実は大人も悩まされている乗り物酔い。アンケート結果からわかったおすすめの対策。
乗り物酔いは子どもに多い症状だが、実は大人でも悩まされている人は多いようだ。JAFメイトパーク公式Twitter内で行った「乗り物酔いに関するアンケート」結果と共に、原因と対策をご紹介しよう。
乗り物酔いはなぜ起こるのか。
子どものころ、お弁当とお菓子を持ってのバス遠足ってとても楽しかった。けれど、同時に悩ましかったのが乗り物酔いだ。酔いやすい子は、必ず前の方の席に座らされた。
筆者も前方の先生の隣の席に座らされて、後ろで楽しそうにしているみんなの輪には入れなくてさみしい思いをした経験がある。
三半規管が発達し、平衡感覚もしっかりする大人になるにつれ、自然と乗り物酔いになる頻度は減ってきた。社会人が通勤電車やバスで乗り物酔いになる、なんて話も少なくとも筆者はあまり耳にしたことがない。
一方で、旅行の計画を立てている時に「車には乗りたくない、酔うから」とうんざりして言う友人(もちろん大人である)も筆者の周りにはいる。
大人って酔うの? それとも酔わないの?
疑問に思って、SNSを見てくれている読者にアンケートに協力してもらった。
すると、大人の乗り物酔いについて意外な結果が出たのだ。
乗り物酔いをする人は大人でも約7割。
当編集部が運営するTwitterで、独自に「乗り物酔い」について18歳以上の男女対象としたアンケートを行ってみた。
「乗り物酔いはしない」と回答した人は3分の1しかいなかったのだ。対して「乗り物酔いをする」という回答は、約7割もあった。
大人になれば自然に改善されていくと思い込んでいた。乗り物酔いとは実は、老若男女を問わず一生付きまとう非常に厄介な “病(やまい)” 、というのが実態なのかもしれない。
大人になるにつれ忘れてしまう子どもの頃の感覚だが、少なくとも「乗り物酔い」については子どもも大人も共有できる感覚であるのだな、ということがはっきりと示された結果となった。
酔いやすい乗り物は「船・飛行機」が過半数。
乗り物酔いとひとくちに言っても、いろいろなケースがある。まず筆者が一番に思い浮かぶのは私たちの生活に身近な「車」酔いだ。
それから「電車」も、日常的に利用する欠かせない乗り物だから選択肢としては外せない。
「船」と「飛行機」については、ほとんどの人にとって日常的という頻度では利用しないだろうと思ったので、ひとくくりにしてみた。
車が一番多い回答だろうと思っていたのだが、実際に結果を見てみると「船・飛行機」が過半数を占めて54%とトップとなった。これは正直、意外な結果であった。
日常的に利用する車よりも船や飛行機に票が集まったのは何故だろうか。コメントを見てみると「あの縦横斜めに3Dで揺れるのは地獄です。」「船は揺れです。」「飛行機は海上航路だとダメなので、やはり揺れですね。」など “揺れ” に対するものが主であった。
時には立っていられないほどに激しい揺れと逃げ場のない船上での酔いを筆者も経験したことがある。その揺れを “地獄” と言いたくなるのには思わず納得してしまった。
もうひとつ、船酔いになりやすいのには “精神的なストレス” も考えられそうだ。船に対して不安が大きい人は、そのストレスから乗り物酔いになりやすいのだという。
例えば過去にひどい船酔いを経験したことがある人は、乗船した時のふわふわ感を引き金にその時のトラウマが呼び起こされ憂鬱な気持ちになってしまう。そうなったら、その時点でもう船酔いを引き起こしているようなものだろう。
もしかしたら、大人の場合は経験を重ねている分トラウマも強くなり、精神的なストレスから乗り物酔いになってしまう場合が多いのかもしれない。
乗り物酔いになってしまった時は「遠くの景色を見る」人が約4割。
では、乗り物酔いになってしまった時には、どう対処しているのだろうか。
アンケートでは、乗り物酔いになってしまった時の対処方法も聞いてみた。結果は、「遠くの景色を見る」が36%でこの選択肢の中では最も人気を集めた。
「酔い止め薬を飲む」ことは、選択肢の中で2番目に支持を集め、結果は28%だった。市販薬には、ドロップタイプや速崩タイプなので水なしで服用できるタイプなどもあり、乗り物酔いになってしまい薬を飲み込むことがつらいほどの症状時でも服用しやすそうだ。
ちなみに、薬以外にも乗り物酔い対策になる食べ物がある。
「American Journal of Phisiology(Volume 284 Issue 3)」に掲載された論文によると、生姜は吐き気の重症度を低減し、回復も早める効果があるそうだ。
また、「ベルトや服をゆるめる」といった体をリラックスさせることは、酔いの対処として重要なことである。「気分が悪いかも」と感じたら、まずは体が楽になるよう服装を調整するのも対処法のひとつだ。
コメントであがっていた、ほかの方法もご紹介しよう。
●好きな音楽を聴く
精神的にリラックスできる効果がありそう。エンジン音だけが聞こえる状況より、イヤホンをして音楽を聴くことによって「自分は今乗り物に乗っていないんだ」と暗示をかけてみるのも良さそうだ。
●寝る・しゃべらない
視界と体の情報のギャップをなくすために、目を閉じて寝てしまうことには効果がありそうだ。何より寝てしまえば意識がなくなるので、具合の悪さについて考えずにすむ。
酔ってしまってから無理にしゃべるのも吐き気が増してしまいそうだ。「無理に起きてしゃべらず寝てしまう」のが効果的なのだろう。
●自分で運転する
一般的には車の場合に限られてしまうけれど、ブレーキや曲がる時に自分のタイミングでできるので、感覚のズレが少なくて済む分酔いにくいのだと思う。
実際、筆者も車の後部座席に座っているとすぐに「気持ち悪いかも…」と憂鬱になってしまうが、自分で運転しているときに具合が悪くなったことはない。
そして乗り物酔いはつらいからこそ、そもそもならないために乗る前からの対策を心がけている人が多いということもアンケートのコメントからは読み解くことができた。
今回行ったアンケートからわかったのは、多くの大人も乗り物酔いに悩まされているという事実だった。
乗り物酔いを完全に克服することは難しいけれど、実体験をもとに読者が教えてくれた対処法は酔いのつらさを緩和させてくれるはず。だから、「きっともう大丈夫」、と “酔い” への不安を吹き飛ばしてしまおう。