしよう。 

犬が酔ってしまったら、どんな対策をすれば良いの?

出典:Vet’s Eye「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」

 対策をして万全を期したのに、もし犬が酔ってしまった場合はどうするべきだろうか。
 獣医の約9割が「安全なところで車を止めて、しばらく休憩する」のがよいという。酔わないための対策でも「休憩する」はトップだった。長時間のドライブで休憩することは、犬の車酔い対策として重要だということが分かる。
 SA・PAにはドッグランが併設されているところもあるので、人間がトイレや食事休憩をする際には、一緒に犬も車から降ろし、新鮮な空気を吸わせてあげよう。
 また、「乗り物酔い薬を事前にもらっておいて、車を停めて落ち着いたら飲ませる」(大阪府 獣医師)という対策を挙げた獣医もいた。事前の対策法でも支持を集めていたし、酔い止め薬はいざという時のために用意しておいた方がよさそうだ。

 これからの年末の長期連休には、帰省などで愛犬を乗せて長時間ドライブする機会もあると思う。車酔いの予防、対策を事前に知って実施すれば、愛犬にとってもきっと楽しいドライブになるはずだ。

「獣医師100名に聞いた犬の車酔い予防と対策」【調査概要】
出典:「なんとかしてあげたい犬の車酔い。予防や対策は?」
調査主体:Vet’s Eye(株式会社Zpeer-ズピア)
公開時期:2018年6月7日
調査対象:全国の獣医師100名

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(12月1日まで)
応募はこちら!(12月1日まで)