突然、クルマが燃え上がったら? 車両火災の「あるある」原因と対策を知ろう!
車両火災は、国内だけでも毎日10件近く発生しており、決して他人ごとではない。実は、車内の「あるある」が原因になることも……。車両火災の原因を知って対策しよう。
車両火災は1日9.6件の頻度で発生している!
高速道路の走行中、交通情報で「車両火災のため通行止め」というアナウンスを目にしたことがあるかもしれない。はたして、車両火災はどのくらい起きているのだろうか。
消防庁の「令和4年版 消防白書」では、車両火災件数は3512件、死者数は 71人(自殺者39人を含む)となっており、単純計算だと1日あたり9.6件の頻度で車両火災が発生していることになる。ただし、消防白書の車両火災件数には放火(他者に火をつけられる、自ら火をつけるなど)や清掃車火災(カセットボンベから漏れたガスに引火して出火など)も含まれている。
もうひとつ、国道交通省の「令和3年 事故・火災情報(統計)」も確認しておこう。この統計結果は、国土交通省に対して車両製造者から報告された事故と火災の件数や原因を取りまとめたもので、事故・火災情報の総件数は1270件、そのうち火災情報は1070件であった。
車両火災の原因は点検・整備不良が最多!
また「令和3年 事故・火災情報(統計)」によると、火災の原因については点検・整備が202件と最も多く、次いで外部要因が117件、社外品・後付装置が108件であったという。
首都高速道路でも車両火災の原因の多くは、エンジン部やタイヤなどの点検・整備不良によるものだとドライバーに注意を呼びかけている。
また、JAF(日本自動車連盟)は、エンジンルームへのウエス(布類)の置き忘れ、バッテリーのターミナル部の弛緩や腐食、装品の取り付けや電源の増設の不備による電気配線のショート、車内に放置した可燃物(ライター、スプレー缶など)の発火の他、ペットボトルやフロントウインドウに貼り付けた透明の吸盤などに太陽光が集光され、部分的に高温となることで発火するケースもあるとしている。
さらに、以下のような原因でも火災が発生することがある。
・エンジンルームに侵入した枯草から出火。
・雪道でスタックしたときにタイヤを無理に回転させてタイヤから発火。
・車内での仮眠時など、気付かないうちにアクセルを踏み込み、空ふかしをして発火。
・車検時の点検・整備以外にオイル交換をしていない。
・煙草の吸殻を処理しない。
・カーステレオやカーナビなど電装品の取り付けや配線が不適切。
ドライバーにとっては「あるある」かもしれない。心当たりがあるなら、万が一に備えて注意したいものだ。
車両火災を起こさないためにできること
想像以上に身近に起こり得る車両火災。普段の「あるある」によって起こることもある。車両火災を起こさないためにできることを、日々、徹底したい。
定期点検・日常点検を実施する
定期点検(12ヶ月点検など)、日常点検を実施する。日常点検では、エンジンオイルや冷却水の補充、タイヤの摩耗度・空気圧を確認しておこう。
車内に火災の原因になるものを放置しない
火災の原因となる可燃物(ライター・マッチ・スプレー缶など)を放置しないようにしてほしい。また、車内にペットボトルを置いておくときは、直接、日光が当たらないよう、ブランケットをかぶせたりバッグにしまったりしておくと発火を防げるだろう。
可燃物の近くを通行しない、近くに駐めない
排気管の近くに枯草、材木、段ボールなどの可燃物があると発火するおそれがある。可燃物の近くを通行すること、近くに駐めることは避けよう。
車両火災が発生したらどうすればいい?
もし走行中に車両の火災に気が付いたら、落ち着いて、以下の手順で行動しよう。
- ハザードランプを点滅させて後続車に緊急事態の発生を知らせる。
- 可能な範囲で安全な場所にクルマを止める。周囲に人がいる場合は大きな声で危険を伝える。
- 119番通報する。
まだ火災の規模が小さく、消化器などがある場合は初期消火に努めてほしいが、危険を感じたなら周囲の人にも大きな声で伝えて、クルマから離れよう。何よりも、安全第一で行動してほしい。
記事の画像ギャラリーを見る