みんなの好きなおにぎりの具は? 地域の特色が見える結果に注目。
お茶と海苔の老舗・株式会社山本山が実施した「好きなおにぎりの具」ついてのアンケート調査がおもしろい。性別や年代はもちろんのこと、地域ごとの特色も表れている。秋の行楽シーズンを控えているこの時季、お弁当におにぎりを作るならあなたは何の具にする?
全国総合ランキングの結果は?
まずは全国総合のランキングだ。ほど良い塩気としっかりとした旨味が魅力の鮭は定番の具。総合ランキングで堂々の1位を獲得している。焼き鮭をほぐして具にする人もいれば、手軽に鮭フレークを利用する人もいるだろう。いずれにしても、おかず、ふりかけなどでも定番である鮭が人気のようだ。
2位の明太子は、九州の名産品からご飯のお供として全国区になったという証だろう。ピリリと辛く味の濃い明太子は、お米だけではなく海苔との相性も抜群だ。
3位は梅干し。聞くだけで唾が口の中にあふれてくる、日本の食卓には欠かせない梅干しはおにぎりの具としても鉄板。
4位以下も、昆布、たらこ、おかかなど馴染み深い食材が並んでいる。子供の頃、母親が握ってくれたあの優しく懐かしいおにぎりの味を思い出す具が多い印象だ。
男女別ランキングもトップは不動!
男女差が表れると思われたこちらのランキングも、何と男女共に1位の鮭、2位の明太子が並んだ。やはり王道は強し。差が出たのは3位以降で、男性がシンプルな味わいの具材を選ぶ傾向があるのに対して、女性はツナマヨのようなアレンジを加えたこってり風味のものが好きなようだ。
さらには、昔から「髪に良い」と言われ、髪の質を高める成分が豊富な昆布が男性には人気だ。女性にはアスタキサンチンが多く含まれているすじこが支持されている。なんとアスタキサンチンには、老化予防にも良いとされているビタミンEの約500倍もの効果があると言われているのだ。薄毛に悩む男性、いつまでも若々しくいたい女性、それぞれがもしかしたら無意識のうちに自分の体のためになる具を選んでいるのかもしれない。
年代別で差は出るか?20代~70代以下まで。
年代別ランキングでは、20代以下のみ1位にツナマヨがランクイン。若い世代には味が濃くこってりとした具が好ましいのだろう。ところで、コンビニおにぎりのツナマヨの、あの味が家で作るとどうにも上手くいかない…という方もいるのではないだろうか。マヨネーズだけで混ぜるのではなく、ケチャップや味噌を好みで加えると味に奥行きが出てあの味を再現できるのだとか。
さて、他の世代の1位はというとすべて鮭!ここでも断トツの人気ぶりを発揮している。
梅干し、昆布・昆布佃煮は50代以下から上位に登場。馴染みのある食材の中でも、特に素朴な味わいのものが中高年に人気が高いようだ。
さらに注目してほしいのは、「明太子」か「たらこ・焼きたらこ」がどの世代にもランクインしていること。どちらもスケトウダラの卵巣を塩漬けしたものだ。鮭の人気といい、和食全般に使われる魚(魚卵)だからこそおにぎりの具でも定番なのだろう。
ご当地色が面白い!地域別ランキング。
さて、次は全国地域別のランキング結果だ。地域別にしてもTOP3のいずれかにランクインしている鮭はさすが人気の具材。中でも、北海道と東北では鮭とすじこがそれぞれ1位になっている。北海道の先住民・アイヌは鮭のことを「カムイチェプ(神の魚)」と呼び特別な存在として食事や衣服などに利用してきた。そうした民俗背景も結果に影響しているのかもしれない。
昆布消費量が日本一の富山県を擁する北陸で、好きなおにぎりの具の1位も昆布というのは納得の結果だ。
一方関東は、総合ランキングと同じで1位鮭、2位明太子、3位梅干しとなっている。全国各地の出身者が集まる関東だからこその総合的な結果と言えよう。
地元の名産品でもある明太子が1位の九州や、ポークランチョンミートに玉子焼きが添えられた定食が元祖のポーク玉子が1位の沖縄は特にご当地性を感じられる。ちなみにポーク玉子のおにぎりは少し前に流行った「おにぎらず」スタイルが一般的なのだとか。
好きなものならなんだって具になる
定番の具材とは別で、個人の好みが表れる変わり種。アンケートの自由記述欄に寄せられた変わり種は、「アボカドえのき」、「ラッキョウ」、「チーズといぶりがっこ」など実に様々。祝いの席に欠かせない「桜茶」の「八重桜の塩漬け」を、ご飯に混ぜて握る人もいるようで、華やかなおにぎりはホームパーティーにも合いそう。
おかずや付け合わせとして食べることはあっても、おにぎりの具として考えたことのない食材。だけど考えてみればご飯のお供にしているのだから、おにぎりの具として合わないはずがないのだ。
さて、いよいよ迎える秋の行楽シーズン。持っていくお弁当に入れるおにぎりの具は王道?それとも変わり種?ご当地ネタをテーマにしたおにぎりを持ち寄ってみるのも面白いかもしれない。
「みんなが大好きなおにぎりの具アンケート調査」
【調査概要】
調査主体:株式会社山本山
調査期間:2019年6月28日~7月4日
対象人数:4,036人
調査対象:一般のFacebookユーザーから海苔に関心を持っている方
調査方法:インターネット調査