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ライフスタイル最終更新日:2023.07.20 公開日:2023.06.30

出たなトナラー! ガラガラの駐車場でナゼ隣を選ぶ? その心理を考える

ガラガラの駐車場の端にクルマを駐めた。しかし数時間後、愛車の元に戻ってみると、ぴったりと寄り添うかのように隣に見知らぬクルマが! たくさん空いているのに、なぜわざわざ隣を選ぶのか? 通称「トナラー」と呼ばれるドライバーの心理を考えてみよう。

文=宮本 菜々(KURU KURA)

あえて隣に駐めてくる「トナラー」の正体とは?

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SNSを中心に最近よく耳にするようになった「トナラー」という言葉。トナラーとは、駐車場をはじめ、電車、飲食店、映画館など、ガラガラで空いているのにも関わらず、あえて隣を選んで駐めたり座ったりする人のことをいう。

駐車場に限っては、ドアパンチなどのトラブルを避けるため、あえて離れたところに駐めるというドライバーも少なくないだろう。よっぽど駐車場が混雑しない限り、わざわざ隣に駐めるクルマは現れないだろうと思うのは、ごく自然なことだ。

しかし、その予想を大きく上回るのがトナラーだ。駐車場はガラガラ、出入口に近いところだって空いている。それなのに、出入口から遠く離れた片隅にぽつんと駐めたクルマの隣にあえて駐めるのだ。

隣にクルマを駐められないよう、わざわざ好き好んで駐めないような駐車マスを選択しているドライバーからしてみれば「嫌がらせか!?」と思うのも無理はないだろう。

ちなみに、このような行為は「トナリング」と呼ばれている。「ガラガラの駐車場でわざわざ端に駐めていたのにトナリングされた」という表現が、この言葉の正しい使い方だ。

トナリングするトナラードライバーの心理を考える

駐車場でクルマを駐める際、真横にバックでぶつけられたり、乗り降りするときにドアパンチしてしまったり、ドライバーにとっては百害あって一利なしのはず。にもかかわらずなぜ、トナリングするのだろうか?

【ケース1】 駐車マスにこだわりがある

駐車場のマスに余裕があろうがなかろうが、駐車マスに対して何かしらのこだわりがあり、特定の位置に停車しないと気が済まないのかもしれない。隣のマスにクルマが停まっているかどうかはもはやどうでもよく、こだわりを貫き通したいという心理なのではないだろうか。

【ケース2】 駐車場内での目印にしたい

隣のクルマを目印にするためにトナリングする可能性。出入口からでも遠目に見て自分のクルマの位置がわかればそれでいい。特に、ビビッドなカラーのクルマは格好の的かも!?

【ケース3】 駐車するときの目印にしたい

駐車場内の目印としてではなく、駐車するときの目印にしたいというトナラーもいるのではないだろうか。周囲はガラガラ、両側ではなく片側が空いている駐車マスは、駐車が苦手なドライバーにとっては駐めやすいはず。トナラーが現れたら、駐車が苦手なんだな、運転技術がないんだなと寛大な心を持つべきなのかもしれない。しかし、運転技術に不安があるということは、先に駐めていた自分のクルマにぶつけられる可能性もなきにしもあらず。

【ケース4】 高級車やレア車と並びたい

高級車やレアなクルマ、同じ車種など、トナラーにとって何かしらの価値のあるクルマであれば、トナリングして正面から並んでいるところを眺めたり、スマホのカメラでパシャリと記念撮影したりする。実際に、SNSにもそのような投稿がみられるのは事実だ。(高級車やレアなクルマのドライバーにとっては迷惑極まりない)。

【ケース5】 特に何も意識していない……?

パーソナルスペースには個人差がある。駐車場のマスに対しても同様に、空いていようがいまいが、なんとなくそこが目に付いてなんとなく駐めているだけ。特に意識はしておらず、隣に駐められても気にならないなんてことも……あるのだろうか?

トナラー退散! すぐにできる対策とは?

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トナラーやトナリングを防ぐにはどうすればいいのだろうか? 筆者も、もしも自分自身がトナラーだったら、どのような状況でトナリングをためらうのだろうと考えに考え、あえてあげるなら、駐車マスに“斜め”に駐めているクルマの横は選びたくないのでは? という結論に至った。斜めに駐車しているクルマの横だと、自分が駐車する際の目印やお手本にはならないし、そもそも斜めに止めてあるクルマは運転が下手そうに見えるので、そんなクルマにはトナリングしたくなくなる気がする。

もちろん、いくらトナリングされなさそうでも、当然ながら斜め駐車はやるべきではない。駐車場が混雑してきたときには迷惑だし、ドアパンチをしてしまう可能性や、周囲を歩く歩行者にも迷惑だ。そうなると、トナラーを退散させる有効手段は、残念ながら私にはアイデアがない。

トナラーだけじゃない! アケラーって何だ!?

ちなみに「トナラー」の他に、「アケラー」といわれる人たちもいるらしい。駐車場ではなく、主に、道路を走行していると出現する。そう、必要以上に車間距離を取るドライバーのことだ。

もちろん、安全運転や渋滞を防ぐためには十分な車間距離を取る必要があるし、制限速度を守れば車間距離が広くなることもある。ただ、必要以上に速度を落として車間距離を極端に広げることは、後ろのクルマのイライラにつながったりもする。

車間を広げているアケラーにはそれぞれ理由がある場合も多いので、そもそもアケラーに対しても冷静に接するのが安全運転の鍵ではあるが、同乗者とのお喋りなどで自分が身勝手なアケラーになっていないかは、運転中にも注意したいものである。

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