動画で見る「インプレッサWRC98」!! 日本人トップラリースト・新井敏弘の走り【モータースポーツジャパン2019】
首都圏最大級のモータースポーツ系イベントである「モータースポーツジャパン2019 フェスティバル・イン・お台場」。4月6日(土)・7日(日)にお台場で開催され、スバルは1998年の「インプレッサWRC98」と、現行の「WRX STI」の2台がデモ走行を実施。どちらも日本人トップラリースト・新井敏弘選手が操り、抜群のドライビング・テクニックを披露した。
WRC世界ラリー選手権の下位カテゴリーであるPCWRCプロダクションカー世界ラリー選手権において、2005・07年の世界王者となった新井敏弘選手。”世界のトシ・アライ”と呼ばれる、日本人トップラリーストだ。
そんな新井選手がPCWRC参戦時代に乗っていたのが、スバル「インプレッサ」。同車は、それまでの「レガシィ」に代わって、スバルが1993年からWRCに投入したラリーカーだ。スバルは2008年にWRCを撤退するまで同車で戦い続け、その間、3人の世界王者が誕生。また。スバルに3回のマニファクチャラーズ王座をもたらすなど、大いに活躍した。
今回デモ走行を行ったのは、WRCの1998シーズンに投入された「インプレッサWRC98」だ。同車の青は「スバルブルー」といわれ、WRCに参戦した「インプレッサ」は歴代、この鮮やかな青にイエローのアクセントが入れられたカラーリングをまとって戦ってきた(車両ごとにデザインパターンは異なる)。
スバルがWRCから撤退して10年が経過したが、その活躍から、今でも世界的な人気があるのが、このスバルブルーの「インプレッサ」。スバルのラリーカーといえば、今でも同車という人が多い。
現在は全日本ラリー選手権に参戦中の新井選手が乗るラリーカーが「WRX STI」!
現在、新井選手は全日本ラリー選手権に戦いの場を移しており、最上位クラス「JN1」で戦っている(2018年までは最上位クラスの名称は「JN6」だった)。そして、2015・17・18年と3回の最上位クラス王者=総合王者を獲得した。イベント開催時点で2019シーズンも第3戦が終了しており、56点を獲得してランキングトップを走っている(第4戦「久万高原ラリー」は5月3日(金)~5日(日)に愛媛県で開催)。
新井選手は毎年モータースポーツジャパンに参加しており、全日本ラリー選手権に参戦したラリーカーを持ち込み、自らステアリングを握ってデモランや同乗試乗体験を行っている。
新井選手が全日本ラリー選手権で使用しているのが、スバル「WRX STI」ベースのラリーカーだ。今回は、上写真の1号車「富士スバル AMS WRX STI」(スバル・チーム・新井)で走行した。
「WRX STI」は、かつて「インプレッサ」の1モデルだった。現在は独立した車種となり、スバルのクルマの中で最も走行性能を有しており、ラリーカーのベース車両として選ばれている。ちなみに、”STI”とはスバルのモータースポーツ兼ハイパフォーマンス部門である「スバル・テクニカ・インターナショナル」のこと。「WRX STI」はSTIの名を冠した、走りを追求したモデルなのである。
ラリーカーは車重が軽いことから、加速力があるのと同時に制動力も大きい。そのため、お台場の臨時駐車場のような決して広いとはいえない舞台でも、新井選手のような名手であれば、迫力のある走りを見せてもらえる。4輪ドリフトを決め、タイヤスモークを上げながら駆け抜けていく新井選手の走りは、まさに芸術的だった。